住宅改修

介護保険の住宅改修で台所は対象になる?安全性の高いIHコンロは?

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この記事では介護保険の住宅改修で台所は対象になるのかということについて解説しています。

現在日本は高齢化社会であるため高齢者が多くなっていますが、その高齢者の中には施設などに入ることなく住み慣れている自宅でずっと暮らし続けたいと考えている方が少なからずいます。

ただ、昔ながらの日本家屋などは段差が多いため、加齢によって身体機能が衰えてしまうと移動などが大変になってきます。

また、自宅で暮らすためには食事を自分で用意することになりますが、若い頃には普通に使えていた台所などでも歳をとると料理をするのにも一苦労という状況になってきます。

では、介護保険には住宅改修という制度がありますが、台所のリフォームはこの対象となるのでしょうか?

ここでは介護保険の住宅改修で台所は対象になるのかということについて解説していきますので、興味のある方は是非ご覧ください。

住宅改修が介護保険の対象となる理由について

まとめ
住宅改修とは介護保険サービスの1つで、高齢者や介護が必要な方が安全に自立して暮らすことができるように住宅をリフォームするというものであり、これまで住み続けてきた自宅にこれからも住み続けたいという高齢者・被介護者の願いを実現させるという目的があります。

介護保険サービスというと、訪問介護やデイサービスといったものを想像する方も多く、なぜ住宅のリフォームが介護保険の対象になるのかと疑問に思われる方もいると思います。

介護保険には目標としていることの1つに老人ホームというような介護費用がかかる介護施設の利用者を減らして、自宅でこれまで通り生活してもらい介護費用の負担を軽減するというものがあります。

このため、住宅改修を介護保険の対象として高齢者や被介護者の自宅を住みやすい環境にリフォームする費用を給付し、住み慣れた自宅や地域での生活を継続することができるような支援を行ってくれているのです。

住宅改修を受けることができるのは要介護認定において「要支援1・2」又は「要介護1~5」と認定された方で、認定された要介護度の区分にかかわらず20万円を支給限度額として住宅改修にかかった費用の一部(所得に応じて7~9割)が介護保険から支給されることになります。

ただ、どのような住宅改修でも介護保険の給付対象になるわけではなく、以下のような6つの工事のみが介護保険の給付対象となります。

① 手すりの取り付け(玄関・廊下・階段・浴室・トイレなどに設置するもので、取り付けに工事を伴うもののみが対象)
② 段差や傾斜の解消(玄関・廊下・浴室・トイレなどの室間の段差や傾斜の解消)
③ 滑り防止・移動の円滑化を目的とした床材の変更(車いすでは移動しにくい畳や滑りやすい床を固い床材やフローリングなどに変更)
④ 開き戸から引き戸への変更や扉の撤去(アコーディオンカーテンへの取り替えやドアノブの変更・戸車の設置なども対象となる)
⑤ 和式便器から洋式便器への変更(和式から洋式への変更のみ対応)
⑥ その他①~⑥の工事に付帯して必要となる工事(手すりの取り付けに伴う下地補強、床の段差解消に伴う給排水設備の工事など)

台所は住宅改修の対象になる?

介護保険料の未納の場合どうなる?
では、本題の台所は住宅改修の対象になるのかということについてですが、先程の項目で解説したように介護保険の給付対象となる6つの住宅改修には台所というワードはありません。

このため、台所は住宅改修の対象にならないのかと思う方もいるかもしれませんが、改修する部分によっては介護保険の給付対象となる可能性があります。

その① カウンターの高さについて

キッチンのカウンターの高さが低く、腰をかがめて作業を行わなければならない場合、腰痛持ちの方などは作業を行うことがつらくなりますし、腰痛がない方でもそのような姿勢での作業を続けていると腰を悪くする可能性が高くなります。

このような場合、これからもその家で暮らし続けて行くのならカウンターの高さを変更するようなリフォームを行うことが必要になってきますが、残念ながらカウンターの高さの変更に関する工事は介護保険の給付対象にはなっていません。

このため、キッチンのカウンターの高さを変更するならば全額自己負担で行うしかありません。

その② IHコンロへの交換について

古い家屋の場合、キッチンのコンロはガスコンロであることがほとんどだと思いますが、このガスコンロですが、使用者が高齢の場合には火の不始末が心配になります。

新しめのガスコンロの場合なら過熱防止装置や立ち消え安全装置が標準搭載されているため安心感がありますが、古いガスコンロですとこれらの機能が搭載されていません。

現在はIHコンロが人気であるため、住宅改修を利用してガスコンロからIHコンロに交換してもらおうと考える方もいるかもしれませんが、コンロの交換は住宅改修の対象になっていませんので介護保険を利用しての交換を行うことはできず、交換する際の費用は全額自己負担となります。

その③ 台所内の手すりの取り付けについて

人は歳を重ねるにつれて足腰が弱くなりますので、家の中の移動に手すりが必要になってきたので台所内にも手すりを取り付けたいという方もいるかと思います。

住宅改修の対象となる工事には「手すりの取り付け工事」が含まれており、生活に必要な空間での転倒防止や移動の補助のために手すりを取り付ける工事は介護保険の給付対象となりますので、工事にかかる費用の1割(所得に応じて2~3割)の自己負担で住宅改修が可能になっています。

の④ 台所内の段差について

歳をとるとわずかな段差でも躓くことがあり、骨折などによって最悪の場合ですと車椅子生活になってしまうことすらありますので家の中の段差というのはなくしておいた方がいいものとなっています。

住宅改修の対象となる工事のなかには「段差の解消」が含まれているため、生活に必要な空間である台所内の段差を解消するための工事は介護保険の給付対象となりますので、工事にかかる費用の1割(所得に応じて2~3割)の自己負担で住宅改修を行うことが可能になっています。

ただ、取り付け工事を伴わないスロープなどは別の介護保険サービスである「福祉用具貸与」の対象となるため、住宅改修では介護保険を利用することはできませんので注意してください。

まとめ

介護保険料の概要について
ここまで介護保険の住宅改修で台所は対象になるのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように介護保険サービスには住宅改修というものがあり、介護保険を利用して自宅を高齢者や被介護者が住みやすい環境にすることが可能になっています。

ただ、介護保険の住宅改修というのは生活を便利にするためには使用することができません。

この記事では台所の住宅改修について取り上げてきましたが、カウンターの高さの変更やIHコンロへの変更というような生活を便利にするためのリフォームは対象とならず、台所内への手すりの取り付けや台所内の段差の解消というような生活を安全に行うことができるようにするための工事のみが介護保険の給付対象となります。

介護保険を利用した住宅改修を行ったことがない方はこのあたりの線引きが難しいと思いますので、介護保険を利用した住宅改修を検討する際には担当のケアマネージャーに相談するようにしましょう。

ケアマネージャーは住宅改修を行う事業者や住宅改修の事例などについても詳しいため、様々なアドバイスを行ってくれます。

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