デイサービスとは、日中に介護施設に通い、食事や入浴、リハビリなどの介護を受けるサービスです。
しかし、要介護度が比較的軽度の方にとっては他の利用者との交流や各種ゲームやレクリエーションを通したアクティビティ活動を楽しみに通っている方も多いのではないでしょうか。
筆者もデイサービスで勤務していたことがありますが、この日々のアクティビティ活動が実はストレスでした。
どうしても新しい活動が思いつかずにマンネリ化してしまうことも多いですよね。
そこで今回は、簡単にできる様々なゲームについて紹介していきます!マネするのもよし、アレンジしてみるのもよし。
ぜひ参考にしてみてください。
デイサービスのゲームやレクの留意点
楽しいアクティビティで盛り上がると、ついつい我を忘れてしまって思わぬ事故につながってしまいます。
要介護状態となり心身機能が低下していたり、認知症状がある方であれば尚更ですよね。まずは安全に楽しむためのポイントについて考えてみましょう。
安全への配慮
せっかく楽しく盛り上がる活動ができても、怪我をしてしまっては何の意味もなくなってしまいます。
利用者の中に必ず職員を配置し、安全確保ができるよう守備範囲を意識した配置を行いましょう。
守備範囲にとらわれず、職員同士が声を掛け合ってカバーする姿勢も忘れてはなりません。
職員の人数が少なく、安全確保に不安があるようであれば無理して大規模なレクは行わず、内容を変更するのも大切なポイントです。
参加する利用者ひとりひとりの身体機能を確認しておきましょう。レクを提供する職員がしっかりそのルールを理解したうえで危険予測を行い、安全確保を図ることが大切です。
利用者間でのトラブル
ついついアツくなってしまう方、負けず嫌いの方、すぐ諦めてしまう方、認知症によりルールの理解が難しい方など人によって様々です。
このように複数の利用者が入り乱れて行う活動であれば、利用者間のトラブルも考えられます。
ルールの理解が困難な方がいれば職員が脇について一緒に行う、負けず嫌いの方やアツくなってしまう方がいれば職員がなだめる、すぐ諦めて抜けてしまいそうな方がいれば励ましたり盛り上げたりして気分をのせてあげるなど、気持ちをサポートしていく体制も重要です。
デイサービスで出来るゲームやレク
では、車椅子の方でも参加できる活動にはどのようなものがあるのでしょうか?
身近にあるものを活用したものから定番モノ、ちょっと変わったものまで紹介していきます。
輪投げ大会
いわずと知れた輪投げです。
実は、「日本輪投げ協会」というものもあり、公式ルールが定められていることをご存知でしょうか。
使用する輪のサイズや的、投擲距離まで全てルール化されていて、定期的に大会も開かれています。
各地で差はあるでしょうが、私が居住している県では、年に一度高齢者施設入所者が一堂に会して開かれる大会もあるんですよ。
その大会で優勝目指して日々練習すれば、意欲も出ますよね!
日本輪投げ協会HP
これは何?目隠し物あてゲーム
用意する物
手ぬぐい又はタオル
その他身の周りにあるものなら何でも
その名の通り、参加者から目隠しをしてもらって、対象物を触ってもらい何かを当てるゲームです。
チーム分けをして、仲間がヒントを出しながら当てるというのもコミュニケーションが深まって面白そうですね。
始めは簡単な物から、次第に難しくしていくと飽きずにできるでしょう。
なお、認知症の方に目隠しをするときは、しっかり説明して不安感や不穏な気持ちを与えないように注意しましょう。
そのときは後ろから目隠しをするのではなく、本人の正面に立って目隠しをするのがいいですね。
モグラたたきゲーム
用意する物
穴をあけた段ボール
ピコピコハンマー
モグラのぬいぐるみ(他の物で代用可)
テーブルもしくは椅子2脚使用し、そこに橋渡しをするように穴の開いた段ボールを設置します。参加者からハンマーを持ってもらい、ヨーイドンで職員が下からランダムにぬいぐるみを出して叩いてもらうゲームです。
例えば制限時間内に何回叩けるかを競ったり、既定の回数を叩くまでのタイムアタック等が定番です。
ぬいぐるみを2個用意して、2人で協力プレイ!なんていうのも盛り上がりそうですよね。
さらには、穴を大きくしてヘルメットをかぶった職員がモグラになるのも笑いを誘いそうです。
魚釣りゲーム
用意する物
釣竿(棒状の物に紐を垂らし、紐の先に磁石をつける。釣り針を模してS字フックを付けるのも可)
魚(釣竿が磁石ならクリップ、S字フックなら輪っかを付ける)
これも定番ですね。
利用者さんの器用さに合わせて、磁石ならクリップの量を調整したり、S字フックなら輪っかの大きさを変えたりして難易度を調節するといいでしょう。
魚の大きさによっても難しさが変わってきますので、点数をつけて競うのも面白いです。
アレンジするなら、やはり魚のオブジェクトを別の物に変えると良いですね。
この材料を作るのも、皆でワイワイやればそれだけでも一つのレクリエーションになりますね。
テーブル風船サッカー
用意する物
風船
うちわ
2チームに分かれてテーブルの両側に分かれ、試合開始の合図とともにうちわで風船をあおぎます。
相手チームの陣地に落としたら得点!時間内に多く得点できたチームが勝利です。
例えば〇点先取した方が勝ちというルールにしたり、参加者のADLに合わせて人数を加減したり、あおぐものをうちわから雑誌や新聞紙などに変えると変化が出て面白いと思います。
うちわで洗濯バサミすくい
用意する物
洗濯バサミ
洗濯バサミ入れ(大き目の箱でもよい)
うちわ
複数のチームに分かれ、テーブルの上に広げた洗濯ばさみをうちわですくい、所定の入れ物に全て入れる早さを競います。
後でから「あそこのチーム少なくない?」等ともめごとにならないよう、洗濯バサミの数の数は同じになっているか試合開始前にしっかり確認しましょう。
これもうちわを他の物に変えると難易度が変わるので面白くなります。
牛乳パックで積み上げゲーム
用意する物
乾燥させた牛乳パックを横に倒した状態で輪切りにしたもの
これは、今風にいうとジェンガのような遊びです。
参加者が一人ずつ順番に上に重ねていって、崩した方が負けというゲームです。
牛乳パックを輪切りにする時に、わざと斜めにしたりギザギザに切ったりして変化を持たせると難易度の調整ができます。一人ずつ積み上げていって時間内に一番高い人が勝ち!というルールでも楽しめますね。
勝ってくださいじゃんけん
用意する物 特になし
その名の通り、職員が前に立ってじゃんけんの手を出し、利用者さんから勝てる手を出してもらうゲームです。
これが意外と難しいんですよね…。
回数を重ねる度にスピードを速くしたり、途中から「負けてください」「あいこにしてください」等突然ルールを変えながらやるとさらに面白くなります。
周囲の職員が協力し、審判として可否の判定をしてください。
このゲームは、道具を必要としないところがいいですね。脳のトレーニングにもなりますので、なかなかレクリエーションに参加してくれない方がいても「認知症予防になりますよ!」などと声掛けを工夫すれば来てくれるのではないでしょうか。
落ち葉かきゲーム
用意する物
新聞紙
段ボール
2チームに分かれ、段ボールをついたてにし、陣地を作ります。
次にそれぞれの陣地に同数の新聞紙(落ち葉に見立てている)を拡げます。
ゲーム開始と同時に、自分の陣地にある新聞紙を相手の陣地に丸めて投げ、早く投げ終わった方のチームが勝利です。
相手陣地から飛んできた丸まっている新聞紙はそのままで、とにかく広がっている新聞紙を丸めて早く投げ入れましょう。
ついたてによって相手の陣地の様子が分からないので、ドキドキですね!
ジェスチャーゲーム
用意する物
紙×2
箱×2
事前に、様々なバリエーションの「〇〇しているところ」と書いた紙を用意し、見えないように折って箱に入れておきます。
ゲーム開始前に、相手チームと箱を交換します。
職員が紙を引き、書かれている内容のジェスチャーを行って参加者から当ててもらい、当たったら次の紙を引きます。
こうして先に箱の中身を空にしたチームの勝利です。
職員も一緒にゲームに参加して楽しめますね。また、この事前準備の段階を利用者さんと一緒にワイワイやることでひとつのアクティビティにもなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
定番から少し変わった物まで紹介しましたが、実際に行う際は利用者さんの数や心身の状況によって色々アレンジを加えてみると違った面白さが出ると思います。
アクティビティの時間を成功させるポイントは、利用者さんを楽しませようとすることよりも、利用者さんと一緒に楽しむという姿勢だと考えています。
職員が嫌々やっていたり、緊張して表情がこわばってしまうと利用者さんに気持ちが伝染してしまいます。
また、一人の職員が責任を負うのではなく、複数の職員で関わって一緒に盛り上げるという体制が重要です。