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介護保険の素朴なギモン!保険料の金額はどのようにして決まる?

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65歳以上の家族が扶養にいる場合被扶養者の介護保険料はどうなる?
介護保険の素朴なギモン!保険料の金額はどのようにして決まるの?

40歳になると始まる介護保険料の支払いですが、皆さんは保険料の金額がどのように決まっているかご存知でしょうか?

消費税もまもなく10%に上がりますし、出費が増えるのは心配ですよね。

ましてや、介護保険料は年々増加傾向にあります。

一度ここで、知られざる介護保険料の仕組みについて一緒に勉強してみませんか?

介護保険料の現状について


タイトルでも触れましたが、現在、介護保険料の増額が止まりません。

介護保険料は、3年ごとに見直しが行われています。

 2018年度、40~64歳の現役世代である第2号被保険者の介護保険料は、労使折半前の金額一人当たり平均で5,723円になると厚生労働省から発表されています(web毎日新聞)。

出生率の低下や医療の発展による平均寿命の増加により、人口減少社会となりつつある現在、現役世代人口も減少しているため、介護給付費の大幅な増額と反比例するように、我々が負担する介護保険料は今後も年々増加して来ています。

今後もこの流れは大きく変わらないでしょう。

特に、多くの団塊の世代が要介護状態になる確率の高い後期高齢者になると言われている2025年以降になると、それに合わせて介護給付費や保険料も急激に上がっていくことが予見されています。

介護保険料の決め方

介護保険を利用したリハビリの料金
それでは、現在の介護保険料の金額はどのような計算で決められているのかを見ていきましょう。

第1号被保険者(満65歳以上)と第2号被保険者(満40~64歳の公的健康保険加入者)では計算方法が違います。

また、第2号被保険者の中でも国民健康保険の方と、それ以外の健康保険ではさらに計算方法が変わります。

第1号被保険者

第1号被保険者とは、満65歳以上の方を指します。

基本的には9段階ですが、保険者である市区町村によってそれぞれ定められており、地域差があります。

年収によって段階別に基準額や保険料率が定められています。

例えば東京都で一番人口の多い世田谷区の場合、全17段階に分けれており、基準となる第6段階で年額77,400円となっています。(世田谷区の介護保険料)
どの市区町村でも、「〇〇市 介護保険料」とインターネットで検索すると一覧表が確認できますので、一度お住いの地域について確認してみるとよいでしょう。

なお、住民税などとは違って非課税となったり、減免制度などは基本的にありません。

但し日本国内に住所がない方や介護保険適用除外施設の身体障害者療養施設やハンセン病療養所などの入所者、在留資格1年未満の短期滞在の外国人はそもそも被保険者でなくなるので支払義務がないことになります。

 第1号被保険者に限りますが、以下の条件に当てはまるときは期間を限定して支払が猶予されたり減免されたりすることがあります。

  • 災害(震災、火災、風水害など)で、住宅や家財に損害を受けたとき
  • 監獄、労役場に、1か月以上拘禁されたとき
  • 第1号被保険者の属する世帯の生計維持者が死亡したとき
  • 第1号被保険者の属する世帯の生計維持者の収入が、障害や長期の入院ににより減少したとき
  • 第1号被保険者の属する世帯の生計維持者の収入が、倒産や失業等により減少したとき

第2号被保険者

第2号被保険者の場合、加入している公的医療保険が協会けんぽや共済組合などの保険か、それとも国民健康保険かで計算方法が異なります。まずは正規雇用で働いているケースが多いと思いますので、前者の場合から説明します。

給与や賞与によって決められる段階ごとの金額に、介護保険料率をかけた金額が該当する介護保険料になり、その金額を労使で折半し負担することになります。

具体的な計算式は下記のとおりです。協会けんぽの場合、平成30年度の保険料率は1.57%です。

(標準報酬月額+標準賞与額)×保険料率=介護保険料

これを例として標準報酬月額250,000円、標準賞与額を500,000円として計算してみると

 (250,000+500,000)×1.57%=11,775円

となり、これを労使で折半することになります。

第2号被保険者が加入している医療保険が国民健康保険の場合、介護保険料は前年度の収入によって決定されます。

計算式は

所得割 + 均等割 + 平等割 + 資産割 = 介護保険料

となっていますが、この所得割や均等割等の算出方法は各市区町村によって差があるので、詳しく知りたい方はお住いの市区町村役場で確認するのが近道でしょう。

なお、第2号被保険者の介護保険料が減免される場合として以下の場合があります。

  • 世帯の所得の合計額が33万円以下の場合→7割減
  • 24.5万円×世帯主を除く被保険者及び特定同一世帯所属者数世帯の所得の額が33万円以下の場合→5割減
  • 35万円×被保険者及び特定同一世帯所属者数の額が33万円以下の場合→2割減

保険料の支払い方法

第二号被保険者の介護保険料の自己負担額
それでは、次にそれぞれの場合の介護保険料の支払方法について確認しておきましょう。

第1号被保険者

年額18万以上の老齢年金・遺族年金・障害年金を受給している方は、年金から天引きされる形で徴収されます(特別徴収)

この場合が大半なのではないでしょうか。

これに当てはまらない場合は、口座振替用紙が送付されてくるのでこちらから振り込む形になります(普通徴収)。

なお、普通徴収の場合もその都度手続きが大変だという場合には口座振替の手続きを行うことができる市区町村が多いです。

第2号被保険者

第2号被保険者の中で国民健康保険以外の公的健康保険に加入している方は、健康保険料と合算する形で給料から天引きされます。国民健康保険に加入している場合は口座振替等により、こちら側から支払うことになります。

なお、被扶養者である第2号被保険者の保険料は、扶養者の保険料で賄われるので個別の支払いはありません。

保険料の支払いに関する留意点

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介護保険料を支払う上での留意すべき点としては、支払を滞納した場合の取り扱いについてでしょう。

普通徴収の場合振り込み手続きを忘れたり、金銭的に厳しいという理由で期日まで支払われなかった際にペナルティが発生します。

まずは督促状が届き、市区町村ごとに設定される督促手数料や延滞金を加算した金額を支払わなければならなくなります。

それでも支払いをしない期間が続くと、介護保険サービスを利用した際に本来は1~3割である自己負担額をいったん全額支払わなければならないというペナルティがあります。

さらに延滞が続くと、最終的には介護保険サービスを受けられないという状態にまで陥ってしまいます。

また、高額介護サービス費(介護サービス利用に要した金額が一定額を超えたときに申請すると規定の差額が戻ってくる制度)の受給を受けることもできなくなってしまいます。

2年が時効とされており、それ以降は取り返しがつかない事態となってしまいますので、支払いが困難と思った場合は早急に市区町村の窓口に相談してくださいね。

まとめ

まとめ
現役世代の減少が止まらない社会情勢ですので、今後も介護保険料の上昇は止まらないでしょう。

第1号被保険者の場合、市区町村によって違う基準のもとで前年度の年収に応じ段階的に介護保険料が決定されます。

第2号被保険者の場合は、加入している健康保険によって変動がありますが、国民健康保険以外の健康保険加入者は保険の種類ごとに全国一律の料率で金額が決められます。この点を覚えておきましょう。

支払は基本的に年金収入者は年金から、現役世代は給与から天引きされます。場合によってはこちらから振り込んだり口座振替をして支払うことになります。

特に普通徴収(天引きではなく振り込み等で支払う方法)の場合は滞納という事態が発生する場合があり、最悪介護保険サービスを受けることができなくなりますので、注意してくださいね。

介護保険制度は、税金半分私たちの介護保険料半分で成り立っている制度です。

高齢者の人口割合が増えてきており、今後の制度自体の持続可能性についても真剣に議論していかなければならない状況になってきています。

私たち自身のためにも、今一度制度にの在り方について考えなければならない時期に来ていると言えるかもしれませんね。

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