介護保険

訪問看護は介護保険と医療保険どっちを使えばいい?

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要支援認定を受けるには

この記事では訪問看護を利用する際には介護保険と医療保険のどちらを利用すればいいのかということについて解説しています。

病気や障害を持っている高齢者の中には「人生の最後を自宅で迎えたい」「施設で暮らすのではなく住み慣れた自宅で暮らしたい」というような願いを持っている方が数多くいらっしゃいます。

そのような方が住み慣れた自宅で療養生活を送ることができるようにするためのサポートを行うのが訪問看護というサービスですが、実はこの訪問介護は介護保険だけではなく医療保険でも利用することが可能になっています。

ここで気になってくるのが、自分が訪問看護を利用する際に介護保険と医療保険のどちらの対象になるのかということです。

ここでは訪問看護を利用する際には介護保険と医療保険のどちらを利用すればいいのかということについて解説していきますので、訪問看護の対象が介護保険か医療保険のどちらになるのかの条件を知りたいという方は是非この記事をごらん下さい。

介護保険と医療保険について

要支援・要介護の1ヶ月の自己負担額【1割負担】
介護保険と医療保険。

似たような名前ですが、その内容には様々な違いがあります。

ここではまず介護保険と医療保険について簡単に解説していきます。

介護保険とは

介護保険とは、介護を必要としている方に介護にかかる費用を給付してくれるという保険です。

この介護保険ですが、医療保険とは違い40歳になると加入することになっており、40歳~64歳までの方は第二号被保険者、65歳以上の方は第一号被保険者と呼ばれます。

介護保険の被保険者は介護が必要であると認められると介護保険を利用して様々な介護サービスを利用することができるのですが、利用するためには要介護認定というものを事前に受けておく必要があり、健康保険証を提示すれば適用される医療保険とは事前認定が必要という点で大きく異なっています。

また、この要介護度ですが、第一号被保険者の方は介護が必要になった原因がどのようなものであっても受けることができるのに対し、第二号被保険者の方は介護が必要になった原因が16種の特定疾病であると認められなければ要介護認定を受けることができません。

要介護認定を受けた被保険者が介護保険サービスを利用した場合の自己負担は1割(所得に応じて2~3割)となっています。

ただ、要介護認定によって判定された要介護度によって区分支給限度額というものが設けられており、この範囲内であれば上記の負担割合で利用することができますが、限度額を超えてサービスを利用した際には超過分が全額自己負担となります。

医療保険とは

医療保険とは医療機関において医療費を支払う際に、支払うことになる費用の一部又は全部を負担してくれる保険のことをいいます。

日本では「国民皆保険」というものがありますが、医療保険は全ての国民に医療保険の加入が義務付けられている保険制度に適用されるもので、加入していることの証明となる健康保険証を所持している方であれば保障を受けることが可能になっています。

医療保険は公的医療機関において健康保険証を提示して治療及び診察を受けた際に適用されることになっており、介護保険とは違って要介護認定のような事前申請を受ける必要はありません。

医療保険では治療及び診察を受けた際の自己負担は3割に設定されているため負担割合としては多くなっていますが、介護保険とは違って支給限度額などは設けられていません。

訪問看護のサービス内容

デイサービスとは
訪問看護では、地域の訪問看護ステーションから派遣されてくる看護師や理学療法士等のリハビリ専門職が主治医との連携を密に取り、利用者の心身状態に応じた適切な看護サービスを提供してくれます。

基本的にはケアマネージャーからの依頼によって主治医から訪問看護指示書が発行されてからサービスの提供が開始されます。

訪問看護において提供されることになるサービスには以下のようなものになります。

① 健康状態の管理

  • 利用者の全身の健康状態に関するチェック
  • 利用者がかける病気や障害に関するチェック

② 日常生活を送る上での介助

  • 食事摂取に関する支援や脱水予防等の栄養管理
  • 入浴介助等の清潔ケア
  • 排泄の自立支援等の排泄管理
  • 療養環境の整備

③ 医師の指示に基づいた医療行為

  • 点滴注射や褥瘡の処置といった医師の指示に基づいた医療行為
  • 血糖コントロールというような症状マネジメントと医師等への情報提供
  • 留置カテーテルの管理や在宅酸素療法管理を始めとする医療機器や医療器具使用者のケア
  • 服薬の管理
  • 24時間体制での緊急時の対応
  • その他、主治医の指示に基づいた処置や検査など

④ 介護を行っている家族へのアドバイスや相談

  • 介護方法についてのアドバイス
  • 介護用品の使用に関する相談
  • 日常生活や健康管理等の相談
  • 介護や看護の負担についての相談
  • 地域の社会資源に関する相談

訪問看護を介護保険や医療保険で使う条件

介護保険を利用してデイサービス使用!気になる料金は?
最後に訪問看護を介護保険や医療保険で使う際の条件について解説していきます。

訪問看護を介護保険で使う条件

訪問看護を介護保険で利用することができる方は、主治医によって訪問看護が必要と判断された上で以下のケースに該当する方となります。

介護保険で訪問看護を利用する場合には基本的にケアプランに基づいてサービスが提供されることになります。

① 65歳以上の第一号被保険者の方で、要介護認定において「要支援」又は「要介護」と断定された方
② 40歳~64歳までの第二号被保険者の方で、16種の特定疾病(以下記載)によって介護が必要であると認められ、要介護認定において「要支援」又は「要介護」と断定された方

[特定疾病]
1.がん(がん末期)
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靭帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

訪問看護を医療保険で使う条件

訪問看護を医療保険で利用することができる方は、基本的に症状が非常に重い方となっており、以下のケースに該当する方が対象となります。

① 主治医によって訪問看護が必要と判断された方で、厚生労働大臣が定める疾病等に該当している場合
② 患者の症状が悪化したことによって意思から特別訪問看護指示書が打差得手という場合

医療保険での訪問看護は基本的に週3回までとなっていますが、厚生労働大臣が定める疾病等(以下記載)に該当する場合などは週4回以上の訪問看護の利用が可能になります。

また、介護保険が利用できる方であっても厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合の訪問看護は医療保険での利用になります。

[厚生労働大臣が定める疾患等]
1.末期の悪性腫瘍
2.多発性硬化症
3.重症筋無力症
4.スモン
5.筋萎縮性側索硬化症
6.脊髄小脳変性症
7.ハンチントン病
8.進行性筋ジストロフィー症
9.パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る))
10.多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症およびシャイ・ドレーガー症候群)
11.プリオン病
12.亜急性硬化性全脳炎
13.ライソゾーム病
14.副腎白質ジストロフィー
15.脊髄性筋萎縮症
16.球脊髄性筋萎縮症
17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
18.後天性免疫不全症候群
19.頸髄損傷
20.人工呼吸器を使用している状態及び急性増悪期の場合

まとめ

被保険者が65歳以上でも配偶者の医療保険は変更されない
ここまで訪問看護を利用する際には介護保険と医療保険のどちらを利用すればいいのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

解説してきたように訪問看護は自身の症状によって介護保険の対象になるのか医療保険の対象になるのかが変わってきます。

40歳~64歳までの第二号被保険者の方が介護保険を利用することができるようになる条件である特定疾病ですが、その中の「がん末期」「筋萎縮性側索硬化症」「進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病」「脊髄小脳変性症」「多系統萎縮症」については厚生労働大臣が定める疾病等に該当する疾患となっているため、訪問看護は医療保険での利用となりますので注意してください。

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