この記事では介護保険の申請を代理で行うことができるのかということについて解説しています。
介護保険のサービスを利用するためには要介護認定を受ける必要があります。
ただ、入院中などで身動きがとれないといった場合など、自分自身で申請に行くことができない場合はどうすればいいのでしょうか?
ここでは介護保険の申請を代理で行うことができるのかということについて解説してきますので、入院中などで身動きがとれないが、介護保険サービスを利用するための申請を行いたいという方は是非この記事を参考にしてください。
入院中や身動きが取れない…|代理人が介護保険の申請はできる?
介護保険サービスを利用するためにはまず要介護認定の申請を行い、「要介護1~5」又は「要支援1・2」の認定を受ける必要があります。
この要介護認定の申請はお住まいの市町村の担当窓口において行うものですが、入院中や身動きがとれない方の場合は自ら担当窓口に出向くことができないため、代理人が代わりに申請を行うことが可能になっています。
代理人を通じて要介護認定の申請を行うことは可能ですが、入院している間は介護保険制度のサービスを利用することはできないということは覚えておく必要があります。
これは複数の保険制度を同時に利用することはできないという規則が定められているからです。ただ、入院中などではなく、介護保険以外の保険を重複して移用していない場合は介護保険の使用が可能です。
本人以外で介護保険を申請できる人とは
先程の項目で入院中や身動きがとれない方の場合は自ら担当窓口に出向くことができないため、代理人が代わりに申請を行うことが可能になっていますと申しあげましたが、本人以外で介護保険を申請できる人とはどのような人なのでしょうか?
本人の家族
要介護認定の申請は「本人」又は「本人の家族」が行うことが基本となっていますので、本人の家族が本人の代わりに要介護認定の申請を行うことは可能になっています。
地域包括支援センターの職員
基本的には「本人」又は「本人の家族」が行うことになる要介護認定の申請ですが、その両者ともが何らかの事情で申請を行うことができない場合は地域包括支援センターに申請の代行を依頼することが可能になっています。
依頼を受けた地域包括支援センターの職員が代わりに要介護認定の申請を行ってくれます。
居宅介護支援事業者の職員
地域包括支援センターの場合と同じく、「本人」又は「本人の家族」が申請を行えない場合は居宅介護支援事業者にも申請の代行を依頼することが可能になっています。
依頼を受けた居宅介護支援事業者の職員が代わりに申請を行ってくれます。
介護保険施設の職員
地域包括支援センターや居宅介護支援事業者の場合と同じく、介護保険施設に入所中の方は介護保険施設にも要介護認定の申請を代行してもらうことが可能になっています。
依頼を受けた介護保険施設の職員が代わりに申請を行ってくれます。
代理人が介護保険の申請を行う流れ
介護保険に係る手続きにて代理人が申請を行う際には次のような3つの確認が行われます。
代理権の確認
まず代理権の確認が必要になりますが、以下に記載する①~③のいずれかが必要になってきます。
①法定代理人の場合は、登記事項証明書その他その資格を証明する書類
②任意代理人の場合は、委任状
③上記のものが困難である場合は、本人の介護保険関係書類(介護保険被保険者証、認定更新通知、負担割合証、保険料決定通知等の他、官公署から本人に対して一つに限って発行・発給された書類)
代理人の身元(実存)確認
次に代理人の身元確認が必要になります。
代理人が個人の場合は以下に記載する①が必要になり、①が困難な場合は②に記載する書類が2つ以上必要になります。
ただ、現在の容姿と顔写真が大きく異なる場合や期限が切れているものなどは利用することができません。
①代理人のマイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、身体障害者手帳、在留障害者保健福祉手帳、在留カード、特別永住者証明書、療養手帳、介護支援専門員証等を始め官公署発行で写真付きで氏名と生年月日又は住所が記載されているもの
②代理人の公的医療保険の被保険者証、介護保険被保険者証、認定更新通知、負担割合証、保険料決定通知、年金手帳、生活保護受給者証、児童扶養手当証書、その他の官公署発行で氏名と生年月日又は住所が記載されているもの、社員証、電気・ガス・水道といった公共料金領収書
代理人が法人の場合はAの書類が必要になりますが、Aがない場合はBとCの書類が必要になります。
A介護保険サービス指定事業者と本人との契約書の写し(本人と事業者の法人名、法人の住所が記載されている部分の写し)
B登記事項証明書その他官公署より発行された書類(名称又は商号、本店又は主たる事務所の所在地が記載されているもの)
C法人と本人の関係を証明する書類(契約書などの法人名と本人の記載部分や法人住所の記載部分の写し)
本人の番号確認
最後に本人の番号確認が必要になります。以下の①か②のうち1つが必要になります。
①本人のマイナンバーカード又はその写し
②本人の通知カード又はその写し
代理人が申請する場合は何が必要なの?|必要なものリスト
では、最後に代理人が申請を行う際に必要になってくるものを解説します。
要介護・要支援認定申請書
これは役所の窓口やホームページ、地域包括支援センターなどで入手することが可能になっています。主治医の氏名や医療機関に関する情報を記載する必要があります。
介護保険被保険者証
65歳以上の第一号被保険者の方は介護保険被保険者証が必須となります。介護保険被保険者証は65歳になる前にお住まいの市町村から郵送されます。
健康保険被保険者証
40歳~64歳までの第二号被保険者の方は健康保険被保険者証が必要になります。第二号被保険者の方はまだ介護保険被保険者証を持っていないのでその代わりということになります。
マイナンバーカード
被保険者本人のマイナンバーが確認できるものが必要になります。マイナンバーカード又は通知カードを持参してください。(写しでも可)
申請者の身元が確認できるもの
申請者本人の身元が確認できる運転免許証、介護支援専門員証、身体障害者手帳などが必要になります。
主治医の情報が確認できるもの
申請者本人の主治医の氏名や医療機関の名称・住所などを確認することができる診察券などが必要になります。
代理権が確認できるもの
本人又は家族以外の申請であるため、委任状と行った代理権が確認できるものが必要になります。
印鑑
申請者本人の認め印の他、代理で申請するために窓口を訪れる方の認め印が必要になります。
代理人の身元を確認できるもの
本人又は家族以外の申請であるため、代理人の身元を運転免許証、身体障害者手帳、パスポートといった身分確認証が必要になります。
介護保険の申請を代理でできる?|本人以外が手続きする方法のまとめ
ここまで介護保険の申請を代理で行うことができるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
解説してきたように介護保険サービスを利用するために必要となってくる要介護認定の申請は、サービスを利用する本人が入院中などで身動きがとれない場合は代理人を立てて申請を行うことが可能になっています。
ただ、代理人を立てての申請は通常のサービス利用者本人が申請を行う場合と比べて申請に必要になってくるものが増えてきますので、事前にしっかりと準備をして申請に望むようにしてください。