この記事では介護保険サービスの1つである訪問介護において同居している家族もサービスを受けることは可能なのかということについて解説しています。
介護保険サービスには訪問介護というサービスがありますが、この訪問介護とは利用者の自宅に訪問介護員等が訪問してサービスの提供を行うというものです。
この訪問介護について、「サービスの利用者と一緒に住んでいる同居家族も訪問介護のサービスを受けることが可能なのか」と思われる方もいるのではないでしょうか。
果たして実際に同居家族も介護保険サービスを利用することは可能なのでしょうか?
ここでは介護保険サービスの1つである訪問介護において同居している家族もサービスを受けることは可能なのかということについて解説して解説していきますので、同居家族も介護保険サービスを利用することは可能なのかということについて知りたいという方はこの記事を参考にしてみてください。
同居家族がいても訪問介護は可能?
介護保険には様々な介護保険サービスがあり、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」に大別することができます。
その中の居宅サービスに訪問介護という介護保険サービスがあります。
この訪問看護は利用者が長年住み慣れた自宅において利用することができるため、自宅での療養を望まれている高齢者の願いを叶えることができる介護保険サービスとなっています。
この訪問介護を利用することができるのは要介護認定において「要支援」または「要介護」という認定を受けた方となっており、要介護認定で「非該当(自立)」と判定された方は介護保険による訪問介護を利用することはできません。
この訪問介護ですが、自宅にてサービスの提供を受けるものであるため、「自宅に利用者以外の同居家族がいる場合でも訪問看護のサービスを利用することは可能なのか」と思われる方も多いでしょう。
結論から申しあげますと利用できる場合と利用できない場合があります。この記事ではそのことについて触れていきますので最後まで最後までご覧いただければと思います。
訪問介護サービスの種類
介護保険サービスの訪問介護で利用することができるサービスには「身体介護」と「生活援助」という2種類があり、利用者は1回の訪問看護の中で身体介護と生活援助を組み合わせて受けることが可能になっています。
では、身体介護と生活援助ではどのようなサービスを受けることができるのでしょうか?
その① 身体介護
介護保険の訪問介護における身体介護とは、基本的に利用者の身体に直接触れて行う介護のことで、以下のようなサービスがこれに該当します。
- 食事介助:食事の際の支援を行う
- 入浴介助:全身浴又は部分浴の支援を行う
- 清拭:入浴を行うことができない利用者の身体を拭いて清潔を保つ
- 排泄介助:トイレ介助やおむつ交換等を行う
- 歩行介助:自分自身での歩行ができるように介助を行う
- 更衣介助:着替えの介助を行う
- 体位変換:ベッドの上などでの褥瘡防止を目的とした姿勢交換を行う
- 移乗介助:ベッドから車椅子、車椅子からベッドというような移乗の介助を行う
- 服薬介助:訪問介護員が取扱可能な範囲に限る
その② 生活援助
介護保険の訪問介護における生活援助とは、基本的に利用者が生活を送る上で必要になってくる家事を行うことが困難である場合に訪問介護員によって提供される日常生活支援のことであり、以下のようなサービスがこれに該当します。
- 掃除:居間の掃除やゴミ出しを行う
- 洗濯:衣服を洗うだけではなく、干す、たたむ、整理するところまで行う
- 料理:食材の買い出しから調理、配膳、片付けまでを行う
- 受診手続き:通院の際の付き添いや薬の受け取り代行などを行う
- 移動介助:「座る」「歩く」といった移動の際の介助を行う
- その他:血圧測定や爪切りといった医療行為ではないものに限る
訪問介護サービスでできる事・できない事
先程の項目では介護保険の訪問介護には「身体介護」と「生活援助」という2つのサービスがあるということを解説しましたが、同居家族がいてもこれらのサービスを利用することはできるのでしょうか?
ここでは同居家族がいる場合に訪問介護においてできることとできないことについて解説していきます。
その① 身体介護
介護保険の訪問介護における身体介護ですが、こちらは同居家族がいても利用することが可能になっています。
身体介護のサービス内容には基本的に介護の専門職でないと提供することができないものが多く、専門的な知識を持っていない介護については素人同然の同居家族では提供することが困難なサービスがあるため、同居家族がいてもりようすることが可能になっています。
また、介護保険における居宅サービスの目的として「家族の介護による負担を軽減する」というものがありますので、介護の専門家が同居家族の介護負担を軽減するという意味でも身体介護は同居介護がいても利用することが可能になっています。
その② 生活援助
介護保険の訪問介護における生活援助ですが、こちらは基本的に同居家族がいる場合には利用することができません。
身体介護は介護の専門職でないと提供することができないものが多いため同居家族がいても利用することが可能になっていますが、生活援助の場合は同居家族であれば生活の範囲内で行うことができるものが多いため利用は認められません。
つまり、同居家族が便利屋さんを使うかのごとく訪問介護員を買い物に行かせるということは介護保険では認められないということです。
基本的に同居家族がいる場合は利用することができない生活援助ですが、同居家族も要介護認定において「要支援」や「要介護」の認定を受けているという場合については例外的に生活援助を利用することが可能になる場合があります。
近頃は高齢の夫婦が増えており、夫婦両方とも要介護認定を受けているということも珍しくはありません。
このような場合、夫婦両方とも家事などを行うことが困難である場合には訪問介護における生活援助を利用することが可能になります。
ただ、同居家族が生活援助を利用する際には介護保険において同居家族のサービス分として明確に区分される必要がありますので、利用の際には担当のケアマネージャーとよく相談するようにしてください。
まとめ
ここまで介護保険サービスの1つである訪問介護において同居している家族もサービスを受けることは可能なのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
解説してきたように介護保険を利用した訪問介護において同居家族がいてもサービスを利用することができるかについては、訪問介護によってうけるサービスの内容と同居家族が要介護認定を受けているかどうかによって決まってきます。
同居家族がいても受けることができるのは「身体介護」となっており、「生活援助」に関しては基本的に同居家族がいる場合には受けることはできませんが、同居家族が「要支援」または「要介護」と認定されている場合に限ってサービスを受けることが可能になっています。
ただ、同居家族が生活援助を利用する際には介護保険において同居家族のサービス分として明確に区分される必要がありますので、利用を希望する場合は担当のケアマネージャーに相談するようにしてください。