デイサービスで簡単に出来る頭の体操10選!
皆さんは、普段デイサービスでどのようなアクティビティ活動を提供していますか?体を動かす活動や外出行事、カラオケなどがメインになっているのではないでしょうか。
これらと同様によく行われているのが、いわゆる「脳トレ」と呼ばれる頭の体操を用いた活動です。
今回は、様々な効果があると言われているこの脳トレについて、簡単に出来て利用者さんたちからも大変喜ばれるものをご紹介していきたいと思います。
頭の体操のメリット
実は、アクティビティ活動の中でも脳のトレーニングには様々なメリットがあります。
それら一つ一つが、高齢者の生活の質を高め、それにより心身の健康を保つのに有効と言われています。
認知症予防
普段行わないクイズや計算問題、ゲームを通じた活動を行うことにより脳への血流が活性化され、脳細胞の活動が活発になり、認知症の予防や進行抑制につながるということは様々な研究により明らかにされています。
川島隆太先生による脳トレ計算ドリルが大流行したのは記憶に新しいですよね。
引きこもり予防
歳を重ねて心身の機能低下や認知症状の進行などがあると、どうしても引きこもりがちになってしまいます。
このような状態になると、更なる認知症状の進行や増悪、身体機能の低下、安否確認ができない等の弊害が発生します。
そんな時に、デイサービスに通って脳トレを受けることが日課になれば、他者との交流の機会が増え、それ自体が脳トレにもなります。
更には定期的に介護職員や看護師の目に触れることによって安否確認や健康状態の変化にも気づきやすくなるのです。
心身機能の維持向上
このように定期的な外出や脳トレによって身体や頭を動かす機会が増えると、それだけで生活不活発になるのを防ぐことができ、これが心身機能の維持向上にもつながります。
また、デイサービスに通うということは脳トレ以外にも運動機能訓練や入浴、栄養バランスの整った食事の提供を受けることにもなります。
脳トレを動機として一連の介護サービスを受けることにより、心身機能の維持向上を図ることができるのです。
生活の質の向上
心身機能の維持向上や、他者との交流が増えるということは、社会参加への機会が増えるということです。
そうなると、「今度はあれがしたい」「思い出のあの場所に行ってみたい」などとやりたいことがどんどん増えていきます。
これにより生活全般の意欲も向上していき、つまりは生活の質を向上させるという効果をもたらします。
介護者の負担軽減
脳トレを行うことにより、総合的に心身機能が維持向上し、生活意欲も高まり、生活の質が向上する。
つまり、心身共に健康な状態を取り戻すことにつながるということです。
そうなると、当然ながら介護を必要とする部分が減ったり、身体介護が楽になったりします。
最終的には、介護を行う者の負担を軽減することにもつながるのです。
頭の体操をする上での注意点
こんなに様々なメリットがある脳のトレーニングですが、実施する上での注意点がいくつかあります。
苦手と感じることは無理強いしない
正解を求めない
この2点です。
せっかくポジティブな気持ちで脳のトレーニングに向かおうとしても、嫌なこと苦手な内容もあるでしょう。
無理に参加を促してしまうと、意欲の低下にもつながり効果が薄れてしまいます。楽しく活動できると感じてもらえることが大切です。
また、脳トレでよく行われる計算ドリルや漢字ドリル、音読などですが、これらは正解することが目的ではありません。
脳を働かせて考え、思い起こしながら手を動かして文字を書く。
こうすることによって脳を活性化させることが目的です。そのプロセスが大切と言えるでしょう。
デイサービスで出来る体操
間違い探しクイズ
3つの選択肢から、ひとつだけ間違いを探して答えるクイズです。
個人にかけての回答は、不正解だとみんなの前で恥をかいてしまい、嫌だと感じる方もいるでしょう。
その際はグループ戦にするか問題用紙を作成して各々回答してもらい、答え合わせをするという方法もあります。
10問程度を作成し、少しずつ難しくしていくのがポイントです。
問題例1
エンピツ、ボールペン、定規
問題例2
テレビ、掃除機、時計
クロスワードクイズ
二種類の単語の穴に入る同じ文字を答えるクイズです。
小グループを作って、チーム戦でいくと盛り上がるでしょう。
問題例1
カ
パ▢ダ
ガ
ル
|
問題例2
てんぷ▢
▢
す
問題例3
さつ▢いも
ん
▢
しりとり問題
3つの言葉の真ん中が何かを当てるゲームです。
参加者が難易度高いと感じている場合は、職員が間に入ってヒントを与えるなどしましょう。
問題例のように、正解となる単語の一部だけを穴あきにしてもよいですし、全て空欄にしてもよいでしょう。
問題作成時に想定しない答えが出るかもしれませんね!
問題例1
りんご → 〇り〇 → ラッパ
問題例2
歯ブラシ → 〇ら〇 → こま
指折り体操
両方の手を開いた状態から、右の小指だけを折った状態でスタートします。
音楽のリズムに合わせて、一本ずつ指を折っていき手がグーの状態になったら今度は折り返す一本ずつ開いていきます。
いつの間にか同じ動きになったり、ゴチャゴチャになったりしてしまう人もいるでしょう。
音楽は特に何でもよいのですが、難易度を変えるためにテンポの速さによって3曲ぐらい選定しておくと面白いと思います。
なぞなぞ
定番ですね。老若男女問わず楽しめるゲームです。
なぞなぞはインターネットで検索したり、本を探すなりするといくらでも出てきます。
高齢者の方に馴染みのない問題や回答は避けてくださいね。
時間経過ごとに合わせてヒントを用意しておくと、回答しやすいし盛り上がりますね。
絵しりとり
絵が書かれたカードを用意し、その絵をしりとりの順番で並べるゲームです。
難易度は5~10枚程度で調整します。初めはスタートとゴールは予め提示しておくとスムーズにできるかもしれません。
絵を書くのが大変な場合は、インターネットなどで単語を画像検索すると簡単に出てきます。
フリー素材を活用するとよいでしょう。
「この絵は何を表しているか」を声に出して言うだけでも脳トレになります。
問題例
鹿→亀→目玉焼き→汽車→シャワー→ワニ→…などなど
2文字しりとり
普通のしりとりは最後の1文字のみを参照して次の言葉を考えますが、このしりとりはその名の通り単語の最後2文字を使って次の言葉を考えるゲームです。
ゲーム中に、ついつい慣れ親しんだ普通の1文字しりとりで答えてしまう場合もあるかもしれません。
その際は周囲の人から指摘されて恥ずかしい思いをすることがないように職員がフォローすることを忘れないでくださいね。
いろんなものパズル
カレンダーの絵や本の表紙やイラストなど、なんでもOKです。
元になる絵をいったんコピーし、それをハサミで細かく切ってピースにします。
よーいドンでゲーム開始し、先に完成させた方が勝ち!難易度はピースを作る数で調整しましょう。
初めは10~15ピースがやり易いでしょう。
コピー代をケチって白黒印刷にすると格段に難易度が上がってしまい飽きられるリスクがありますので注意してくださいね。
手旗信号
これも定番ですね。
赤と白の旗(もしくはタオルでも可。持てない方は手に結んであげましょう)を用意し、「赤上げて、白上げて・・・」等と行うゲームです。
初めはゆっくり、徐々にスピードを上げていきましょう。
間違っても気にしない雰囲気作りがポイントですね。
慣れてきたら、これ以外のイレギュラーな指示(「右足あげて」などを突然挟み込む)も時々織り交ぜると皆さん集中してくれると思います。
いつどこで誰がどうしたゲーム
皆さんも一度はやったことがあるのではないでしょうか。
チーム分けをし、それぞれが「いつ」担当、「どこで」担当、「誰が」担当、「どうした」担当に分かれます。そこで作られた文章を発表し合い、よりどちらが面白い文章になったかを審判担当の方から判定してもらいましょう。
このとき、誰がの部分で利用者さんの名前は使わないようにルールを決めましょう。
利用者さんの個人名が入ってしまうと、最終的に文章になったときに本人が傷つくような内容になってしまうことも考えられるからです。
まとめ
アクティビティ活動を行うのは当たり前。業務分担表に書いてあるからやむを得ず、嫌々やっている。
ニガテ。
そんな言葉をよく聞きます。
しかし、そのメリットや必要性について理解し活動を提供することにより、その効果は格段に向上します。
それによって効果が表れ、労いや次回への期待などの声をかけてもらうと、頑張って考えたかいもありますよね。
モチベーションも上がるというものです。
ぜひ、皆さんも能動的に取り組んでみてください。
成果は必ず、利用者の笑顔となって表れてくるはずです。