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介護保険が適応される特定疾病について!脳腫瘍の場合

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介護保険が適応される特定疾病について!脳腫瘍の場合

原則65歳以上で適応になる「介護保険」ですが、特定の条件を満たせば、40歳からでも「介護保険」が適応になります。

その条件と言うのが、「介護保険の特定疾病」に該当するかどうかということです。

今回は「脳腫瘍」にスポットをあてて、「介護保険の特定疾病」と「脳腫瘍」の関係性について、解説していきます。

介護保険の特定疾病とは一体なに?

介護保険の特定疾病とは一体なに?
冒頭でも紹介したように「介護保険の特定疾病」に該当すると、40歳からでも「介護保険」の適応が可能になり、「介護保険」を利用したサービスを受けることができるようになります。

厚生労働省により、「心身の病的加齢現象と医学的な関係があると考えられる疾病、そして加齢と共に生じる心身の変化が原因で、要介護状態を引き起こすような心身の障害をもたらすと認められる疾病」という、「介護保険の特定疾病」の定義が示されています。

難しい表現を含んだ文章となっていますが要約すると、「加齢が原因となり引き起こされると認められた疾病」が「介護保険の特定疾病」の定義です。

具体的には以下の疾病が、「介護保険の特定疾病」に該当します。

介護保険 特定疾病 脳腫瘍 表

なお65歳以上の方と同様に、「介護保険の特定疾病」に該当する40歳以上65歳未満の方も、「介護保険」を利用するには事前に、「要介護または要支援認定」を受けなければならない点に注意が必要です。

脳腫瘍とはどんな病気か

脳腫瘍とはどんな病気か
「脳腫瘍」は頭蓋内に発生する腫瘍の総称です。

腫瘍が発生する部位は脳内の複数領域にわたり、脳そのものや脳を覆う髄膜、脳から直接出ている脳神経などがそれに当たります。

腫瘍が発生する部位によって症状が異なり、慢性的な頭痛、原因不明の吐き気など他に、手足のしびれ、めまいがみられることがあります。

「脳腫瘍」が発生する主な原因は遺伝的な要因以外に、頭蓋内以外で発生した癌が脳へ転移などが挙げられます。

特定疾病となる脳腫瘍の診断基準

特定疾病となる脳腫瘍の診断基準
先ほど紹介した、「介護保険の特定疾病」の一覧をご覧になっていただければおわかりいただけますが、「脳腫瘍」は「介護保険の特定疾病」に該当しない疾病となっています。

脳内で発生する「介護保険の特定疾病」に「13、脳血管疾患」がありますが、「13、脳血管疾患」は脳内の血管に障害が生じたために起こる疾病の総称です。

「脳出血」や「脳梗塞」が「13、脳血管疾患」にあたり、「脳腫瘍」は頭蓋内に腫瘍ができる疾病ですので、「13、脳血管疾患」には該当しません。

しかし「脳腫瘍」の原因が、頭蓋内以外で発生した癌が転移したことによる場合、癌末期であることが想定されます。

もし癌末期であるとの診断が下りれば、「介護保険の特定疾病」の一覧にある「1、癌【癌末期】」に該当し、40歳以上65歳未満の方でも「介護保険」の適応になります。

いずれにしろ「介護保険の特定疾病」に該当するかどうかは、医師の診断が必要不可欠となっています。

「介護保険の特定疾病」について、疑問に思うことがあるのであれば、担当医や医療機関の相談窓口に問い合わせるとよいでしょう。

介護保険サービスの利用までの流れ

介護保険サービスの利用までの流れ
医療機関を受診したときに利用する「医療保険」とは異なり、「介護保険」の利用には「要介護、要支援認定の申請」など、事前手続きが必要になります。

次に介護保険サービスの利用にあたり、相談窓口から介護保険サービスが利用開始になるまでの流れを、段階的に紹介していきます。

地域包括支援センターに相談

「地域包括支援センター」は、地域に住んでいる高齢者の生活をサポートする目的で設置されている施設で、介護保険サービスの利用に関しての相談を受け付けています。

「地域包括支援センター」の所在地は、インターネットで検索を行うと見つけるができます。。

もし「地域包括支援センター」の所在地が見つからないのであれば、「地域包括支援センター」の名称が市区町村によって異なることが原因であることが考えられます。

インターネットで「地域包括支援センター」の所在地を見つけられないときには、市区町村の役場内にある介護保険を担当している部署に確認を行うとよいでしょう。

詳しくは次の項目で紹介しますが、介護保険サービスの相談を行う「地域包括支援センター」は、介護保険サービスを利用する本人が住んでいる、市区町村で探すことをおすすめします。

介護保険サービスを利用する方が住んでいる、市区町村の「地域包括支援センター」に相談を行えば、「要介護、要支援認定の申請」手続きがスムーズに行えるためです。

要介護、要支援認定を受ける

次に介護保険サービスの利用に必須となる、「要介護、要支援認定の申請」について紹介していきます。

「要介護、要支援認定の申請」は介護保険サービスを利用する方が住んでいる、市区町村の役場へ行う必要があります。

「要介護、要支援認定の申請」には、申請書や「介護保険被保険者証」などの必要書類がありますので、認定の申請に必要なものについては事前に確認しておくとよいでしょう。

「要介護、要支援認定の申請」は本人でなく、家族が行っても問題ありません。

「要介護、要支援認定の申請」を行ったのち、介護保険サービスを利用する本人の様子伺いである「認定調査」が行われ、認定の申請を行ってから30日以内に認定結果が郵送にて届きます。

ケアマネージャーとケアプランの相談

「要介護、要支援認定」が下りたら、「ケアマネージャー」との契約に移ります。

要介護認定と要支援認定では、契約する「ケアマネージャー」の所属が異なります。

要介護認定が下りたら「居宅介護支援事業所」の「ケアマネージャー」と、要支援認定が下りたら「地域包括支援センター」の「ケアマネージャー」との契約になります。

もし介護保険サービスの利用について、「地域包括支援センター」へ相談している場合、要介護認定が下りたら「居宅介護支援事業所」を紹介してくれることがあります。

利用予定の「居宅介護支援事業所」がないのであれば、「地域包括支援センター」から「居宅介護支援事業所」を紹介してもらうのも選択肢の1つです。

「ケアマネージャー」との契約後は、「ケアプラン」の作成を行います。

「ケアプラン」は利用する介護サービスについて書かれた計画書であり、「ケアプラン」に書かれていない介護保険サービスを利用することはできません。

ケアマネージャーに気を使ってしまい、介護保険サービスの利用にあたり要望を伝えられない方もいるでしょうが、本人や家族が満足して介護保険サービスを利用するためにも、できるだけケアマネージャーに希望を伝えることを強くおすすめします。

「ケアプラン」の作成が完了したら、介護保険サービスを提供している事業所と契約を行い、介護保険サービスの利用開始となります。

利用できる介護保険サービス

利用できる介護保険サービス
利用できる介護保険サービスですが、まずはホームヘルパーなどの介護スタッフが、自宅に訪れてサービスを提供する「訪問介護」や「訪問入浴」、医療スタッフが来訪する「訪問看護」などの訪問系サービスがあります。

また日帰りで施設へおもむき、介護保険サービスの提供を受ける「通所介護(デイサービス)」や、施設にある器機を用いてリハビリを行う「通所リハビリテーション(デイケア)」などの、通い系サービスもあります。

それら以外にも冠婚葬祭などの急な外出時に、一定期間施設に宿泊する「短期入所生活介護事業(ショートステイ)」などの介護サービスもあります。

このように介護サービスは、提供される形態によって様々なものがあります。

具体的な介護保険サービスについてわからないときには、担当ケアマネージャーに介護を行うにあたり困っていることを相談すると、適切な介護保険サービスについてアドバイスが得られるのでおすすめです。

気になる介護保険の負担割合は?

気になる介護保険の負担割合は?
食費や居住費などの実費分を除く費用の、1割から3割を自己負担することになります。

負担割合がどの程度になるかは収入状況によって異なり、負担割合は「介護保険被保険者証」に記載されていますので、確認するとよいでしょう。

なお食費は食べた分、居住費は滞在した日数分負担することになります。

担当ケアマネージャーや介護保険サービスを提供する事業所によっては、1カ月に掛かる利用料金のモデルケースが提示されることがあります。

介護保険サービスの利用料金について不明なことがあれば、まずは担当ケアマネージャーに相談するとよいでしょう。

まとめ

まとめ
「介護保険の特定疾病」と「脳腫瘍」の関係性から、介護保険サービスの利用に関することまで解説してきました。

「脳腫瘍」という診断名だけでなく、本人の状態によって「介護保険の特定疾病」に該当するかどうか、おわかりいただけたのではないでしょうか。

「介護保険の特定疾病」と「脳腫瘍」についてまとめると

  • 「脳腫瘍」という診断だけでは「介護保険の特定疾病」に該当しない
  • 「脳腫瘍」の原因が癌転移によるものであった場合、「介護保険の特定疾病」に該当する可能性がある
  • 介護保険サービスの利用には「要介護、要支援認定」が下りたのち、ケアマネージャーと契約し、ケアプランの作成を行う必要がある

ということがあります。

「介護保険の特定疾病」や具体的な介護保険サービスについて、専門知識を必要とすることが多くあります。

わからないことや不安なことがあったら、担当医や医療機関の相談窓口、担当ケアマネージャーなどの専門スタッフに相談を行い、介護保険サービスの利用に取り掛かるとよいでしょう。

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