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介護保険の申請の『主治医意見書』ってなに?どんな内容?

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この記事では介護保険の認定に必要になってくる主治医意見書とは何なのかまた、どのような内容なのかということについて解説しています。

介護保険サービスを利用するためには要介護認定の申請を行い、要介護度を判定してもらう必要があります。

申請者の要介護度を判定するために用いられるのが「主治医意見書」というものなのですが、この主治医意見書とは一体どのような内容なのでしょうか?

ここでは介護保険の認定に必要になってくる主治医意見書とは何なのか、また、どのような内容なのかということについて解説していきますますので、要介護認定の申請を控えている方や興味のある方は是非ご覧ください。

『主治医意見書』とは何か?


介護保険では、介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受ける必要があります。

この要介護認定を行うためには、介護認定調査と呼ばれる訪問による聞き取り調査の他に、「主治医意見書」という全国一律の様式を用いて医師が記載するものが必要になってきます。

要介護度の認定までには被保険者の要介護度を判定するための審査判定(一次判定・二次判定)というものがありますが、主治医意見書はその際(一次判定はコンピュータにて、二次判定は介護認定審査会にて行われる)の判定資料として用いられることになります。

その① 誰が書くのか?

この主治医意見書ですが、申請者本人の身体状況などを良く理解している医者に書いてもらう必要があるため、基本的にかかりつけ医にお願いすることになります。

これは、主治医意見書には、申請者の症状や病名などの他に、「認知症の症状があるのか」「日常生活の自立度」「筋力の低下」などを始めとする身体の様々な状態について細かく記載する必要があるためです。

ただ、この主治医意見書への記載はかかりつけ医に尾根題するのが基本ですが、かかりつけ医であっても一定期間受診していないという方などは、要介護認定の申請を行う前に一回受診するようにしましょう。

一方で、かかりつけ医がいないという場合ですが、この場合は市町村が指定する医師の診察を受けることになりますが、この際に診断を受けることを拒否したりした場合には要介護認定の申請自体が却下される可能性もありますので、すみやかに受診をする必要があります。

また、この主治医意見書は何科の医師に書いてもらわなければならないという決まりはありませんので、日頃から複数の病院に通っているという方は自分の状況を総合的に知ってくれていると思う医師を主治医として、その医師にお願いすることも可能になっています。

ただ、本人の状況をよく知らない医師が主治医意見書を作成すると正確な内容を記載することができないため、正しい要介護度に認定されない可能性が出てきますので注意してください。

その② 誰がいつお願いするのか?

要介護認定の申請を行う際には申請書を提出する必要がありますが、その申請書には主治医を記入する欄が設けられています。

それをもとにして、お住まいの市町村が主治医に対して主治医意見書の作成を直接依頼し、主治医から完成した主治医意見書を直接提出してもらいます。

ただ、先程も申しあげたように一定期間受診していないという方などは、必要に応じて主治医への事前連絡が必要になる他、場合によっては受診する必要が出てきます。

また、この主治医意見書ですが申請者本人に作成するための費用負担等はありませんので安心してください。

『主治医意見書』の内容について

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解説してきたように主治医意見書は要介護認定を行う際に必要になってくるもので、申請者の主治医が以下のような項目について記載することになっています。

その① 傷病に関する意見

ここには申請者が現在罹患している傷病の診断名とその傷病が発症年月日を記載することになります。

傷病名の欄には、申請者が65歳以上の第一号被保険者の方の場合は生活機能が低下する直接的な要因となっている傷病名を記載し、申請者が40歳~64歳までの第二号被保険者の方の場合は生活機能が低下する直接的な要因となっている特定疾病名を記載します。

[特定疾病一覧]
1.がん(がん末期)
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靭帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

その② 特別な医療

この項目では申請者が過去14日の間に受けた12項目の医療の中で、看護職員等が行った診療補助行為(医師が同様の行為を診療行為として行った場合も含まれる)がある場合は、該当するチェックボックスに印をつけます。

この項目は介護認定調査による訪問調査においてもチェックの対象となっていますが、訪問調査を行う調査員は医療の専門家ではないので、主治医意見書においても記入することになっています。

[12項目の医療一覧]
1.点滴の管理
2.中心静脈栄養
3.透析
4.ストーマ(人工肛門)の処置
5.酸素療法
6.レスピレーター(人工呼吸器)
7.気管切開の処置
8.疼痛の看護
9.経管栄養
10.モニター測定(血圧・真のアク・酸素飽和度など)
11.褥瘡の処置
12.カテーテル(コンドームカテーテル・留置カテーテル・ウロストーマなど)

その③ 心身の状態に関する意見

ここでは「日常生活の自立度」「認知症の中核症状の有無」「認知症の周辺症状の有無」「認知症以外の精神・神経症状の有無」といった項目について、それぞれ当てはまるものがある場合はチェックボックスに印をつけます。

その④ 身体の状態

ここでは申請者の身体状態について記載します。

申請者の利き腕や身長・体重の他、申請者に麻痺や褥瘡等があれば、介護に手間がかかるものや生活機能を評価するために部位の記載が必要であるものについては具体的な記載を行います。

その⑤ 生活機能とサービスに関する意見

ここでは申請者の生活機能の維持や改善といった点に着目し、適切なケアプランを作成することに役立つような情報を記載します。

具体的には「移動」「栄養・食生活」「現在あるかまたは今後発生する可能性の高い状態とその対処方針」「サービス利用による生活機能の維持・改善の見通し」「医学的管理の必要性」「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」「感染症の有無」といった項目について記載することになります。

その⑥ 特記すべき事項

ここには申請者が要介護認定の審査判定や介護保険サービスを利用する上で重要であると考えられるものがあれば、それについて記載します。

特に他の項目において記載しきれなかった事項がある場合や選択方式では表現しきれないことがあった場合はそのことについて簡潔に記載するようにします。

また、他の専門医に意見を求めた場合には、その結果や内容についても簡潔に記載します。

まとめ

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ここまで介護保険の認定に必要になってくる主治医意見書とは何なのかまた、どのような内容なのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように主治医意見書が必要となっています。

基本的に主治医意見書はかかりつけ医に記載してもらうことになっていますが、かかりつけ医がいない場合でも市町村の指定する医師の診察を受けることによって作成することが可能になっています。

要介護認定は一定期間で更新の申請が必要になってきますが、最初の申請の際に記載してもらった医師にまた記載してもらわなければならないという決まりはありません。

ただ、自分自身の状態をずっと見続けてくれる医師がいると、更新の申請を行う際にも正確な意見書を作成してもらうことができ、適切な要介護度に認定されることが可能になります。

このため、かかりつけ医がいないという方はかかりつけ医を持つということを検討してみるといいと思います。

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