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介護保険の『介護予防・日常生活支援総合事業』とは?今までと何が変わった?

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この記事では介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業」とは一体何なのか、また、これまでの制度と何が違うのかということなどについて解説しています。

皆さんは「介護予防・日常生活支援総合事業」とは一体どのようなものかご存知ですか?

2015年に行われた介護保険の見直しによって創設され、2017年4月から各市町村においてサービスの提供が開始されていますが、介護保険について詳しくないという方などは「介護予防・日常生活支援総合事業」と聞いても一体何のことか分からないと思います。

ここでは介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業」とは一体何なのか、また、これまでの制度と何が違うのかということなどについて解説していきますので、事業の内容等について詳しく知りたいという方は是非この記事をご覧ください。

『介護予防・日常生活支援総合事業』簡単に言うと

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「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」とは、簡単に言いますと介護保険制度における市町村による事業となります。

2025年には団塊の世代が75歳以上になるためさらに高齢者が増加することになっています。

高齢者がこれまで通り住み慣れた地域で暮らしていけるように、また、要介護状態になることを予防することを目的として介護保険制度の改正によってこの「介護予防・日常生活支援総合事業」は創設されました。

この総合事業には大きく分けて「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」という2つの事業があります。

「介護予防・生活支援サービス事業」とは、要介護認定において要支援の認定を受けた方の訪問介護・通所介護と新しく実施される介護予防・生活支援を必要としている高齢者のための訪問型・通所型のサービスを提供する事業です。

また、「一般介護予防事業」とは、市町村が民間サービスや住民の互助等との連携を行い、高齢者の生活機能の改善や生きがいづくりを目的とした介護予防・生活支援に役立つ事業です。

『介護予防・日常生活支援総合事業』はこれまでと何が違うのか?

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この介護予防・日常生活支援総合事業ですが、これまでとは一体何が違うのでしょうか?

その① 市町村が運営

従来の介護予防サービスは国の介護保険制度によって単価や基準が一律となっていましたが、「介護予防・日常生活支援総合事業」では市町村が主体となって単価や基準を設定して運営することになりますので、地域の実情に応じた自由度の高いサービスを提供することが可能になりました。

この総合事業が導入されたことによって、導入前には「要支援1・2」と認定された方が利用していた「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」の2つが総合事業に移行されることになり、「訪問型サービス」「通所型サービス」として実施されることになります。

なお、介護予防訪問介護と介護予防通所介護以外の福祉用具貸与といったサービスはこれまでと同様に予防給付のサービスとして運営されることになります。

その② 地域の人的・社会資材

総合事業が導入されたことによって既存の介護事業所だけではなく、民間企業・共同企業・ボランティア団体・NPO法人によるサービス提供も可能になりました。

このため、地域の人的資源や社会資源を活用することによって地域の活力が向上する他、高齢者を地域全体で支えていこうという取り組みが加速することにもつながります。

その③ ニーズに合った柔軟な対応ができる

これまでの介護予防事業は要介護認定において「要支援」と認定された方が対象となっていましたが、新たに導入された総合事業にいては対象者が「何らかの支援が必要な65歳以上の方」となっているため、要介護認定において「非該当」と認定された方も利用することが可能になっています。

このため、要支援と非該当を行き来しているような状態の方であっても、切れ目なくサービスを利用することが可能になります。

その④ リハビリ専門職の関与

この総合事業には新しく「地域リハビリテーション活動支援事業」というものが追加されるため、リハビリ専門職が地域の介護予防に関する取り組みを支えていくことになります。

これによって、リハビリ専門職は訪問・通所・地域ケア会議等に定期的に関わっていくことになり、アドバイスなどを行ってくれます。

『介護予防・日常生活支援総合事業』を受ける方法


総合事業のサービスを利用したい方は、まず市町村の担当窓口か地域包括支援センターにおいて相談を行うようにしてください。

地域包括支援センター等の専門職が本人又は家族からの相談を受けることになります。

相談を行った上で、高齢者の状況の確認を行い、事業の対象者であると認められる方には自立支援に向けたケアプランが作成されることになり、作成後にサービスの利用を開始することが可能になります。

『介護予防・日常生活支援総合事業』を受けるまでの流れ


先程の項目では総合事業のサービスを受けるための方法について解説しましたが、ここではその流れについてさらに詳しく解説していきます。

① 相談
総合事業のサービスを利用したいと考えている方は市町村の担当窓口か地域包括支援センターにおいて、総合事業のサービス利用又は要介護認定の必要性についての相談を行う。

② 心身状況の確認
基本チェックリストによって高齢者の心身状況の確認を行う。

ただ、既に要介護認定において要支援の認定をもらっている方についてはチェックリストによる確認を行わずに総合事業のサービスを利用することが可能になっています。

また、基本チェックリストによる心身状況の確認の結果によっては要介護認定の申請を行うかの検討が必要になってきます。

さらに、40歳~64歳までの第二号被保険者の方が総合事業のサービスの利用を希望する場合については要介護認定を受ける必要があります。

③ 事業の対象者となる
チェックリストによってサービス利用の必要性があると判断されると「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者となります。

ここで非該当となってしまった場合には、65歳以上の高齢者であれば誰でも利用することができる「一般介護予防事業」のサービスを利用することになります。

④ ケアプランを作成してもらう
「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者となった方は、サービスを利用するために必要なケアプランを地域包括支援センターにて作成してもらいます。

⑤ 総合事業の利用開始
ケアプランが完成したら総合事業のサービスを利用することが可能になります。

まとめ


ここまで介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業」とは一体何なのか、また、これまでの制度と何が違うのかということなどについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように、「介護予防・日常生活支援総合事業」とは高齢者が今まで住み続けてきた地域でこれからも暮らし続けることができるように、また、高齢者が持ちうる能力を最大限に活かすことによって要介護状態になることを防ぐための事業です。

事業の主体は市町村となっていますが、介護事業者以外にも民間企業・共同企業・ボランティア団体・NPO法人などもサービスの提供に参画することが可能になっていますので、様々な側面から高齢者を支えることが可能になっています。

この総合事業は要介護認定において非該当となった方でも利用することが可能ですので、必要に応じてまずは市町村の担当窓口や地域包括支援センターにて相談を行うようにしてください。

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