この記事では介護保険を利用するための申請方法や、そこにケアマネージャーがどのように関わってくるのかということについて解説しています。
介護保険サービスを利用するためには要介護認定の申請を受けてケアプランを作成する必要がありますが、皆さんはこの要介護認定の申請方法の他、要介護認定から介護保険サービスの利用開始までの流れや介護保険サービスを利用するまでにケアマネージャーがどのように関わってくるのかご存知ですか?
ここでは介護保険を利用するための申請方法や、そこにケアマネージャーがどのように関わってくるのかということについて解説していきますので、興味のある方は是非ご覧ください。
介護保険の申請から結果通知までの流れ
介護保険サービスを利用するためには要介護認定の申請を行い要介護度の認定を受ける必要があります。
ここでは要介護認定の申請から結果通知までの流れについて解説していいます。
①要介護認定の申請
要介護認定の申請はお住まいの市町村の担当窓口にて行いますが、担当窓口はお住まいの市町村によって「介護保険課」「高齢者福祉課」「保健福祉課」など名称が異なってきますので、どこの窓口で申請を行えばいいのか分からないという場合は役所のホームページで事前に確認するか、総合窓口にて教えてもらうようにしましょう。
また、申請には「要介護・要支援認定申請書」「介護保険被保険者証(第二号被保険者の方は健康保険被保険者証)」「マイナンバーが確認できるもの」「身分証明書」等が必要になってきます。
②介護認定調査と主治医意見書
担当窓口にて申請を行うと介護認定調査というものが始まります。
介護認定調査とは、介護保険サービスの利用を希望している方に対して「本当に介護が必要な状態なのか」「どの程度の介護が必要なのか」ということについて確かめるために行われるもので、市町村から派遣される介護認定調査員が申請者の自宅や入所先の病院を訪問して全国共通の調査票を利用した聞き取り調査を行います。
この介護認定調査は原則として申請を行ってから1~2週間以内に行われます。
主治医意見書とは、申請者本人の身体状況について市町村の依頼を受けてかかりつけ医が作成するもので、かかりつけ医がいないという場合には市町村が指定する医師の診察を受けて主治医意見書を作成してもらうことになります。
③審査判定
介護認定調査が終了すると審査判定に移ります。この審査判定は一次判定と二次判定に分かれて行われます。
一次判定では、介護認定調査における調査票の結果と主治医意見書の一部をコンピュータに入力して行われます。
これは客観的かつ公平な判定を下すために行われるものであり、ここでコンピュータ処理によって要介護区分の判定を行います。
二次判定では、一次判定の結果と主治医意見書をもとにして介護認定審査会によって要介護区分の判定が行われます。
この介護認定審査会とは市町村が設置するもので、5名程度の保険・福祉・医療の専門家によって構成されています。
④認定結果の通知
市町村は介護認定審査会によって下された最終的な要介護区分の判定に基づいて要介護認定を行い、申請者に対してその結果を通知します。
認定結果は「要支援1・2」「要介護1~5」または「非該当」のいずれかであり、非該当と認定された方は介護保険サービスを利用することができません。
また、この結果通知は原則として要介護認定の申請を行ってから30日以内に申請者のもとへと通知されることになっており、遅れる場合にはその旨を記載した書類が郵送されてきます。
申請についての相談窓口
介護保険サービスを利用するためには要介護認定の申請を行う必要がありますが、まず何から始めればいいのか分からないという方もいると思います。
そのような方が要介護申請の相談を行うことができる相談窓口について解説していきます。
その① ケアマネの所属する地域包括支援センター
要介護認定についての相談を行いたい時は地域包括センターを利用しましょう。
地域包括支援センターは該当地域に居住している高齢者とその介護を行っている方が利用することができる施設で、主任ケアマネージャー(介護の専門家)、社会福祉士(福祉の専門家)、看護師や保健師(医療・保健の専門家)が在籍しています。
この地域包括支援センターでは「総合相談・支援」「介護予防ケアマネジメント」「権利擁護」「包括的・継続的マネジメント支援」といった支援を行っており、要介護認定に関する相談についても無料で対応してくれるので、気軽に相談することが可能になっています。
その② ケアマネが常勤する居宅介護支援事業所
また、地域包括支援センターではなく居宅介護支援事業所に相談するという手もあります。
居宅介護支援事業所とは、ケアマネージャーを配置している事業所のことで、介護や介護保険に関する相談に対応しており、もちろん要介護認定の申請に関する相談にも対応してくれます。
また、通常では要介護認定の申請は申請者本人か家族が行うことになりますが、それができないという場合には居宅介護支援事業所が代わりに要介護認定の申請を行うこと可能になっています。
申請後結果がでればケアマネの出番
介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受けることが必須となっていますが、要介護認定を受けてもまだ介護保険サービスを利用することはできません。
毛要介護認定後にケアプランを作成すると介護保険サービスを利用することが可能になるのです。
サービスを利用するためにケアマネと契約
要介護認定を受けたら次はケアマネージャーと契約を行いましょう。
ケアマネージャーは介護保険制度の上では「介護支援専門員」と呼ばれ、介護が必要であると認められた高齢者のケアマネジメントを行うことがその役割となっています。
ケアマネージャーを探す場合には地域包括支援センターか市町村の介護保険の窓口に行き、居宅介護支援事業所のリストをもらうか、「ハートページ」をもらうかしてケアマネージャーを選び、契約を行います。
ただ、契約を行う際には「信頼することができる事業所に所属しているか」「ヒアリング能力は高いか」「人柄はどうか」といったことなどをきっちりと確認してから行う必要があります。
ケアマネがケアプンを作成してくれる
介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受けた後にケアプランを作成する必要がありますが、このケアプランはケアマネージャーが作成してくれます。
ケアプランを作成することになると、ケアマネージャーが要介護者とその家族の状況を確認するために自宅を訪問して聞き取りを行います。
ここで「現在どのような状況で、どのような生活を送りたいのか」ということを明確にし、要介護者やその家族の希望に合わせた目標を設定します。
そして、その設定した目標を達成するために必要となる介護保険サービスを検討し、ケアプランを作成します。
ケアマネが業者と連携してくれる
ケアマネージャーの仕事は介護保険サービスを利用するために必要なケアプランの作成だけではありません。
市町村や介護保険サービスを提供している事業者との連絡や調整といったことも行ってくれます。
このため、ケアマネージャーを選ぶ際には事業者との連携をしっかりと行ってくれるかも見極める必要があります。
まとめ
ここまで介護保険を利用するための申請方法や、そこにケアマネージャーがどのように関わってくるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
解説してきたようにケアマネージャーは介護保険サービスを利用するにあたって必要不可欠な存在といえます。
このため、ケアマネージャーを選択は慎重に行わなければなりません。
ここで失敗してしまうとケアマネージャーとうまく連絡が取れなかったり、ケアプランの立て方に不満が出てきたりといったトラブルが起こってきますので注意が必要です。
ただ、どうしても選択したケアマネージャーと合わないという場合はケアマネージャーの変更も可能になっていますので、居宅介護支援事業所に変更したいという旨を伝えるか地域包括支援センターに相談するようにしましょう。