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65歳以上の生活保護受給者の介護保険の利用は?

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65歳以上の生活保護受給者の介護保険の利用は?

この記事では65歳以上の生活保護受給者は介護保険を利用することができるのかということについて解説しています。

現在日本では少子高齢化が叫ばれており、介護保険の重要度が増してきています。

また、高齢者の増加に伴って生活保護を受給する高齢者も増加してきていますが、この生活保護受給者は介護保険を利用することはできるのでしょうか?

ここでは65歳以上の生活保護受給者は介護保険を利用することができるのかということについて解説していきますので、生活保護を受給しているという方などは是非参考にしてください。

生活保護を受給していても介護保険は利用できる

生活保護を受給していても介護保険は利用できる

現在日本では少子高齢化が加速しており介護保険の必要性が増してきており、それと同じように高齢者の生活保護受給者も増加し続けています。

介護保険では介護保険サービスを利用するためには介護保険料をしっかりと支払っていなければいけませんが、生活保護を受給している方というのはもともと介護保険料を支払うことが厳しいというような方が多いと思います。

では、「生活保護を受給している高齢者の方が、もし介護が必要になったときにその高齢者は介護保険サービスを利用すること可能なのか」ということですが、実は生活保護を受給していたとしても介護保険サービスは利用することができるようになっています。

生活保護受給者の介護保険の利用の流れ

生活保護受給者の介護保険の利用の流れ

前述したように生活保護を受給している方も介護保険サービスを利用することができます。

では、生活保護を受給している方が介護保険サービスを利用するためにはどうすればいいのでしょうか?

ケアプランの決定はケースワーカーも関わる

介護保険サービスを利用するためには担当のケアマネージャーなどにケアプランを作成してもらう必要があります。

生活保護を受給している方が介護保険サービスを利用する場合のケアプランの作成には、ケアマネージャーの他にケースワーカーが入り、ケアマネージャー・ケースワーカー・生活保護受給者との協議によって利用するサービスの内容を決定することになります。

また、福祉用具貸与や住宅改修の場合も、ケースワーカーが生活保護受給者の自宅を訪問し、生活保護受給者の生活状況などの聞き取り調査を行った上で、これらのサービスの利用が必要であるかを判断します。

介護保険サービスの利用負担の割合

では、生活保護受給者が介護保険サービスを利用した場合の負担割合はどれくらいになるのでしょうか?

生活保護受給者ではない65歳以上の方が介護保険サービスを利用する際の自己負担割合は所得に応じて1割~3割となっていますが、生活保護受給者が介護保険サービスを利用した場合にかかってくる自己負担割合は1割となっています。

サービス費の支給は保険者である市町村が行うことになりますので、ケアプランを作成する事業者は事前に保険者へのサービス内容の確認などを行います。

これが承諾されるとサービスを利用することが可能になり、保険者である市町村から介護居宅事業所に介護券などが送付されることになります。

また、生活保護受給者の福祉用具貸与や住宅改修に関する負担割合ですが、これらにかかる負担割合分は保険者である市町村が支払うことになっています。

福祉用具貸与や住宅改修の利用は先程も申しあげたようにケースワーカーのよる聞き取り調査が必要であり、ケースワーカーがきちんと点検することによって福祉用具貸与業者や住宅改修業者の考えなどを抑えることができ、無駄な支出を減らすことが可能になっています。

生活保護受給者の介護保険料は

生活保護受給者の介護保険料は

最後に生活保護受給者の介護保険料について解説していきます。

現在日本では40歳になると自動的に介護保険に加入することになり、介護保険サービスを利用しているか利用していないかにかかわらず介護保険料は支払わなければならないことになっています。

また、65歳を迎えると生活保護を受給しているか受給していないかなどに関係なく原則としてすべての方に「介護保険被保険者証」が郵送され、特定疾病であることが介護保険サービスを利用することの条件となっている40歳~64歳までの第二号被保険者とは違い、介護が必要になるといつでも要介護の申請をすることができ、「要支援1・2」や「要介護1~5」と認定されれば介護保険サービスを利用することができるようになります。

基本的に65歳以上の第一号被保険者は介護保険料を受給している年金より天引きされるかたちで支払うことになりますが、生活保護を受給している65歳以上の方の介護保険料はどうなるのでしょうか?

実は、65歳以上の第一号被保険者は基本的に受給している年金から天引きされるかたちで介護保険料を納めていますが、生活保護を受給している65歳以上の方は介護保険料を支払う必要はありません。

これは生活保護を受給している65歳以上の介護保険料が支給される生活保護費の「生活扶助」からまかなわれているからです。生活扶助とは食費や光熱費と行った生活費を支給するものなのですが、そこに介護保険料の分が加算されることになります。

また、要介護認定を受けて介護保険サービスを利用することになった場合、生活保護受給者も1割の自己負担が必要になってきますが、この自己負担分も介護保険料の場合と同様に生活保護費のうちの「介護扶助」によってまかなわれることになります。

ただ、すべての方が必ず全額免除されるのかというとそういうわけでもなく、本人に支払い能力があると認められた場合には、その支払い能力に応じて一部の費用を負担する場合もあります。

生活保護の扶助に上乗せされるかたちで支給される介護保険料ですが、原則として上乗せされた介護保険料は他の第一号被保険者の方が年金から天引きされるのと同様に、生活保護費から天引きされます。

もともとは生活保護制度の生活保護受給者の自立を促すという趣旨に則って保護費から天引きされずに生活保護受給者本人が納付する普通徴収という納付方法をとっていたのですが、生活保護受給者の介護保険料滞納が大きな問題となり、現在の天引きによる納付に変更されました。

まとめ

まとめ

ここまで65歳以上の生活保護受給者は介護保険を利用することができるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように65歳以上の第一号被保険者が生活保護受給者であった場合でも介護保険サービスを利用することは可能になっています。

しかし、介護保険サービスを提供している事業者の中には、生活保護受給者に対して全く必要のないサービスを目一杯提供しようとするあくどい事業者も存在します。

生活保護受給者の方は他の被保険者の方とは違い介護保険料は生活保護費によってまかなわれていますので、生活保護費を節約し国の負担を軽くするためにも本当に必要なサービスのみを利用するようにしましょう。

また、生活保護受給者の介護保険料は基本的に生活保護費から天引きされますが、生活保護の受給開始直後や住宅地特例で市外に住民票がある場合などは天引きされず現金で支給されることがあります。

このような場合に自ら納付に行かずに滞納してしまうと、生活保護を受給している間はペナルティを受けませんが、生活保護を受給しなくてよくなった場合即座に介護保険の給付措置の対象となり、必要な介護保険サービスを利用することができなくなることがありますので、天引きがされない場合は支払い忘れなどがないように注意する必要があります。

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