この記事では介護保険を利用したデイサービスの自己負担額について解説しています。
施設に入所して介護サービスを受けるのではなく、施設に通うことによって介護サービスを受けるデイサービス。
高齢者がこれまで通り住み慣れた自宅で暮らしながらサービスを受けることが可能になるので、自宅から離れたくないという高齢者の精神的な負担を軽減することができる他、介護を行っている家族の介護による負担を軽減することも可能になります。
このようなデイサービスですが、利用した場合どの程度の額を自己負担することになるのでしょうか?
ここでは介護保険を利用したデイサービスの自己負担額について解説していきますので、興味のある方は是非ごらんください。
介護保険を利用して介護サービスを受けるためには
デイサービスは施設に通うことによって介護サービスを受けるものですが、そもそも介護保険を利用して介護サービスを受けるためにはどうすればいいのでしょうか?
要支援・要介護認定が必要
介護保険を利用して介護サービスを受ける際には利用者が「要支援1・2」または「要介護1~5」といった要介護認定を受ける必要があります。
要介護認定を受けることによって介護保険サービスを利用することが可能になり、自己負担額1割(所得に応じて2割~3割)で介護サービスを利用することが可能になっています。
デイサービスとは
先程の項目で、介護保険を利用して介護サービスを受けるためには要支援又は要介護といった要介護認定を受ける必要があるということが分かりました。
では、ここから本題に入ります。そもそもデイサービスとは何なのかということから解説していきます。
デイサービスとは通所介護ともいい、日帰りで施設に通うことによって介護サービスを受けることができるもので、基本的に家の前まで送迎バスが来てそのバスに乗って移動するため、介護を行っている家族が送迎を行う必要はありません。
このため、「自宅から離れたくないという高齢者に外出の機会を与えたい場合」や「普段介護を行っている方が介護以外の時間を確保したい」という際に使用する方も多いです。
ただ、デイサービスを利用できるのは要介護認定で「要介護1~5」に認定された方のみとなります。「要支援1・2」と認定された方は介護予防通所介護という別のサービスを利用することとなります。
デイサービスの内容
では、デイサービスはどのような内容なのでしょうか?デイサービスで受けることができるサービスの内容は以下のようになっています。
- 食事の提供
- 入浴の提供
- 生活に関する相談
- 日常生活の世話
- 健康状態の確認
- 機能訓練
- レクリエーションの提供
以上のようなサービスが提供されますが、この中の「機能訓練」と「レクリエーション」では何が行われるのかと気になる方もいるかと思いますので、解説していきます。
[機能訓練]
機能訓練とは、腰や膝の痛みがある方のケアを行ったり、足腰が弱らないように筋力をつけたりするもので、通所する施設によって行っている取り組みは異なりますが、いくつか例を挙げておきます。
歩行訓練:スタッフが付いてフロアをまわる等を行い、日常生活で転倒することなく北できるような訓練を行います。
フットバス:足浴のことで、全身のリラックス効果があります。
マッサージ:身体の様々な部位に対してマッサージを行うことで、血液循環などを改善することができます。
ラジオ体操:慣れ親しんだラジオ体操の音楽を流して体操をします。
ストレッチ:マットに横になったり座ったりして足・腰・腕などを伸ばしますことによって固くなっていた身体が柔らかくなります。
[レクリエーション]
デイサービスでは利用者が楽しめるように頭を使うものから外に出て行うものまで多種多様なレクリエーションが実施されています。
通所する施設によって行っている取り組みは異なりますが、いくつか例を挙げておきます。
連想ゲーム:いくつかのワードから連想するものや地名を当てるゲームで、頭を使うレクリエーションにあたります。
カラオケやダンス:音楽のリズムに合わせてカラオケをしたりダンスをしたりします。また、タンバリンやカスタネットなどの楽器をならす場合もあります。
花見や紅葉狩り:季節に合わせたレクリエーションで、車いすの方でも行くことができる安全な場所で行われます。
デイサービスの自己負担額の目安
出デイサービスを利用する際にかかってくる費用はどの程度なのかということですが、デイサービスの費用は認定されている要介護度を始めとする様々な条件によって変わってきます。このためにここでは自己負担額の目安を紹介していきます。
要支援の場合
要介護認定によって「要支援1」又は「要支援2」と認定された方はデイサービス(通所介護)を利用することはできません。
要支援者が利用することができるのは介護予防通所介護という介護保険サービスとなりますが、サービスの内容は要介護者が利用することができるデイサービスとほとんど変わりません。
介護予防通所介護は基本的に月額制となっており、契約の途中で要介護度が変更された場合や事業所が変更になった場合場度は、日割りによって費用が計算されます。
介護予防通所介護の自己負担額の目安ですが、認定された要介護度が要支援1の場合は1ヶ月で1,647円となり、要支援2の場合は1ヶ月で3,377円となります。
ただ、利用するメニューによっては運動機能向上225円/月、栄養改善150円/月、口腔機能向上150円/月といった追加費用がある他、目安となる自己負担額に食費や入浴代などの加算もあります。
要介護の場合
要介護認定によって「要介護1~5」と認定された方は「要支援1・2」の方とは違いデイサービス(通所介護)を利用することが可能になっています。
ただ、要介護者が利用するデイサービスの費用はサービスを提供している施設によって異なってくる上に、利用する時間によって1回の料金が変わってきます。以下に要介護度ごとの利用時間による自己負担額の目安を記載します。
[要介護1の場合]
3時間以上5時間未満の利用:1回の利用で380円~426円
5時間以上7時間未満の利用:1回の利用で572円~641円
7時間以上9時間未満の利用:1回の利用で656円~735円
[要介護2の場合]
3時間以上5時間未満の利用:1回の利用で436円~488円
5時間以上7時間未満の利用:1回の利用で676円~757円
7時間以上9時間未満の利用:1回の利用で775円~868円
[要介護3の場合]
3時間以上5時間未満の利用:1回の利用で493円~552円
5時間以上7時間未満の利用:1回の利用で780円~874円
7時間以上9時間未満の利用:1回の利用で898円~1,006円
[要介護4の場合]
3時間以上5時間未満の利用:1回の利用で548円~614円
5時間以上7時間未満の利用:1回の利用で884円~990円
7時間以上9時間未満の利用:1回の利用で1,021円~1,144円
[要介護5の場合]
3時間以上5時間未満の利用:1回の利用で605円~678円
5時間以上7時間未満の利用:1回の利用で988円~1,107円
7時間以上9時間未満の利用:1回の利用で1,144円~1,281円
参考:介護のみかた デイサービスとは?サービス内容や料金、利用する方法を解説
また、このような基本料金に加えて栄養改善・口腔機能向上などの特別なメニューを利用する際には別途費用がかかってきます。
まとめ
ここまで介護保険を利用したデイサービスの自己負担額について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
介護保険制度では、介護保険サービスを利用する際には要介護認定を受けなければならず、その判定結果によって要支援の方は介護予防通所介護、要介護の方はデイサービス(通所介護)を利用することが可能になります。
ただ、解説してきたようにデイサービスを利用する際にかかってくる自己負担額は各施設によって変わってくる他、利用するメニューによって追加料金などもかかってくるので、デイサービスの利用を検討されている方は事前にどの程度の費用がかかるのかということについて確認するようにしましょう。