デイサービスは介護が必要な方が日帰りで施設に通うサービスで、家族の方が介護から離れられる時間ができ、家族の介護負担を軽減することができます。
介護が必要な状態になると、まずはデイサービスへ通うことを考えるというほど、在宅介護の要となるサービスです。
このデイサービスについて料金や利用時間も含めて詳しく解説します。
まずはおさえよう!デイサービスの基本
デイサービスは通所介護と呼ばれているサービスで、介護保険制度における在宅サービスの中の一つです。
利用者がデイサービスの施設に日帰りで通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、レクリエーション、機能訓練などを受けられるサービスです。
自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担減などを目的としています。
その① 誰が利用できるの?
デイサービスの対象者は要介護1〜5の要介護認定を受けている方です。
病気や怪我により寝たきりや身体が不自由になった高齢者の方、認知症の高齢者の方、また16種類の特定疾病により要介護状態となった40〜64歳の方など、さまざまな方が対象となります。
要支援1〜2の方は地域支援事業に含まれる「日常生活支援総合事業」の対象者として指定を受けたデイサービスを週1〜2回程度利用することができます。
その② どんなことをするの?
これは一般的なデイサービスでの一日の流れの例です。
9:00 自宅から送迎車でデイサービスに到着
9:30 看護師による健康チェック
10:00 個別の機能訓練やマッサージ
11:00 入浴、集団レクリエーション
12:00 昼食
13:30 個別レクリエーション(手芸、塗り絵、書道、絵手紙、囲碁、麻雀など様々)
15:00 おやつ
15:30 簡単な体操
16:00 送迎車で自宅に到着
デイサービスには看護師が在籍しており、体温、血圧、脈拍などの健康チェックを受けることができます。
デイサービスでは、食事や入浴などの他、リハビリやレクリーションなどを行って過ごします。デイサービスによっては、リハビリ特化型など、リハビリ専門職が在籍しており、リハビリを積極的に行っているところもあります。
上記の基本的な流れ以外にも、花見や買い物など、外出のレクリエーションや、夏祭りなど、季節のイベントを行っているデイサービスも多いです。
その③ 料金はいくらぐらい?
デイサービスは利用時間や事業所の規模によって料金が設定されています。
以下の料金表は通常規模(1ヶ月の平均利用延べ人数301人以上750人以内)の事業所で、一般的な利用時間である7時間以上8時間未満の利用をした場合の目安です。
要介護度 | 利用者負担(1回につき) |
---|---|
要介護1 | 645円 |
要介護2 | 761円 |
要介護3 | 883円 |
要介護4 | 1003円 |
要介護5 | 1124円 |
※介護保険の負担割合が1割の人の場合です。
※日常生活費(食費・おやつ代)は別途負担する必要があります。
詳しい料金については、各事業所のホームページやパンフレットを確認してみるか、またはケアマネージャーに相談し、料金の目安を確認してみましょう。
デイサービスの利用の方法
デイサービスを利用する際の一般的な流れです。
①担当のケアマネージャーに相談する
すでに介護保険を利用していて担当のケアマネージャーがいる場合はその人に「デイサービスを利用したい」ということを相談しましょう。
利用者の希望を聞いて、その希望に沿う事業所をいくつか候補として探してくれます。受け入れが可能かなどもケアマネージャーが問い合わせてくれます。
介護保険を利用していない場合は、まず介護認定を受けて担当のケアマネージャーに付いてもらう必要があります。
市町村の介護保険の窓口へ問い合わせてみましょう。
②いくつか候補をしぼる
ケアマネージャーが提案してくれた事業所の中で、本人や家族が気になる事業所がある場合は、ケアマネージャーと話をし、候補をしぼりましょう。
最近では自身のホームページを持っている事業所も多くあり、インターネット上にも情報がたくさんあります。
事業所ごとに雰囲気や特色、サービス内容なども違います。
最適な事業所を探すためには、ご自身で調べてみることも大切です。
③見学や体験する
気になる事業所を実際に見学してみましょう。
ご自身の目で見て、直接話を聞き、雰囲気を感じることは大切です。
見学をせずに事業所を決めてしまうと、後から思っていた雰囲気と違ったということもあります。
体験利用ができるところもあります。
また、曜日によって通う人が違うと雰囲気が変わることが多いです。
見学・体験をする際には、ご利用を予定している曜日に見学へ行くことをお勧めします。
④ケアプランの作成、サービス担当者会議の開催
見学や体験を行い、最終的にご利用の意思が固まると、ケアマネージャーがご利用の内容や目標などを記入したケアプランを作成します。
また、介護サービスに関わる関係者が集い、ケアプランをもとに利用者の情報を共有するためのサービス担当者会議が開かれます。
⑤デイサービス事業所と契約をする
初回のサービス担当者会議後に、デイサービス事業所との利用契約へと進みます。
デイサービスのメリット・デメリット
デイサービスを利用するメリットとして、家族の介護負担が軽減でき、より円満な家庭状況を作ることができるということです。
また、デイサービスでは機能訓練も含めて様々な取り組みを行っており、新たな趣味や生きがいを発見することができます。
しかし、デイサービスの利用にはデメリットもあります。
介護保険が適用されるとはいえ、利用者の費用負担が発生することです。
介護度が高くなればなるほど、それに見合った費用負担が必要です。
また、集団での活動になるため、人間関係によるストレスなど、利用者の方にとって精神的な負担となる場合もあります。
自分に合ったデイサービスの選び方
デイサービスのデメリットでもある、利用者の方の精神的な負担とならないためには、できるだけ自分に合ったデイサービスを選ぶ必要があります。
以下にデイサービス選びのチェックポイントについてまとめました。
その① 送迎時間
自宅からデイサービスまでの送迎ルートや、送迎の時間などを確認しておきましょう。
あまりにも自宅から遠いデイサービスだと、送迎時間がかかり過ぎて負担になる場合もあります。
また、送迎方法についても、運転手のみなのか職員が一緒に乗ってくれるのかなども大切です。
その② 職員の対応や施設の雰囲気
職員の対応や施設の雰囲気は実際にその場へ行ってみないとわかりません。
実際にデイサービスの見学へ行った際に、職員の表情や態度、言葉遣いが穏やかで好感が持てるかを確認しましょう。
実際に通う曜日に見学をして、利用者の層や雰囲気を確認しておくことも大切です。
また、管理者は介護・医療の知識が豊富で安心して利用することができるかも確認しましょう。
その③ 一日の流れ
基本的な一日の流れについては前述しましたが、最近のデイサービスはそれぞれに特徴があり、多様化しています。
機能訓練に力を入れている事業所もあり、リハビリの専門職の個別プログラムやマシンを使ったプログラムを行っているデイサービスもあります。
事業所のプログラムの内容が本人の希望に沿っているか確認しましょう。
その④ 食事
食事は利用者の方の楽しみの一つでもあります。
体験利用の際に食事も食べることができるため、味付けや盛り付けなどが本人の好みのものであるか確認しましょう。
食事制限(糖尿病・腎臓病・高血圧・食物アレルギー等)や嚥下食に対応しているかの確認も重要です。
また、事業所によっては口腔機能向上・栄養改善サービスを行っているところもあります。
必要性がある場合は確認が必要です。
その⑤ レクリエーション活動
最近のデイサービスはレクリエーション活動が多様です。
そのデイサービスに通う利用者の層により好まれるレクリエーションも変わるため、体験利用の際にレクリエーション活動について、その雰囲気を確認しておくと良いです。
外出のレクリエーションに力を入れているデイサービスもあり、買い物や花見などがあります。
まとめ
この記事ではデイサービスについて詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。
- デイサービス(通所介護)とは、利用者がデイサービスの施設に日帰りで通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、レクリエーション、機能訓練などを受けられる在宅サービスです。
- デイサービスの対象者は要介護1〜5の要介護認定を受けている方で、料金は利用時間や事業所の規模によって設定されています。
- デイサービスを利用するには、まず担当のケアマネージャーに相談し、候補を絞って見学・体験をします。ケアプランを作成し、サービス担当者会議を開催し、事業所と契約をすることで利用できるようになります。
- デイサービスを選ぶ際には、職員の対応や施設の雰囲気、食事やレクリエーション活動などが本人の希望に合っているかを確認する必要があります。
デイサービスは、自宅に引きこもりがちな高齢者の方にとって、通うことを楽しみにされるようになり、生活にハリが生まれます。
また、介護する家族の方も一時自由な時間ができ、介護から離れることができ、気分転換ができるため、介護負担が軽減します。
デイサービスは在宅介護の要とも言えるとても重要なサービスであるため、上手に活用していくと良いでしょう。