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介護保険で住宅改修を!ユニットバスは介護保険が適用される?

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介護保険で住宅改修を!ユニットバスは介護保険が適用される?

この記事では介護保険を利用した住宅改修でユニットバスは介護保険が適用されるのかということについて解説しています。

介護保険では住宅改修というサービスがあり、自宅を介護がしやすい環境へと整備するためにかかった費用の一部を負担してくれるという制度があります。

ただ、住宅か異種を受けることができる工事は決まっており、それ以外の工事は保険給付の対象とはなりません。

ここでは介護保険を利用した住宅改修やユニットバスは介護保険が適用されるのかということについて解説していきますので、ユニットバスの取り付けに介護保険を使いたいと考えている方などは是非ご覧ください。

そもそも介護保険を使った住宅改修の条件とは?

そもそも介護保険を使った住宅改修の条件とは?

介護保険には住宅改修にかかる費用を介護保険で軽減するサービスがありますが、このサービスを利用するためには住宅改修における3つの条件を満たしている必要があります。

また、大前提としてこれから紹介する3つの条件に加えて、要介護認定において「要介護」又は「要支援」の認定を受けている必要があります。

自宅であること

まず、1つめの条件ですが、介護保険を利用した住宅改修を行う住居が自宅であることです。

住宅改修は住所地として指定している住居にのみ適用されますので、子どもの家に一時的に住まわせてもらっている場合や別荘などは住宅改修の対象にはなりません。

このため、引っ越しなどで住所が変わった場合は指定の住所地を変更する申請を行う必要があります。

住宅改修を受ける際に住所は大変重要になってきますので、引っ越しなどを行った場合などには忘れず変更を行うようにしましょう。

介護に関する改修であること

2つめの条件は介護に関する住宅改修であることです。

住宅改修は自宅を住みやすくしたり介護を行いやすくしたりするために行うものなので、介護と何ら関係のない改修は保険給付の対象とはなりません。

行う改修工事が介護のためのものなのか、介護には関係ないものなのかの判断は難しいので、住宅改修の対象となる工事は明確に規定されています。

[住宅改修の対象となる改修工事]

①手すりの取り付け(玄関・廊下・階段・浴室・トイレなどに設置するもので、取り付けに工事を伴わないものは対象外)
②段差や傾斜の解消(玄関・廊下・浴室・トイレなどの室間の段差や傾斜の解消)
③滑り防止・移動の円滑化を目的とした床材の変更(車いすでは移動しにくい畳や滑りやすい床などを固い床材やフローリングなどに変更する工事)
④開き戸から引き戸への変更や扉の撤去(アコーディオンカーテンへの取り替えやドアノブの変更や戸車の設置なども対象となります)
⑤和式便器から洋式便器への変更(和式から洋式への変更のみ対応、洋式から洋式への取り替えは対象外)
⑥その他に①~⑤の工事に付帯して必要となってくる工事(床材変更の際の下地補強など)

上限の20万円を使っていないこと

3つめの条件が上限の20万円を使い切っていないということです。

介護保険の住宅改修は住宅改修にかかる費用の一部を支給してくれるサービスですが、無制限に支給してくれるというわけではありません。支給の上限額は20万円と決まっており、支給されるのは一生涯に一度となっています。

ただ、住宅改修の条件を満たしている工事である限り、20万円の範囲内であれば何度でも支給を受けることができます。

住宅改修でユニットバスをつけた場合は介護保険が適用されます!

住宅改修でユニットバスをつけた場合は介護保険が適用されます!

自宅で介護を行う際に、被介護者が入浴が困難な場合はユニットバスを付け替える必要がありますが、実は介護保険でのユニットバスの付け替えは住宅改修の範囲内であると認められるのです。下記で解説していきます。

介護保険で対象になる工事箇所

まず、ユニットバスを付け替える場合に介護保険の対象となる工事箇所ですが、給排水設備・出入り口・浴槽・手すり・床・照明器具・ユニットバスの壁などがそれにあたります。

ただ、介護に必要ないと考えられる浴室用のテレビやジェットバスといったものは介護保険の給付対象にはなりませんので注意が必要です。

ユニットバス工事は按分する必要がある

先程の項目ではユニットバスに関する工事について介護保険の対象となる箇所について解説しましたが、この対象となる部分を適切な方法で按分する必要があり、この按分によって介護保険の支給額が決定されます。

この按分が不完全になると介護保険が利用することができなくなり、自己負担分が増加することになります。

施工費の按分の計算方法

ユニットバスの按分率の計算方法は以下のようになります。

①ユニットバス全体の施工費を税抜き標準価格の10%を目安に算出する
②①で算出した全体の施工費に対象部分の按分率(床20%、浴槽15%、扉10%)を掛けて算出する

ユニットバス全体の施工費である税抜き標準価格の10%ですが、メーカーが表示している小売価格などの一般的な価格に10%を掛けたものが使用されます。

また、床20%、浴槽15%、扉10%と按分率が決まっているので、それらを掛けることによって重要度に分けた費用の算出が可能になります。

実際に計算してみましょう!

では実際に計算してみましょう。

[ユニットバス全体の税抜き標準価格が800,000円の場合で浴槽と扉が対象のケース]
全体の施工費が「800,000円×10%」で80,000円となり、対象部分の施工費ですが浴槽が「80,000円×15%」で12,000円、扉が「80,000円×10%」で8,000円となります。

このため、浴槽には12,000円かかり、扉には8,000円かかることになります。

住宅改修はどうやって介護保険が適用されるの?

住宅改修はどうやって介護保険が適用されるの?

では、住宅改修はどのような流れで進んでいくのでしょうか?ここでは住宅改修の流れについて解説していきます。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(1) 担当のケアマネージャーに相談

介護保険でユニットバスの改修を行う場合、まずは担当のケアマネージャーに相談するようにしましょう。

「その工事は介護保険の給付対象になるのか」「何が必要な工事なのか」ということについて打ち合わせを行う必要があるからです。この打ち合わせで住宅改修を行う事業者も決定します。

担当のケアマネージャーがいない場合は、保険者である市町村の担当窓口にて相談するようにして下さい。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(2) 家の下見に来てもらう

住宅改修を行う事業者の選定がすんだら、選定した事業者に家の下見に来てもらいましょう。この下見の際には必ず立ち会うようにし、改修の希望などを伝えるようにします。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(3) ユニットバス改修プランを作成してもらう

下見の結果をもとにして事業者にユニットバスの改修に関する見積書や工事図面といった事前申請に必要な改修プランを作成してもらいます。

改修プランが完成したら市町村の担当窓口において必要書類を提出して住宅改修の手続きを行います。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(4) 住宅改修工事開始

事業者と契約し、住宅改修工事を開始します。住宅改修では工事終了後に工事前と工事後の比較ができる写真の提出を求められます。

これらの写真は基本的に事業者が撮影しておいてくれますが、念のために自分でも撮影しておきましょう。

ちなみに、同じ角度かつ日付入りが条件です。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(5) 工事にかかった費用のお支払い

ユニットバスの改修工事が無事終了したら、一旦工事代金の全額を支払います。

これは住宅改修の支払い方法が償還払いとなっているためで、後に申請することによって自己負担分以外の金額は返還されます。

ただ、支払い方法が受領委任払いの場合は、工事代金の1割(所得に応じて2割~3割)を支払います。

介護保険で住宅改修(ユニットバス)の流れ(6) 介護保険の利用を申請

事業者にかかった費用を支払った後に介護保険利用の申請を行います。

申請には、必要事項を記入した申請書の他に領収書・工事費内訳見積書・改修前後の写真などが必要になります。

申請が受理されると指定した口座に住宅改修にかかった費用の中から自己負担分を差し引いた金額が振り込まれます。

ほとんどの場合ユニットバスの改修は介護保険の上限額を超える?

ほとんどの場合ユニットバスの改修は介護保険の上限額を超える?

残念ながらユニットバスの改修を住宅改修の支給上限額である20万円に納めることは不可能となっています。

ユニットバスの改修工事では、多くの場合は浴室をすべて取り替えることになるため、支給上限額の20万円を簡単にオーバーしてしまうので、必ず自己負担の部分が出てきます。

ただ、各市町村には介護保険と併用することが可能な住宅改修補助制度が設けられていますので、担当のケアマネージャーなどに相談してみるようにしましょう。

介護保険で住宅改修を!ユニットバスは介護保険が適用される?のまとめ

介護保険で住宅改修を!ユニットバスは介護保険が適用される?のまとめ

ここまで介護保険を利用した住宅改修でユニットバスは介護保険が適用されるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたようにユニットバスの改修は介護保険の対象になり、保険給付を受けることが可能になっています。

ただ、ユニットバスの改修は非常に高額なものであり、手すりの取り付けや段差の解消といった住宅改修とは異なり、支給上限額の20万円ではすべての費用を負担することは不可能となっています。

ただ、介護保険と併用可能な補助制度なども設けられていますので、それらをうまく利用するようにしてできる限り費用を抑えるようにしたいですね。

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