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癌末期を訪問看護で受けるのは介護保険か医療保険か?

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癌末期を訪問看護で受けるのは介護保険か医療保険か?
「訪問看護」では自宅に看護師などの医療従事者が訪れ、身体介護や医療的な処置を行います。

「訪問看護」を利用した時の保険ですが利用される方の状態に応じて、介護保険での利用になるか、もしくは医療保険での利用になるかが決まります。

今回は癌末期の方に焦点を当て、「訪問看護」のサービス内容や「訪問看護」を利用するときの保険について解説していきます。

そもそも訪問看護とは何か?

そもそも訪問看護とは何か?
冒頭でも紹介しましたが、「訪問看護」は自宅に看護師などの医療従事者が訪問し、サービスの提供を行います。

提供されるサービスは、食事、排泄、入浴などの身体介護から、点滴や胃ろうの処置、傷口の消毒など様々なものがあります。

自宅に介護福祉士やホームヘルパーなどが訪問する「訪問介護」と比較して、「訪問看護」は点滴や胃ろうの処置など、医療的な処置があることが大きな違いです。

訪問看護で出来る主なこと

訪問看護で出来る主なこと
次に「訪問看護」で提供されるサービスの内容を、項目ごとにわけで紹介していきます。

その① 健康状態のアセスメント

「アセスメント」には、物事を客観的に把握すると言う意味があります。

「健康状態のアセスメント」では体温や脈拍といった客観的な事実だけでなく、「訪問看護」を受ける方が感じている不安や苦痛などの主観的な情報をもとにして、サービスの提供を受ける方が置かれている状態を総合的に確認することを指します。

確認する客観的な事実の中には、病状や障害、日常生活に影響を及ぼす要因などもあります。

「健康状態のアセスメント」で得た情報を基に、「訪問看護」を利用される方へ提供する、具体的なサービスの内容を作成します。

その② 日常生活に関わる支援

「日常生活に関わる支援」ですが、食事、入浴、排せつなどの日常生活に密着した事がらへの支援になります。

具体的には食事を摂取するときの支援や、入浴介助そして排泄の自立支援や適切なおむつ使用などです。

それら以外にも、「日常生活に関わる支援」には寝たきりや床ずれの防止やコミュニケーション支援などがあります。

「訪問看護」を利用される方へ直接提供されるサービスだけではなく、福祉用具の使用など、療養環境の整備も「日常生活に関わる支援」になります。

その③ 心理的な支援

「心理的な支援」では、「訪問看護」を受ける方が安定した心理状態で生活できるように希望や想いを尊重し、家族や隣人とのつながりを支援します。

睡眠や生活リズムの調整などの身体的なことから、「訪問看護」を受ける方と家族や関係職種間の調整などになります。

その④ 家族に対する相談や支援

「訪問看護」を受ける方だけでなく、家族や周りの方への支援も「訪問看護」では行っています。

家族や周りの方が感じている不安やストレスの相談に応じ、心理的な負担の軽減を図ったり、家族や周りの方に対して「訪問看護」を受ける方の健康管理や日常生活に関するアドバイスを行ったりします。

また市区町村にある公的サービスに関する相談窓口の紹介や他機関との連携も、家族に対する支援に含まれます。

その⑤ 医療的なケア

医療的なケアは医師の指示に基づく、点滴や床ずれ、傷口の処置が当てはまります。

また経管栄養や留置カテーテル、人工呼吸を使用する上での管理など、医療的な知識が必要とされる行為も「医療的なケア」に該当します。

それら以外に疼痛コントロールや服薬管理、主治医の指示による処置・検査等、多岐にわたる医療的な処置を行います。

その⑥ 在宅でのリハビリテーション

「訪問看護」には理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリも含まれています。

リハビリの内容は筋力、体力維持を目的とした体操や筋肉、関節が硬化しないよう柔軟性を保つ運動などがあります。

その他にも日常生活に必要な起き上がりや寝返り、歩行の練習なども、リハビリとして行われます。

専門のトレーニング機器を利用したリハビリは行えませんが、「訪問看護」を利用される方、一人ひとりの状態を観察し、適切なリハビリが提供されます。

その⑦ その他のケア

「その他のケア」として、「訪問看護」では癌末期の方や終末期の方が自宅で安心して過ごせるよう適切な処置を行っています。

終末期の方に対して、苦痛の緩和や精神的な支援、家族や周りの方へは看取りを行うときのアドバイスや不安、悩みの相談などです。

看取りを行うときには「訪問看護」を受ける方だけでなく、家族や周りの方も不安な日々を過ごすことになりますので総合的な援助を行います。

癌末期を訪問看護で対応するのは介護保険か医療保険か

癌末期を訪問看護で対応するのは介護保険か医療保険か
結論から申し上げますと、「介護保険」を利用できる方でも癌末期を訪問看護で対応するのは「医療保険」で行うよう定められています。

癌末期を訪問看護で対応するのが、なぜ「医療保険」になるかを紹介していきます。

その① 介護保険で訪問看護を利用する場合

「訪問看護」では「介護保険」と「医療保険」の両方が利用できる場合、優先して「介護保険」を利用するように定められていますが、いくつか例外が存在します。

そしてこれらの例外に癌末期の方が該当するのです。

癌末期の方は「厚生労働省が定める特定疾病」に該当し、当該疾患の方は「訪問看護」を利用するのは「医療保険」と定められています。

「厚生労働省が定める特定疾病」の詳細は次の表の通りです。

40歳以上の「介護保険」を利用できる方のうち、「厚生労働省が定める特定疾病」以外の方であれば、「介護保険」で「訪問看護」を利用することができます。

その② 医療保険で訪問看護を利用する場合

「医療保険」で「訪問看護」を利用する場合、「介護保険」の対象外である40歳未満の方や、40歳以上でも要介護・要支援認定を受けていない方でなければなりません。

それ以外にも先ほど紹介したように「厚生労働省が定める特定疾病」に該当すれば、年齢等に関係なく「医療保険」で「訪問看護」を利用することになります。

まとめ

まとめ
「訪問看護」がどのようなことが出来るかや、癌末期の方が「訪問看護」を利用する保険について解説していきました。

医療的なケアだけでなく、「訪問看護」を受ける方の心理状態の安定や家族、周りの方からの相談、公的サービスに関する相談窓口の紹介など、様々なことが「訪問看護」では行われます。

癌末期で訪問看護を受けるのは「介護保険」か「医療保険」かをまとめると

  • 自宅に看護師などの医療従事者がおもむき、医療的なサービスを提供するのが「訪問看護」である。
  • 「訪問看護」では、食事、排泄などの身体介護、点滴や疼痛コントロールなどの医療的な処置、そして本人や家族、周りの方が安心して生活できるように心理的なサポートなど、総合的なケアを行う。
  • 癌末期の方は「厚生労働省が定める特定疾病」に該当するため、「介護保険」では「訪問看護」を利用できず、「医療保険」での利用になる

ということがあります。

40歳未満の方や要介護・要支援認定を受けていない方は「介護保険」を利用できないため、「訪問看護」を利用するときに問題ありませんが、要介護・要支援認定を受けている方は注意が必要です。

もし「訪問看護」を利用するときに、「介護保険」と「医療保険」の両方を利用できる方は担当ケアマネジャーに相談をし、どちらの保険が適応になるかを確認するとよいでしょう。

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