この記事では介護保険の要介護認定は申請から認定まで期間はどのくらいかかるのかということについて解説しています。
介護保険制度を利用した介護サービスを受ける場合には要介護認定の申請を行い、「要支援1・2」または「要介護1~5」であると認定される必要があります。
ただ、初めて要介護認定の申請を行う方は「申請を行ってから判定結果が通知されるまでどのくらいの時間がかかるのか」と疑問に思われることと思います。
ここでは介護保険の要介護認定は申請から認定まで期間はどのくらいかかるのかということについて解説していきますので、初めて要介護申請を行うという方などは是非ご覧ください。
要介護認定の申請から認定までの流れ
介護保険サービスを利用するためには要介護申請を行い、「要支援1・2」または「要介護1~5」と認定される必要があります。
ではこの要介護認定の申請を行ってから認定まではどのような流れになっているのでしょうか?以下にて解説していきます。
市区町村に必要書類の提出
要介護認定の申請はお住まいの市町村の担当窓口において行います。
この担当窓口ですが、お住まいの市町村によって「福祉課」であったり、「高齢者支援課」や「介護保険課」であったりする場合もありますので、担当の窓口がどこか分からない場合は総合窓口にて確認するようにしましょう。
申請においては要介護認定の申請書、介護保険被保険者証(第二号被保険者の方は持っていないので健康保険被保険者証)、マイナンバーが確認できるものといった様々な書類が必要になってきます。
この書類はお住まいの市町村によって異なってくる場合もありますので、事前に確認するようにしてください。
また、要介護認定の申請を行うにあたって何から始めればいいのか分からないという方は地域包括支援センターに相談するようにしましょう。
地域包括支援センターとは該当地域に居住している高齢者とその介護を行っている方が利用することができる施設で、高齢者に関する様々な相談に対応してくれます。
もちろん要介護認定の申請に関する相談にも対応してくれる他、すべてに無料で対応してくれますので気軽に相談することが可能になっています。
被保険者の認定調査
要介護認定の申請を行うと介護認定調査が始まります。
介護認定調査とは申請者本人がどの程度の介護を必要としているのかということを確認するために行われるもので、介護認定調査員が申請者の自宅や入所先の病院を訪問して聞き取り調査を行います。
また、市町村は申請者の主治医に対して主治医意見書の作成を依頼します。これは申請者の要介護度を判定する際に必要になってくるもので、申請者に主治医がいないという場合は市町村が指定する医師の診断を受けることになります。
介護認定調査が終了すると審査判定に入ります。
審査判定は一次審査と二次審査に分かれており、一次判定は介護認定調査の結果と主治医意見書の一部をコンピュータに入力して行われ、二次判定は一次判定の結果と主治医意見書に基づいて介護認定審査会が最終的な要介護度の判定を行います。
要介護認定の判定結果
市町村は介護認定審査会にて下された最終的な判定結果に基づいて要介護認定を行い、その結果を申請者に通知します。
この結果は「要支援1・2」「要介護1~5」または「非該当」のいずれかで通知されます。
要介護認定の結果が出るまでの期間
要介護認定の申請を受けた市町村は申請を受理した日から30日以内に要介護度の認定を行わなければならないと決められています。
ただ、諸事情などにより30日以内に認定を行うことができない場合もあり、その場合は市町村は認定が遅れる理由及び認定までにかかる期間などを申請者に通知することによって認定期間を延期することが可能になります。
認定前に介護サービスは利用できるのか
要介護度の認定は原則として申請を行ってから30日以内に行われます。
通常は認定結果の通知を受け取って要介護度の確認をしてから介護保険サービスの利用を開始しますが、本人の状態などによっては要介護認定の結果が出るまで待っていられないという場合もあるかと思います。
このような方のために介護保険法では要介護認定の効力は申請を行った日までさかのぼると定められており、申請を行って結果として「要支援」または「要介護」と認定されれば、申請時から利用していた介護保険サービスも介護保険の給付対象となりますので、要介護度の認定を待たずして介護保険サービスを利用することは可能になっています。
要介護認定の申請時に地域包括支援センターへ相談
要介護認定の結果が出る前に介護保険サービスを利用したいと考えている場合は、要介護認定の申請を行う際に地域包括支援センターに相談するようにしてください。
地域包括支援センターもしくはケアマネージャーが申請者本人の身体状況や住環境などを確認して必要となるサービスの立案を行います。
ケアマネージャーによるケアプランの作成
先程も申しあげたように認定結果を確認する前に介護保険サービスを利用する場合は、地域包括支援センターもしくはケアマネージャーが申請者本人の身体状況や住環境などを確認して必要となるサービスの立案を行います。
これは暫定のケアプランであり、通常の利用方法の場合は要介護度の判定結果を確認してからケアプランの作成を行うので、要介護度ごとに決められている支給限度額を超えないようにすることができます。
しかし、認定結果を確認する前に介護保険サービスを利用する場合は要介護度が分からないため、支給限度額も分からないまま暫定のケアプランによってサービスの利用を開始することになります。
予想されていた介護度よりも低かった場合の介護サービス費
認定結果を確認する前に介護保険サービスを利用する場合は、要介護度が分からないまま暫定のケアプランによって介護保険サービスを利用することになりますが、もし後に通知された要介護度が想定していた要介護度よりも低かった場合には、それまでに利用していた介護保険サービスにかかる費用が支給限度額を超えているという事態に陥る場合があります。
この場合は認定された要介護度の支給限度額を超えた分は全額自己負担となり、「非該当」と認定された方については介護保険サービスを利用するためにかかった費用のすべてが自己負担となりますので注意しなければなりません。
まとめ
ここまで介護保険の要介護認定は申請から認定まで期間はどのくらいかかるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
解説してきたように要介護度の申請を行ってから介護認定調査や審査判定を経て認定結果が通知されるまでの期間は申請を行ってから30日以内となっています。
ただ、近年介護保険サービスの需要が高まっており、それに伴って要介護認定の申請者も増加しているためこの期間内に必ず結果が通知されるとは限りません。
また、介護保険制度では要介護認定の効力は申請を行った日までさかのぼるとされているため、認定結果の通知を待たずして介護保険サービスを利用することが可能になっています。
ただ、もし認定結果が想定していた要介護度よりも低かった場合には支給限度額を超えた介護保険サービスの利用費が全額自己負担となってしまいますので、認定結果が出る前に介護保険サービスを利用する際は地域包括支援センターなどでよく相談してから利用を開始するようにしてください。