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介護保険制度でできることとは?ヘルパーでできる範囲も案内!

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介護保険を利用したリハビリの料金
介護保険制度でできることとは?ヘルパーでできる範囲も案内!

2000年から始まった介護保険制度も、もうすぐ20周年となります。

だいぶ浸透してきた介護保険制度ですが、有名なのはヘルパー、デイサービス、デイケア、老人ホーム、ショートステイあたりでしょうか。

実は介護保険制度には、もっと多種多様なサービスがあり、知られざる便利なサービスもあるのです。

今回は、改めて介護保険サービスにはどのようなサービスがあり、どんな介護を受けられるのか?

また、特に分かりづらいホームヘルパーは何ができて何ができないのか?について説明していきます。

介護保険サービスの種類

病院付き添いは外出介助として介護保険を利用できる
まずは、介護保険サービス全般について説明します。

大きく分けて、在宅サービス(法律的には居宅サービスと呼ばれます)、施設サービス、地域密着型サービスの3つに分けられています。

在宅サービス

文字通り、自宅で生活している要介護者に対して提供されるサービスです。

自宅に来てもらって介護やリハビリを受けるもの、施設に通って介護やリハビリを受けるもの、介護の役に立つ福祉用具をレンタルしたり買ったりできるもの、自宅をバリアフリーに改造するものなどがあります。

在宅サービスは数が多いので、さらに訪問サービス・通所サービス・短期入所サービス・その他に区分されています。

訪問サービス

訪問サービスは、自宅で暮らす利用者宅を訪問し、家事援助や食事・入浴・排泄などの身体介護、健康管理指導や看護業務、リハビリなどを提供するサービスです。

基本的には1対1のサービスになります。

訪問介護

俗にいうホームヘルパーです。

利用者の自宅に訪問して、買い物や掃除等の家事援助や食事・排泄・入浴などの身体介護を提供します。

訪問入浴

利用者の自宅に訪問し、移動式の浴槽を用いて入浴介助を行います。

他の訪問サービスとは違い、複数人でサービス提供することが基本になっています。

訪問看護

利用者の自宅に訪問し、医師の指示の下で医療行為による傷や疾病の処置や、難病患者が使用する医療機器の管理、リハビリ、健康管理に関する指導等を行います。

訪問リハビリテーション

利用者の自宅に訪問し、身体機能訓練や本人や家族で出来るリハビリの指導等を行います。

通所サービス

通所サービスは、自宅から日帰りで介護施設に通い、身体介護やリハビリ、栄養管理や口腔機能向上訓練・レクリエーションなどを提供するサービスです。

通所介護

通称デイサービスと呼ばれています。

自宅で暮らす利用者が施設に通い、入浴・食事・排泄・レクリエーション・リハビリテーション等のサービス提供を行います。送迎も行います。

介護保険の指定を受けていない有料老人ホームやケアハウスの場合はデイサービスが併設されている場合も多いです。

近頃はリハビリ特化型デイサービスのようなものもあり、その名称まで後述の通所リハビリと区別が付きづらい事業所もあり、注意が必要です。

通所リハビリテーション

通称デイケアと呼ばれています。

提供サービスとしては通所介護と似通っていますが、こちらはその名前の通りリハビリテーションに関するサービス提供が中心となります。

リハビリの専門家を多く配置しており、提供される身体介護もリハビリ的視点で提供される側面が強くなります。

そのため、通所介護とは違って半日で提供単位を区切って入浴や食事を提供せず、送迎とリハビリに特化した形態を取る事業所も少なくありません。

短期入所サービス

短期入所サービスは、普段は自宅で暮らす利用者を一時的に泊まりで預かり、身体介護やリハビリ、レクリエーションなどを提供するサービスです。

特に在宅での長期にわたる介護が困難な場合にレスパイト(要介護者の家族が一時的に介護から離れて自身の心身を休息させたり、介護以外のことができるようにすること)目的で利用されることも多いです。

2種類のサービスがありますが、医療依存度が高いか否かでどちらかを利用するかたちになります。

短期入所生活介護

俗にショートステイと呼ばれています。

短期間介護施設に入所し、食事・入浴・排泄・リハビリテーション・レクリエーションなどの日常生活上必要なサービス提供を行うものです。特別養護老人ホームに併設されている場合も多いです。

なお、連続利用は30日以内であり、利用総数は要介護認定の有効期間内の日数のうち半数以下でなければならないと利用日数の制限があります。

短期入所療養介護

老人保健施設や療養病床のある病院・診療所等が、医学的管理のもとで身体介護や機能訓練・医療措置などを提供する施設です。

利用上限についての規定は短期入所生活介護と同じです。

その他

介護サービスを利用するのに必須となるケアプラン作成や、有料老人ホームやケアハウスのなかでも介護保険の指定を受けた施設が入居者に対して身体介護等を提供するサービス、自宅に暮らす高齢者に対して直接介護以外のサービスで要介護者や家族を支えるためのサービスがあります。

特定施設入居者生活介護

有料老人ホームやケアハウス等で介護保険の指定を受けると“介護付き”と謳うことが許されます。

これらの施設に入居している利用者に対し身体介護やリハビリ・レクリエーションなどの介護をパッケージで提供します。

介護付きと謳われてない有料老人ホームなどは自宅扱いになるので、訪問介護や通所介護・保険外のサービスを組み合わせて利用することになるため利用料金の総額が分かりにくく流動的になりがちのため、この指定を受けている有料老人ホームは比較的安心して入居できると言えますね。

福祉用具貸与

車椅子や電動ベッド、エアマット、工事を伴わない手すり等の全13品目をレンタルで利用することができます。

要支援1~要介護1の方は基本的にレンタルできない品目があるので注意が必要です。

特定福祉用具販売

ポータブルトイレや浴室用いす等を商品価格の1~3割(自己負担額は被保険者によって違います)で購入できるサービスです。

初めに全額払い、自己負担分以外の金額が戻ってくる仕組みです。同一年度で商品価格10万円が上限になります。

10万円までお金が返ってくると勘違いしている方も多いので注意してください。

住宅改修

工事費20万円を上限とし、手すりやスロープを設置したり床材を滑りにくいものに変更したり、和式トイレを洋式トイレに変更したりする工事を行った際に工事費用から自己負担分を除いた金額が返金される制度です。

一人当たり1回までと決まりがありますが、要介護度が3段階以上あがったり、やむを得ない理由で転居した場合などは再度利用することができます。

居宅療養管理指導

医師、薬剤師、管理栄養士、看護師等が自宅を訪問し療養上の管理・指導や助言を行います。

居宅介護支援

他の在宅サービスを利用するために必須となる一連の介護過程(ケアプラン作成、担当者会議開催、サービス提供状況の確認・評価・再検討、利用しているサービス提供事業者や主治医との調整等)を実践するサービスです。

このサービスは、平成31年2月現在唯一自己負担がありません。自己負担の導入についてしきりに議論されていますので、その点は要注目です。

施設サービス

文字通り、泊まりの施設に入所して生活全般の介護をパッケージとして提供します。

在宅サービスとは違い、基本的に入所した施設だけですべてのサービスを完結的に提供することになります。

全部で3種類の施設があります。

介護老人福祉施設入居者生活介護

俗にいう特別養護老人ホームです。

入居すると、基本的には死亡するまで永続的に入居した施設で過ごすことが大半です。食事や排泄、リハビリやレクリエーションなどのサービスを総合的に提供します。

介護老人保健施設入居者生活介護

医療行為やリハビリを必要とする方が入居する施設です。

サービス内容の概要は介護老人福祉施設と同様ですが、大きな違いは“在宅復帰を目指したリハビリ”が中心であるという点です。

そのため、入居後一定期間で退去することが前提となっています。

介護療養型医療施設入居者生活介護

比較的重度の要介護者が多く、より医療依存度の高い方が入居し、充実した医療的ケアやリハビリを受けることができます。

医療法人が運営する施設であり、看護師の人員配置も他の施設と比較して手厚くなっています。

地域密着型サービス

2005年に始まったサービスです。

高齢者や認知症の人が住み慣れた地域での暮らしを続けることができるように、市町村の管理の下でその土地の住民限定で利用できるサービスです。

より地域に根差した管理指導が行われるため、よりニーズに特化したサービス提供ができるとされています。

訪問・通所型

小規模多機能型居宅介護

必要に応じて通い・泊まり・訪問の介護サービスを組み合わせて利用できます。料金は要介護度に応じた定額制になっています。

利用できる事業所は一か所のみで、担当のケアマネジャーもその事業所に所属する方が担当することになります。

看護小規模多機能型居宅介護(旧複合型サービス)
小規模多機能型居宅介護+訪問看護といったイメージのサービスです。

断られがちな医療依存度が比較的高い方も利用できます。

夜間対応型訪問介護

夜間定期的に巡回したり、利用者の要請に応じて随時訪問し身体介護を提供するサービスです。

速やかに要請に対応できるよう、オンコール体制も整備されています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

夜間だけでなく、日中も含めて定期的に巡回したり随時対応を行うサービスです。

その名前の通り、身体介護だけでなく訪問看護も提供します。

地域密着型通所介護

小規模の通所介護です。

利用定員が18人以下となり、以前は居宅サービスの通所介護の分類でしたが平成28年より地域密着型サービスに移行しました。

サービス内容は同様ですが、単価が少し安めで、その性質上地域住民の利用者が多いため、馴染みやすい雰囲気があります。

認知症対応型

認知症対応型通所介護

認知症の診断を受けている高齢者専門のデイサービスです。

スタッフも専門の研修を受けたり資格を持ったりしているため、安心してサービスを利用することができます。

定員も12名以下と少ないため、ゆったりとした雰囲気で過ごすことができます。

認知症対応型共同生活介護

認知症高齢者が9人ワンユニットで心身の介護を受けながら共同生活を送る施設です。

それぞれ事業所ごとに特色があります。

一緒に家事をしたり、外出したりしながらその人らしいケアを受けることができます。

施設・特定施設型

地域密着型特定施設入居者生活介護

居宅サービスにある特定施設入居者生活介護の小規模版です。定員は30人未満になります。

地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護

通称ミニ特養と呼ばれており、上記同様小規模の介護老人福祉施設入居者生活介護になります。

定員は30人未満となります。

ヘルパーで出来る範囲

まとめ
続いては、なかなか分かりづらい訪問介護で提供できるサービスについて説明します。

筆者は訪問介護員として勤務していたこともありますが、やはり利用者やその家族の誤解により、本来提供は認められていないサービスを依頼されたり、「あのヘルパーは親切にやってくれたのに」と正しい対応をしているのに苦情に繋がってしまったりという事例がよくありました。

介護保険制度では、利用者本人・家族・ケアマネジャーが連名で作成したケアプランによって各サービス提供事業所のミッション(役割、サービス提供内容)が割り振られ、事業所ごとに「個別支援計画」を作成しサービス提供をします。

つまり、ヘルパーで出来る範囲というのは「法律で決まっているサービス提供として認められる行為」→「個別支援計画に記載されているサービス提供内容」の2段階で決まることになります。

今回は前者の「法律で決まっているサービス提供として認められる行為」について説明しますが、ここで明示したことをいつでもやっていいわけではないという点に注意してご覧になってくださいね。

また、あくまで一例ですので詳細は各サービス事業所に確認するとよいでしょう。

ヘルパーのサービスは大きく分けて「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3種類があります。

ヘルパー(訪問介護)でできること

身体介護で出来ること

食事、入浴、排泄、体位変換、着替えや洗面などの整容行為、徒歩や車いすでの日常的な外出への付き添い、車椅子やベッド等への移乗及びこれらの身体介護を実施する上での必要最小限の準備や片付け

生活援助で出来ること

調理、食事、掃除、ゴミ出し、布団干し、買い物、薬の受け取り等

通院等乗降介助で出来ること

訪問介護員が運転する車(介護タクシー等)の乗降時の介助、通院先での受診手続き

ヘルパー(訪問介護)でできないこと

身体介護で出来ないこと

娯楽・趣味・散策目的の生命を維持する上で必須ではない外出、地域行事や冠婚葬祭への外出、医療行為

生活援助で出来ないこと

利用者本人以外の分の調理、おせち等の行事食やお菓子などの嗜好品・煮込みなど複雑な工程が必要な調理、利用者本人が日常生活で使用していない部屋の掃除、ペットの世話や散歩、来客対応、金品や貴重品の管理、家電・家具の移動や修理、預貯金の引き出し代行、利用者本人が留守の際のサービス提供全般
※そもそも利用者に同居家族がいる場合は、同居家族も要介護状態であったり障害があるなどの理由で家事ができない場合を除いて生活援助の提供自体ができません。

例えば夫婦の2人暮らしで「今まで家事は一手に妻がやっていたが、その妻が要介護状態になってしまった。自分は家事をやったことがない」と夫が主張したとしても提供できません。

通院等乗降介助で出来ないこと

ヘルパーや利用者・家族の自家用車を運転すること、通院時に入院や手術が必要になったときの治療や入院への同意を行う行為
※例えば別に料金を設定してヘルパーの公用車を使用し通院等乗降介助を提供すると道路交通法上の法律違反である“白タク行為”になる場合もあります。

介護員ができる医療行為とは?

ヘルパーに限らず、介護員は医療行為を行うことができませんが、それに類するもので「医療行為とはみなされない行為」「介護員ができる医療行為」がありますので参考にしてください。

医療行為とはみなされない行為

  • 一回ごとに小分けされた薬の服薬介助
  • 軟膏塗布(褥瘡の処置を除く)
  • 湿布の貼り付け
  • 目薬の点眼
  • 座薬の挿入
  • 軽い切り傷や擦り傷などの医療的判断を必要としない処置(絆創膏を貼る程度)
  • 体温計での検温
  • 自動血圧測定器での血圧測定
  • 血中酸素濃度測定器の装着

法律上は医療行為だが介護員が行ってよいとされる医療行為

  • 耳垢の除去
  • 爪切り、爪やすり
  • 歯ブラシ、綿棒による口腔ケア
  • ストーマのパウチにたまった排泄物の除去
  • 自己導尿の補助、カテーテルの準備、体位保持
  • 市販の浣腸器による浣腸

介護員ができる医療行為

法改正によって、特別な研修を終了した後に特定行為実行者として都道府県に登録し、また事業所としても都道府県に登録している場合は下記の医療行為をできるようになりました。

  • 喀痰吸引
  • 経管栄養

まとめ


後半で、ヘルパーのできることやできないことについて解説しました。

ヘルパーはサービス提供時は1対1でのサービス提供になります。

しかし、その利用者さんには複数人のスタッフが関わることになります。

個人的に親切心で規定外のことをやってあげてしまうと、利用者さんの要求がどんどん増えていってしまったり、家政婦扱いされてしまったり、逆に利用者とヘルパーとの心理的距離が近くなりすぎてしまいます。

そうすると特定のヘルパーしか入れなくなったり、思いがけないトラブルの原因になったりしてしまいチームケアが成立しなくなってしまいます。

「ちょっとだから」「今回だけだから」とよかれと思ってやった些細なことがサービス提供そのものを崩壊させてしまう恐れがあるということを常に念頭に置き、利用者にも丁寧に説明して理解を得ていくことが大切ですね。

蛇足ですが、一般市民が身体介護を提供するスタッフを代名詞のようにヘルパーという傾向がありますが、福祉業界でヘルパーとは、訪問介護事業所で働く訪問介護員(ホームヘルパー)という職種のことを指すのが常識です。

以前、某元アイドルグループのメンバーが主演する任〇ヘルパーというドラマがありましたが、あれは舞台が入所系の介護施設でしたので常識と矛盾していることになりますね(笑)

それでは、また。

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