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安心安全を目指す介護!椅子から車椅子に移る方法を伝授!

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安心安全を目指す介護!椅子から車椅子に移る方法を伝授!

皆さんは、介護をするとき力任せにしていませんか?

無理な姿勢や力任せでの介護は要介護者に不安や恐怖感を与えたり怪我の危険性があったりするということだけでなく、介護者自身の腰痛の原因にもなります。

ここでポイントになるのが、ボディメカニクスを用いた介護です。

今回は、特に介護の場面で行うことが多い移乗動作の介助を通してボディメカニクスについて考えていきましょう。

ボディメカニクスについて理解しよう

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そもそも、ボディメカニクスとは人間の運動機能である骨・関節・筋肉等が連動して動くことにより無理なく効率よく力を引き出せる仕組みを活用した技術のことを指します。

これをうまく活用することが、要介護者・介護者双方にとって無理のない身体介護のコツになります。

ここでは、その7つの基本的なポイントについて解説します。

支持基底面を広くとる

支持基底面とは、身体を支える部分が床と接している範囲のことを言います。

これが広ければ広いほど安定性が高まります。そのため、介助の際に力を有効に引き出せるようになります。

身体を小さくまとめる

支持基底面が広ければ広いほど安定性が高まります。

それを逆に活用し、要介護者の支持基底面を意図的に狭めることで身体を移動させやすくなるのです。

具体的には要介護者の腕を胸の前で組んだり、膝を曲げるなどして体を小さくまとめます。それにより支持基底面がせまくなるので、身体を動かしやすい環境が整います。

重心の位置を低くする

介護者が膝を曲げて腰を落とすことで重心が下がり、姿勢が安定します。

これにより腰への負担が減少します。

重心を近づける

介護者と要介護者の重心を近づけることで、同じ方向に力を効率的に加えることができます。

これによって、少ない力で介助することができます。

重心の移動は水平にする

重い物を動かすときに身体をねじってしまうと重心が体幹からずれてしまい、不安定になります。

これが負荷となり、腰痛の原因になります。

あらかじめ介護者の足を移動先の方向に向けると身体をねじらずに安定させることができます。

てこの原理を使う

肘や膝を支点にし、力点と作用点をイメージしながら行うと、より効率的に介助することができます。 

大きな筋群を使う

腕や手先の力だけでは、負荷となってしまいます。

足腰の大きな筋肉を使うことを意識するとよいでしょう。

腹筋・背筋・大腿四頭筋・大殿筋などです。

これによって大きな力を得ることができます。

要介護者からもタイミングを合わせて踏ん張ってもらう、掛け声をかけて力を入れてもらうなどすることも大切です。

椅子から車椅子に移る手順

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では、身体介護の中でも特に行う機会が多い椅子から車椅子への移乗について開設していきます。

ボディメカニクスの技術がどのように活用されているか、意識しながら読んでみてください。

椅子と車椅子の距離の確認

車椅子は、要介護者が座っている椅子に対し側面から10~30度の角度で設置します。

ここは要介護者の状態によってやりやすい角度が変わってきます。

距離は椅子から車椅子が離れてしまうほど負荷がかかりますので、なるべく近づけます。

ただし極端に密着させると立ち上がり動作の妨げにもなりますので、角度や距離などの位置関係はいろいろ試しながら感覚的につかんでいくといいでしょう。

車椅子のブレーキの確認

車椅子を設置したら、必ず左右のブレーキがかかっていることを確認してください。

軽く押して動かないことを確認すると確実です。

また、車椅子のフットサポートは必ず上げてください。

フットサポートを簡単に外せたり開け広げたりできる車椅子を使用している場合は面倒がらずにその機能を活用してください。

移乗の際に動作の妨げとなったり足をぶつけて車椅子が動いてしまったりする危険性を減らすことができます。

身体に密着して移乗

①まず、要介護者の両足をしっかり足につけ、浅く座りなおしてもらいます。

本人の力でできなければ、少し前かがみになってもらった状態で要介護者の正面からゆっくり体を引きましょう。

②要介護者に声をかけ、介護者の両肩に腕を回してもらいます。

③介護者は足を大きく開いて腰を落とし、両腕を相手の背中に回します。

④お互い身体を密着させ、前傾姿勢になって立ち上がってもらいます。

⑤介護者は車椅子に近いほうの足を軸足にし、車椅子と向き合うように方向転換します。

要介護者を方向転換させるのではなく、介護者自身が方向転換するというイメージで動くのがポイントです。

⑥しっかり身体の向きを変えたら、要介護者から車椅子のアームサポートに手をついて、しっかり掴んで支えにしてもらいながら座っていただきます。

車椅子での座位を整える

①介護者は相手の後ろ側に回り、両脇の下から腕を入れます。

②要介護者の上半身をやや前傾させ、臀部が少し浮いたところで体を引き上げるように手前に引きます。

③最後に、フットサポートを上げて両足を乗せたら完了です。もちろん、これらの動作のうち要介護者の方が自力で出来ることがあれば声をかけて行ってもらってください。

絶対押さえておきたい注意点

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ここで、個別に注意が必要なケースについて注意事項をお伝えしていきます。

麻痺があるケース

要介護者に片麻痺がある場合は、移乗する車椅子は本人の健側(麻痺をしていない側)に置くようにします。

これにより、移乗先に手をつき、健側の足を軸足として自身の力である程度体を支えることができるからです。

また、立ち上がった際に麻痺側の膝が不意に折れてバランスを崩してしまうことも少なくありません。

介護者の膝を相手の膝に当てて膝折れしないようサポートするのも有効です。

後ろに回って姿勢を整える際も、麻痺側は感覚が鈍くなっているので直接腕を強く握ったり引っ張ったりしないように注意しましょう。

全く足に力が入らないケース

要介護者の両足に全く力が入らない場合は、一人での介助は危険があります。

いくらボディメカニクスを活用したところで、立ち上がるというより持ち上げるような形になってしまいます。

介護者への負担が大きいだけでなく、何より要介護者の体重を支え切れず落としてしまったり、強く握ったことにより怪我をさせてしまう心配があります。

無理せず複数人で対応するようにしましょう。

意思疎通ができないケース

認知症状により、意思疎通が困難な場合に納得してもらえないまま介助をするのは危険です。

移乗動作中に拒否を示して突発的な動きをし、事故につながる危険性があります。

また、要介護者に対して不安と恐怖を与えてしまうことになります。

十分に説明をしたり、言い方を変えたり、身振り手振りを交えたりするなどしてなるべく分かりやすく説明して理解を得、その後は速やかに移乗動作を終えるようにしましょう。

まとめ

介護保険利用時の訪問看護でできることをしっかり理解しよう!
いかがでしたでしょうか。今回は移乗動作を説明してきましたが、身体介護においてはボディメカニクスはどのような介助においても基本になります。

また、忘れてはならないのは、ボディメカニクスの活用と同時に、要介護者自身の機能を活かした介護を行うということです。

本人からも協力してもらうことによりお互いの負担が軽減されるのはもちろん、できることは自分で行うことによって現在ある機能の維持向上につながっていくからです。

身体介護は介護者が行うことだけが全てではありません。要介護者と介護者が協力し行っていくものであることを忘れないようにしていきたいですね。

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