介護保険 介護用ベッド 車椅子 介護用品・便利グッズ

在宅介護での必須技術!車椅子からベッドへの移乗方法は?

更新日:

住宅改修でユニットバスをつけた場合は介護保険が適用されます!

この記事では在宅での介護を行う際に必須技術となる車椅子からベッドへの移乗方法について解説しています。

在宅で介護を行う際には、要介護者を車椅子からベッドへ、ベッドから車椅子へ移動させる必要が出てきますが、この移動をサポートする「移乗・移動介助」は在宅介護の必須技術となっています。

ここでは在宅での介護を行う際に必須技術となる車椅子からベッドへの移乗方法について解説していきますので、在宅での介護を行うことになったけど以上の仕方が分からないなどという方は是非この記事を参考にしてみてください。

移乗前の留意点


歩行が困難になった高齢者にとって車椅子は非常に重要な移動手段となっており、外出する際だけではなく、トイレに行ったり、食事をしたり、入浴したりといった際の少しの移動にも欠かせないものとなっています。

ただ、車椅子からベッドへ、ベッドから車椅子へといった移乗を行う際に、失敗して転落してしまうと捻挫や骨折してしまう場合もあり、介助を行う際には気をつけなければならないポイントとなっています。

ここでは移乗の際に気をつけなければならない留意点について解説していきます。

その① ブレーキの確認

車椅子を使用する際にはまずその車椅子のブレーキが効くかどうかの確認を行います。

車椅子を停車させた際にしっかりとブレーキが効いた状態にならないと、様々な事故に発展する可能性があります。

ブレーキワイヤーが緩んでいるとブレーキのききが悪くなるため、最低でも3ヶ月に1回はブレーキバーを握ってブレーキが効いているかの確認を行い、もし緩みが確認されたら調整を行うようにしましょう。

その② 空気圧の確認

次にタイヤの空気圧の確認を行います。

タイヤの空気圧は車椅子への乗り心地だけではなく、段差にぶつかった際のショックを吸収にも影響してくるためとても重要です。

タイヤは性質上何もせずとも空気は自然と減っていきますので、少なくとも1ヶ月に1回は空気を入れる必要があります。

また、スローパンクというものもあり、この状態になっているとタイヤの空気が1~2日で空気が抜けますので、使用する前の確認は必須となります。

適正空気圧はタイヤの側面に記載されていますが、タイヤを手で押してもやや硬い(野球の軟式ボール程度の硬さ)くらいになるように空気を注入する必要があります。

ただ、空気を入れすぎて空気圧が高くなりすぎるとクッション性が悪くなり、反対に空気圧が低すぎるとブレーキの効きが悪くなりますので注意が必要です。

その③ ベッドの高さの確認

また、車椅子からベッドへ移乗させる際にはベッドの高さについて確認する必要があります。

移乗の際には車椅子の高さと移乗するベッドの高さを合わせることが基本となっており、移乗する先のベッドを車椅子より少しだけ低く設定しておくと移乗が楽になる事もあります。

また、車椅子にも移乗を助けるために肘掛けを跳ね上げることができる機能が付いている場合もあります。

ここまで移乗を行う際の留意点を3つ解説してきました。

車椅子では、ベッドから移乗する際に車椅子が後ろにずれることによって臀部から落下してしまうということが多数報告されています。

このような事故は解説してきたタイヤの空気圧が減少していたといったメンテナンス不足で起こることが多くなっています。

このため、これら3つの確認はしっかりと行うようにしなければならず、車椅子の整備などについて分からないことがある場合は車椅子の整備士などに相談するようにしましょう。

車椅子からベッドへの移乗手順


車椅子からベッドへの移乗ですが、慣れていない内はうまくいかないものです。

しかし、基本的な移乗の手順などを把握していないと事故などを引き起こしてしまう可能性もありますので、以下に記載する手順にて安全な移乗が行えるようにしましょう。

その① 車椅子を適切な位置に近づける

まず、車椅子を移乗するベッドに近づけることになりますが、スムーズな移乗を行うためには車椅子とベッドをできる限り近づける必要があります。

車椅子のホイールのある面とベッドのフレームの角度が15~30度程度になるようにし、車椅子をできる限り平行に停車するようにします。

停車したら車椅子のブレーキを固定してフットレストを上げたら移乗の準備は完了です。

フットレストを下げたままにしていると、移乗の際に誤ってフットレストを踏んでしまった際に車椅子が跳ね上がってけがをする場合がありますので注意が必要です。

その② 相手の身体を支える

移乗の準備が完了したら移乗に移ります。

介助を行う方は被介護者の足の間に自身の車椅子側にある足を入れて、被介護者に自身の身体に掴まってもらいます。

この際、腰を低く保ち、両腕を被介護者の背中に回し、自身の方に被介護者の顎が乗るような体制をとります。

その③ 前傾姿勢で力を入れる

移乗を前にしてお互いが密着している状態となっています。

ここから介助者は被介護者の腰をしっかりと支え、前傾姿勢で被介護者に立ち上がってもらいます。

立ち上がりの際に腕力のみで身体を持ち上げようとすると介助者ごと車椅子の方へ倒れてしまう可能性もありますので十分注意して行うようにしてください。

その④ 身体を回転させベッドに移動させる

被介護者が立ち上がったら被介護者の間に挟んでいる足とは違う方の足を軸足として身体を回転させてベッドに移乗させましょう。

移乗の際には腰椎圧迫骨折の危険性がありますので、勢いよく座らせないように注意してください。

福祉用具を使用して移乗する


福祉用具の中には車椅子からの移乗をサポートしてくれるものもあります。

その代表的なものがスライディングボードという福祉用具です。

このスライディングボードは、座った状態で横に移乗するためのサポートを行う板で、表面が滑りやすい素材・裏面は滑りにくい素材でできており、車椅子からベッド、ベッドから車椅子、車椅子から自動車といった移乗に使用することができます。

このスライディングボードですが、被介護者がある程度座位を保持することができる方に適している福祉用具で、臀部に褥瘡があるという方などはスライディングボードの使用によっての摩擦や皮膚のずれによって症状が悪化する可能性がありますので使用は避けた方が賢明です。

ただ、スライディングボードの導入には、車椅子のアームレストが外れるか跳ね上がること、ベッドの高さが調節可能であることなどの条件があります。

また、スライディングボード以外にも移乗用リフトなどを始めとする様々な移乗の補助を行ってくれる福祉用具が存在していますので、被介護者の状態に併せて利用するようにしましょう。

まとめ

まとめ
ここまで在宅での介護を行う際に必須技術となる車椅子からベッドへの移乗方法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

在宅での介護を要介護者を車椅子からベッドへ、ベッドから車椅子へ移動させる必要が出てきますが、解説してきたような基本的な移乗の手順を把握していない方が移乗のサポートを行うと事故などを引き起こしてしまう可能性が出てくる他、車椅子についてもしっかりとしたメンテナンスを行っていないと事故を引き起こす可能性が出てきます。

このため、在宅での介護を行う際には、定期的に車椅子のメンテナンスを行った上で適切な移乗方法によって被保険者を移乗させる必要が出てきます。

また、福祉用具には車椅子からの移乗や車椅子への移乗をサポートしてくれるものもありますので、必要であればそれらの福祉用具も利用していくようにしましょう。

-介護保険, 介護用ベッド, 車椅子, 介護用品・便利グッズ

Copyright© たのしい介護 , 2024 All Rights Reserved.