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介護保険における医療費控除の対象とは?事例も紹介!

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介護保険における医療費控除の対象とは?事例も紹介!

この記事では介護保険における医療費控除の対象となるサービスについて解説しています。

高齢化社会が叫ばれる日本では介護保険のサービスを利用される高齢者の方が増加しています。

そのような中で気になってくるのがどのような介護サービスが医療費控除の対象になるのかということだと思います。

ここでは介護保険における医療費控除の対象となるサービスについて解説していきますので、どのような介護サービスが医療費控除の対象となるのか気になっているという方は是非この記事をご覧ください。

介護保険そもそも医療費控除とは?

介護保険そもそも医療費控除とは?

まず医療費控除について解説します。

医療費控除とは、1月~12月の間の1年間に本人または生計を一にする家族が支払った医療費などの実質負担額の合計金額が10万円(所得金額が200万円に満たない場合は所得金額の5%)を超えた場合に、市は払った医療費をその年の所得税から控除することができるという制度です。

医療費控除の対象になる医療費とは治療を目的として行われる通院や入院・検査・治療にかかる費用で、美容目的のものは医療費控除の対象にはなりません。

介護保険|医療費控除の対象となるサービスは?

介護保険|医療費控除の対象となるサービスは?

介護保険制度では、介護サービスを提供している事業者から居宅サービスや介護要望サービスの提供を受けた際に支払った対価の中で、療養上の世話の対価に相当する金額は医療費控除の対象となります。

では、介護保険において医療費控除の対象となる居宅サービスとはどのようなものがあるのでしょうか?

①医療費控除の対象となる居宅サービス

医療費控除の対象となる居宅サービスとは以下のようなサービスです。

  • 訪問看護
  • 介護予防訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 通所リハビリテーション【医療機関でのデイサービス】
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 短期入所療養介護【ショートステイ】
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限ります。)
  • 複合型サービス(上記の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除きます。)に限ります。)

②①の居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス

先程の項目で紹介した居宅サービス等と併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービスとは以下のようなサービスです。

  • 訪問介護【ホームヘルプサービス】(生活援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助)中心型を除きます。)
  • 夜間対応型訪問介護
  • 介護予防訪問介護(※平成30年3月末まで)
  • 訪問入浴介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 通所介護【デイサービス】
  • 地域密着型通所介護(※平成28年4月1日より)
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防通所介護(※平成30年3月末まで)
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 短期入所生活介護【ショートステイ】
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合及び連携型事業所に限ります。)
  • 複合型サービス(上記①の居宅サービスを含まない組合せにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除きます。)に限ります。)
  • 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除きます。)
  • 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除きます。)

医療費控除の対象外となる居宅サービス等

上記①②で紹介したものとは違い、医療費控除の対象外となる居宅サービス等とはならないサービスとは以下のようなサービスです。

  • 訪問介護(生活援助中心型)
  • 認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護
  • 特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム等】
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 介護予防地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護の部分)
  • 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスに限ります。)
  • 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスに限ります。)
  • 地域支援事業の生活支援サービス

介護保険の医療費控除|対象事例3選

介護保険の医療費控除|対象事例3選

ここでは、どのような事例が医療費控除の対象となるのか、3つの事例をピックアップして解説します。

訪問介護は医療費控除を受けられる?

訪問介護ですが、条件次第では医療費控除を受けることは可能になっています。

訪問介護において医療費控除を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。

訪問介護が医療費控除の対象となるのは、医療系のサービスと併せて身体介護中心の訪問介護を利用した場合のみとなっています。

つまり、食事の介助や排泄の介助といった身体介護中心型である訪問介護と医療系サービスであるデイケアを利用してリハビリテーションを受けているなどという場合に対象となります。

ただ、家事を行うことが困難で自宅にホームヘルパーに来てもらって、掃除・洗濯・料理などを行ってもらっているという方は、生活援助中心型となり、医療費控除の対象とはなりませんので注意してください。

デイサービスは医療費控除を受けられる?

デイサービスも訪問介護と同様に条件次第では医療費控除を受けることが可能になっています。

介護保険には医療系のサービスと福祉系のサービスがありデイサービスは治療を目的としている医療系サービスではなく福祉系サービスに該当するため、基本的に医療費控除を受けることができません。

医療費控除の対象となる具体例を挙げますと、普段デイサービスを利用している方の家族が突然具合が悪くなり、しばらく要介護者の介護ができなくなってしまったという場合などに短期入所療養介護(ショートステイ)を利用したという場合です。

この場合ですと、福祉系のデイサービスと医療系の短期入所療養介護を併せて利用していますので、医療費控除を受けることが可能になります。

有料老人ホームは医療費控除を受けられる?

結論から申しあげますと、他の2件とは違って有料老人ホームは医療費控除の対象とはなりません。

有料老人ホームとは介護施設であり、医療施設ではないというのが大きな理由です。

つまり、同居している親を有料老人ホームに入れて、その利用料などを負担している方が、かかった費用を医療費控除しようとしても認められないということです。

ただ、有料老人ホームで使用したおむつ代や訪問診療によってかかった費用は医療費控除の対象となるケースもあります。

医療費控除の対象となるケースの場合は領収書に「医療費控除対象」と記載されますので、その領収書は捨てずに保管しておくようにしましょう。

介護保険|医療費控除の対象を理解して最適な利用を!

介護保険|医療費控除の対象を理解して最適な利用を!

ここまで介護保険における医療費控除の対象となるサービスについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

介護保険で利用することができるサービスは、「単独で医療費控除の対象となるもの」「他の医療系サービスと組み合わせることによって医療費控除の対象となるもの」「医療費控除の対象とならないもの」に分かれていますが、利用中のサービスが医療費控除の対象となるものなのかということはほとんどの方が分からないのではないかと思います。

そのような方に注意して見てもらいたいのが、居宅サービス事業者などが発行している領収書です。医療費控除の対象となる場合には、対象となる金額が領収書に記載されていますので、それを確認することで医療費控除の対象であるのかということを確認することができます。

ただ、まだサービスの利用を検討している段階だという方などは担当のケアマネージャーの方に相談するようにしてください。

解説してきたように、介護保険のサービスは医療費控除の対象となるものもありますので、医療費控除の対象について理解して賢く制度を利用したいですね。

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