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介護保険|訪問看護でできることとは?どんなサービス?

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介護保険|訪問看護でできることとは?どんなサービス?

この記事では介護保険の訪問看護ではどのようなサービスを受けることができるのかということについて解説しています。

訪問看護は自宅で介護生活や療養生活を送っている方を支えるサービスです。

ただ、介護保険の制度にあまり詳しくない方は訪問看護ではどのようなサービスを受けることができるのか、また、利用方法や負担額はどうなっているのかと疑問に思っているでしょう。

この記事では、介護保険の訪問看護ではどのようなサービスを受けることができるのかということなどについて解説していきますので、訪問看護を利用したいと考えている方は是非参考にしてください。

介護保険で訪問看護を受けるためには?条件は?

介護保険で訪問看護を受けるためには?条件は?

訪問看護とは在宅介護サービスの1つで、高齢者がこれまで住み慣れてきた自宅でこれからも自立した生活を送れるようにするためのサポートを行うというものです。

ただ、誰でも申し込めばすぐに利用することができるというものではなく、介護保険で訪問看護を利用するためには条件があります。この項目ではそれらの条件について解説していきます。

介護保険で訪問看護は誰が利用できるの?

介護保険の被保険者は65歳以上の第一号被保険者と40歳~64歳までの第二号被保険者に分けられていますが、筋委によって訪問看護が必要であると判断された方の中で、介護保険で訪問看護が利用できる人とは以下のような方です。

[第一号被保険者]

要介護認定の申請を行い、「要介護1~5」または「要支援1・2」と認定された方

[第二号被保険者]

16種類の特定疾病(以下に記載)であると認められた方で、「要介護1~5」または「要支援1・2」と認定された方

[16種の特定疾病]

  • 1.がん(がん末期)
  • 2.関節リウマチ
  • 3.筋萎縮性側索硬化症
  • 4.後縦靭帯骨化症
  • 5.骨折を伴う骨粗鬆症
  • 6.初老期における認知症
  • 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  • 8.脊髄小脳変性症
  • 9.脊柱管狭窄症
  • 10.早老症
  • 11.多系統萎縮症
  • 12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 13.脳血管疾患
  • 14.閉塞性動脈硬化症
  • 15.慢性閉塞性肺疾患
  • 16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

介護保険で訪問看護の負担額は?

介護保険制度では所得に応じてサービスを利用した場合の自己負担額が決められていますが、自己負担額が1割の場合の目安は以下のような金額になります。2割負担の方は2倍、3割負担の方は3倍の金額になります。

[訪問看護ステーションを利用したときの自己負担額]

20分未満:1回311円
30分未満:1回467円
30分~60分:1回816円
60分~90分:1回1,118円

[病院又は診療所を利用したときの自己負担額]

20分未満:1回263円
30分未満:1回396円
30分~60分:1回569円
60分~90分:1回836円

以上のような自己負担額になりますが、ある条件を満たすとここに緊急時訪問加算、長時間訪問加算、複数名訪問加算、ターミナルケア加算などを始めとする様々な費用が加算されます。

これらの加算料金も1割負担の方は自己負担額が1割となります。

介護保険で訪問看護を利用するまでの流れ

訪問看護を利用するための流れは以下のようになります。

①要介護認定の申請を行う

お住まいの市区町村の担当窓口や地域包括支援センターなどにおいて要介護認定の申請を行います。

②介護認定調査を受ける

要介護認定の申請を行った日から1~2週間以内に介護認定調査員が自宅を訪問して、利用者本人やその家族などから聞き取り調査を行います。

③要介護度の認定

介護認定調査の結果や主治医の意見書などを踏まえて、最終的に介護認定審査会が利用者の要介護度を決定します。結果の通知は原則として申請日から30日以内に行われます。

④ケアプランの作成

認定された要介護度に基づいて、担当のケアマネージャーにケアプランを作成してもらいます。また、それと同時に利用する介護事業者の選定も行います。事業者との契約を締結すると介護保険での訪問看護サービスを利用することが可能になります。

介護保険で訪問看護を利用する場合の利用時間や回数は?

介護保険で訪問看護を利用する場合ですが、利用回数に制限は設けられていません。

利用時間についてですが、1回のサービス利用時間は20分未満、30分未満、30分~60分未満、60分~90分未満の4つに分けられており、利用者の必要に応じて選択することが可能になっています。

ただ、要介護度に応じて設定されている支給限度額を超えて使用した場合は全額自己負担となりますので注意してください。

訪問看護を受けられる日時は?

訪問看護は基本的にいつでも利用することができますが、サービスを提供している事業者によっては、土曜日・日曜日・祝日や夜間にサービスの提供をしていないところもありますので、事業者を選ぶ際には注意する要にしてください。

訪問看護って何ができるの?どんなサービス?

訪問看護って何ができるの?どんなサービス?

ここまでで介護保険で訪問看護のサービスを利用するための条件などについて解説してきましたが、訪問看護では実際にどのようなサービスを提供してくれるのでしょうか?以下で解説します。

療養環境の確認と助言

  • 介護保険サービス等に関する手配状況の確認や助言を行ってくれます。
  • 居室やベッド周り等の安全確保や採光・換気・空調等の確認と助言を行ってくれます。
  • 杖・車いす・介護ベッドといった福祉用具の手配状況の確認や助言を行ってくれます。
  • ガーゼやおむつといった医療用品の手配を行ってくれます。

健康状態の観察と療養生活の助言

  • 血圧・体温・脈拍・呼吸などのチェックや食事・運動・休養に関する助言を行ってくれます。
  • 利用者の病状の経過観察と助言を行ってくれます。

病気療養のための看護

  • 薬の服用方法の指導や服薬確認
  • 床ずれ処置 (体圧分散・除圧・減圧、皮膚面の保湿・清潔ケアなど)
  • 血糖測定
  • 人工肛門・パウチ交換
  • 浣腸
  • 経管栄養(胃ろう・経鼻)
  • 摘便
  • 腸ろう・腎ろう・膀胱ろう管理
  • たんの吸引(口鼻腔、気管切開)
  • 気管カニューレ管理
  • 薬剤やスチームの吸入
  • 永久気管孔管理
  • ガーゼ交換
  • 導尿
  • カテーテル管理
  • 人工呼吸器管理
  • 点滴
  • IVH管理(中心静脈栄養)
  • 注射(静脈、筋肉、皮下)
  • 在宅酸素療法
  • 採血

療養生活のサポート

  • 食事のサポートを行ってくれます。
  • 口の中の清潔を保つためのケアを行ってくれます。
  • シャワーや入浴を始め、手浴・足浴などを行ってくれます。
  • ひげ剃り・整髪・着替えなどの身だしなみを整えるためのサポートを行ってくれます。
  • トイレやおむつ交換といった排泄のサポートを行ってくれます。
  • ベッドや車いすへの折写りのサポートやベッドの上での体位変換などのサポートを行ってくれます。

精神と心理の看護

  • 利用者がリラックスするために頭や手足のマッサージを行ってくれます。
  • 利用者とのしゃべり相手になってくれます。
  • テレビ鑑賞・音楽鑑賞や読書のサポートを行ってくれます。
  • 散歩や旅行などの付き添いを行ってくれます。
  • 筋疾患や神経疾患の利用者との文字盤を使っての会話の相手になってくれます。
  • 利用者が精神的に不安定になっているときの見守りや声かけなどを行ってくれます。
  • 利用者のリハビリや治療への意欲換気を行ってくれます。

看護するご家族への技術指導や相談

  • 利用者のご家族が抱いている悩みの相談に対応してくれます。
  • 利用者のご家族への看護・介護の知識や技術の指導を行ってくれます。
  • 認知症に関する正しい知識と接し方の指導を行ってくれます。
  • 医師の診察結果をわかりやすく説明してくれます。

その他の様々なサービスについての相談

  • 介護保険や医療保険についての説明を行ってくれます。
  • 医療機関やお住まいの市町村などの相談窓口の紹介してくれます。

介護保険利用時の訪問看護でできることをしっかり理解しよう!

介護保険利用時の訪問看護でできることをしっかり理解しよう!

ここまで介護保険の訪問看護ではどのようなサービスを受けることができるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように介護保険の訪問介護では利用者がこれまで住み慣れた自宅で安心して療養生活を送ることができるようなサポートを行っている他、利用者のご家族への様々なアドバイスなども行っています。

訪問看護は自分の家で最期まで生活したいという高齢者の願いを叶えるものですので、サービスの内容を理解して積極的に活用していきましょう。

ただ、介護保険で訪問看護を利用する場合は要介護認定を受けることが必須となっていますので、要介護認定の申請を忘れずに行うようにしてください。

要介護認定を受けていないとサービスにかかった費用のすべてが自己負担となりますので注意が必要です。

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