この記事では介護保険サービスの1つである福祉用具貸与においてレンタルすることができるエアマットについて解説しています。
介護保険において多くの高齢者が利用している介護保険サービスの1つに福祉用具貸与というものがあります。
この福祉用具貸与は高齢者の方が住み慣れた自宅においてできる限り自立した生活を送ることができるようにするためのものであり、普段介護を行っている家族の介護による負担を軽減するという役割も持ち合わせています。
この福祉用具貸与では13種目の福祉用具を介護保険を利用してレンタルすることが可能になっており、その中の1つにエアマットというものがあるのですが、皆さんはこのエアマットとは一体どのようなものなのかご存知でしょうか?
ここでは介護保険サービスの1つである福祉用具貸与においてレンタルすることができるエアマットについて解説していきますので、興味のある方は是非この記事をご覧ください。
そもそもエアマットってなに?
そもそも皆さんはエアマットとは何なのかご存知でしょうか?長時間同じ体勢で寝ていると寝具にあたっている部分が圧迫されることによって床ずれ(褥瘡)が生じることがあります。
エアマットとは、この床ずれを防ぐことを目的とした特殊なマットレスのことで、「体圧分散式」「体圧切替型」という2つのタイプがあります。
「圧力切替型」は、マットの中にある複数の空気パッドを膨張・収縮させることによって利用者の身体の支持面を変化させて体圧を分散することができるエアマットです。自分自身の力で寝返りを打つことができない方や長時間ベッドの上で過ごすという方に適したタイプとなっています。
「体圧分散式」は、利用者の身体をより広い面で支えることによって体圧を分散することができるエアマットです。
長時間ベッドの上で過ごすが自分自身の力で寝返りをうったり、起き上がったりすることができる方に適したタイプとなっています。
その① 最大の特徴は床ずれ予防
上記でも触れたようにエアマットの最大の特徴は床ずれを防止するというところにあります。
長時間ベッドの上で過ごしていると同じ箇所に圧力がかかり続けるため床ずれが生じてしまうことがありますが、エアマットを使用することによって体圧を分散することが可能になりますので、この床ずれを防ぐことが可能になります。
その② 空気が動いて体位変換
エアマットの更なる特徴としてあげられるのが、空気が移動することによる体位変換が可能であるということです。
特に圧力切替型は内蔵されている空気パットを膨張・収縮させることによって体圧を分散することができますので、エアマットを使用することによって床ずれ防止に効果のある体位変換を行う頻度を下げることができるので介護を行っている家族の介護による負担を軽減することができます。
ただ、圧力切替型のエアマットはマットレスの他にエアポンプを設置する必要がありますので、設置場所をあらかじめ確保しておく必要があります。
買うといくら?レンタルならこんなに安い!
先程の項目ではエアマットについていろいろと解説しましたが、実際に利用するとなるとどのくらいの費用がかかってくるのでしょうか?
その① 金額は性能や大きさで変わる
エアマットといった床ずれを防止用具は福祉用具を取り扱っている店やネット通販などで購入することが可能になっています。
ただ、エアマットの金額は性能や大きさなどによって異なってきますので、購入される場合にはできるだけ実店舗において実物を見て機能やサイズ感などを確認するようにしましょう。
その② レンタルなら月〇〇円!
要介護認定において「要介護2~5」と認定されている方については介護保険を利用してレンタルすることが可能になっています。
購入する際には基本的に全額自己負担となりますが、介護保険を利用することによって費用の1割(所得に応じて2~3割)の自己負担で利用することができるようになっており、1割負担の場合には800円~1,000円程度の自己負担でレンタルすることができます。
適切なエアマットの選び方
エアマットは体圧を分散させることによって床ずれを予防することができますが、体位変換は頻度が少なくなるものの行わなければならないものとなっていますので、エアマットを選ぶ際には以下のような点を踏まえた選択をする必要があります。
① 沈み込みすぎないか
エアマットには厚みがありますが、厚みがありすぎるものは利用者の身体がマットに沈み込みすぎてしまい、身体の一部に圧力がかかりすぎてしまうので、マットの厚みについてはしっかりとした検討を行ってください。
② 押し返す力
エアマットは空気を使った床ずれ防止用具ですので、空気の量が多すぎると利用者の身体が沈み込まずに押し返されるので、床ずれを予防するどころか床ずれを生じさせてしまう可能性が高まります。
このため、マットを選択する際には押し返す力を調節することができるものを選択するといいでしょう。
③ 底づきしないか
エアマットに寝た際に身体の一部が底付きしてしまうと体圧分散をすることができませんので、圧力を分散させる力が強いものを選択して底づきをしないようにしなければなりません。
床ずれ予防は『エアマット+α』で!
ここまでエアマットについていろいろと解説してきました。
エアマット自体にも床ずれを予防する効果を期待することができますが、エアマットの他に床ずれを予防するものを利用することによって更なる効果を期待することができます。
三角クッションもレンタルの対象
「エアマット+α」で床ずれ予防の効果を期待することができるのが三角クッション等の体位変換器です。
体位変換器とは、寝たきりの高齢者の身体の下に差し込むことによってテコの原理により少ない力でも身体を動かすことができる福祉用具です。
自分自身で思うように動くことができなくなった高齢者の介護を行うことは同居する家族にとって大きな負担となりますが、体位変換器を利用することによって姿勢の変換が容易になりますので床ずれの防止に大きな効果が期待できます。
この体位変換器も福祉用具貸与の対象種目の1つであり、要介護認定において「要介護2~5」判定された方は介護保険を利用することによって1割(所得に応じて2~3割)の自己負担でレンタルすることが可能になっています。
ただ、レンタルの対象となるのは要介護者の体位を容易に変換する機能を持っている者に限り、要介護者の姿勢を保持するだけが目的のものについては介護保険を利用してレンタルすることはできませんので注意してください。
まとめ
ここまで介護保険サービスの1つである福祉用具貸与においてレンタルすることができるエアマットについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
解説してきたように、エアマットを利用することによってベッドの上で長時間生活する高齢者の方の床ずれを予防することができます。
床ずれの予防は寝たきりの高齢者にとって必要不可欠となっており、エアマットを選択する際にはベッドの厚みや反発力等についてしっかりと検討しなければなりません。
また、エアマットを利用していても床ずれ予防の体位変換は行わなければなりませんが、エアマットと並行して体位変換器を利用することによって体位変換が容易になりますので、介護を行っている家族の負担を軽減することが可能になりますので是非利用してみてください。