この記事では介護保険のサービスを利用するための申請を代行で行う方法などについて解説しています。
介護が必要な高齢者とその家族を社会全体で支えていくためにスタートした介護保険制度ですが、介護保険のサービスは利用したいと思ってすぐに利用できるものではありません。
介護保険のサービスを利用するためには要介護認定を受けなければならず、そのためには要介護認定の申請を行う必要が出てきます。
この要介護認定の申請ですが、自ら申請に行ける方はいいですが、自ら申請を行うことができない状態にある方はどうすればいいのでしょうか?
ここでは介護保険のサービスを利用するための申請や代理での申請などについて解説していきますので、介護保険サービスを利用するための申請を検討されている方は是非参考にしてみてください。
介護保険の申請方法
高齢化社会が叫ばれている現在の日本では、高齢者を支え、その家族の介護による負担を軽減するための介護サービスは欠かすことができないものになっています。
この介護保険のサービスを利用するためには要介護認定というものを受ける必要があり、要介護認定を受けることによって所得に応じて介護保険のサービスを1割~3割の自己負担で利用することができるようになります。
では、そのサービスを利用するためにはどうすればいいのか、解説していきます。
地域包括支援センターへ相談
介護保険のサービスを利用したいと考えている方は、まず地域包括支援センターへ相談に行ってみるといいでしょう。
地域包括支援センターとは、市区町村が設置主体となり保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーのチームアプローチによって、介護・医療・保険・福祉などの側面から高齢者を支えるという役割を担っている施設です。
対象地域に居住している高齢者とその方の支援を行っている方が利用することができ、高齢者の介護などを始めとする様々な相談に対応してくれますので、介護サービスの利用を検討されている方で何から初めていいのかわからないなどという方は一度相談に行かれることをオススメします。
要介護認定の申請
介護保険のサービスを利用するためには要介護認定を受ける必要がありますが、そのためには要介護認定の申請をしなければなりません。
要介護認定とは、保険者である市区町村が介護保険のサービスの利用を希望する被保険者に対して「この被保険者には本当に介護が必要なのか」「どの程度の介護が必要になるのか」ということを判断するもので、この認定結果によって利用できるサービスなどが決まってきます。
先程も申しあげたように、介護保険のサービスを利用するためには要介護認定を受けることが必須となっていますので、サービスの利用を希望する方は必ず申請するようにしてください。
申請にお金はかかりませんが、インターネットやメールなどでは申請することはできませんので、市区町村の窓口にて申請を行うようにしてください。
介護認定調査
市区町村の窓口にて要介護認定の申請を行うと、1~2週間以内に介護認定調査員が自宅や施設などを訪問し、介護保険サービスの利用を希望する者が「本当に介護が必要な状態なのか」ということなどについての聞き取りを行います。
このことを介護認定調査といいます。
介護認定調査を受ける場合は、「自身の状況をありのままに伝える」「どのようなことに困っているのかを具体的に伝える」ということを心がけてください。
また、要介護者は思い込みやプライドなどによって、自分ではできないことをできると答えてしまう場合も多いので、介護認定調査を受ける際は必ず家族が立ち会うようにしましょう。
この介護認定調査の結果や主治医の意見書をもとに、保険・福祉・医療の専門家によって構成されている介護認定審査会が要介護認定を行います。
認定結果の通知
介護認定審査会によって要介護認定が行われると、申請者に結果の通知が行われます。
結果の通知は原則として申請を行ってから30日以内に行われます。
認定結果は「要介護1~5」「要支援1・2」もしくは「非該当」に分かれており、要介護・要支援と認定された方は所得に応じて1割~3割の自己負担で介護保険のサービスを利用することが可能になります。
介護保険の申請は代行でも行える
介護保険のサービスを利用するために必要になってくる要介護認定ですが、自分自身で行えない場合は代理人を使っての申請も可能になっています。
本人が介護保険の申請ができない場合
護保険のサービスを利用しようと検討されている方がすべて自分自身で要介護認定の申請を行えるとは限りません。
利用者本人が入院中などによって身動きがとれない状態である可能性もあるでしょう。
そのような場合には代理人による申請も認められています。
主に自分自身で申請を行えないときは家族・親族またはケアマネージャーを代理人とするのですが、地域包括支援センター・介護保険施設・居宅介護支援事業者などを代理人として申請の代行をしてもらうことも可能になっています。
申請の手続きを完了させると1~2週間以内に入院している病院に介護認定調査が訪れ、介護認定調査を行ってくれます。
この場合病院側には事前にその旨を伝えておき、介護認定調査の当日には家族に立ち会ってもらえるようにしましょう。
申請に必要な書類
要介護認定の申請を行うには以下に記載する様々な書類が必要になってきます。
[介護保険要介護・要支援認定申請書]
役所の担当窓口やホームページ、もしくは地域包括支援センターなどで入手することができる申請書です。主治医の氏名や医療機関に関する情報を記載する必要があります。
[介護保険被保険者証]
65歳以上の第一号被保険者は介護保険被保険者証を持参するようにしてください。この介護保険被保険者証は65歳になる前にお住まいの市区町村から郵送されます。
[医療保険証]
40歳~64歳までの第二号被保険者の方はまだ介護保険被保険者証を持っていないので、介護保険被保険者証の代わりに医療保険証を持参してください。
[マイナンバーが確認できるもの]
被保険者本人のマイナンバーカードかマイナンバーの通知カード(写しも可)を持参してください。
[印鑑]
本人の認め印の他、本人以外が申請を行う場合は窓口に来る方も認め印を持参するようにしてください。
[診察券など]
要介護認定の申請を行う方の主治医の氏名や医療機関の名称・住所などが確認できるものを持参してください。
[身分証明書]
運転免許証、介護支援専門員証、身体障害者手帳といった申請者の身分を証明するものを持参してください。また、代理人を通して申請を行う場合は代理人も身分証明書を持参するようにしてください。
[委任状]
代理人が申請をする場合は代理権が確認できる委任状なども持参してください。
まとめ
ここまで介護保険のサービスを利用するための申請に関することについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
介護保険のサービスを利用するためには要介護認定を受ける必要があります。
しかし、解説してきたように入院しているなどの理由で本人が申請を行うことができない場合でも代理人を通じて申請を行うことが可能になっています。
ただ、入院中は介護保険のサービスを利用することができないということには注意が必要です。
このため、退院したらすぐに介護保険のサービスを利用したいと考えている方はこの記事を参考にして申請を行うようにしましょう。