この記事では認知症の家族を介護している方に是非使っていただきたいGPSを利用した位置情報提供サービスについて解説しています。
現在、在宅で高齢者の介護を行っている方は増えてきていますが、特に大変なのが認知症の高齢者の介護です。
認知症患者というのは時間や場所等の見当が付かなくなりますので、自宅にいるにもかかわらず「自宅に帰らなければいけない」といって外出したり、仕事をしていないのに「仕事に行かなければならない」といって外出をしたりしてしまいます。
そして、外出した後に何のために外出するのかを忘れてしまい、目的もなく徘徊してしまうことが多々あります。
このような徘徊は在宅にて介護を行っている家族にとっては非常に重要な問題であり、最近のニュースなどでは徘徊していた高齢者が線路内に侵入して電車にひかれたという報道もあったように命に関わってくることになります。
このような高齢者を介護している方は何らかの対策をしなければならないと考えていると思いますが、このような方に知ってもらいたいのがGPSを利用した位置情報提供サービスです。
ここでは認知症の家族を介護している方に是非使っていただきたいGPSを利用した位置情報提供サービスについて解説していきますので、認知症の高齢者を介護されている方や認知訴訟の家族の徘徊に困っている方などは是非ご覧ください。
GPSを利用した『位置情報提供サービス』とは
GPSを利用した位置情報提供サービスとは、徘徊の危険性のある高齢者に専用の端末を身につけてもらい、それらに搭載されているGPSにおいて高齢者の現在地を検索して家族にその情報を提供するというサービスです。
記事の冒頭でも触れましたが、徘徊というのは認知症の高齢者に多い症状であり、目的もなく歩き回ってしまうため、在宅介護を行っている方からすると命に関わってくることですので非常に難しい問題となっていますが、この位置情報提供サービスを利用することによって徘徊による危険を軽減することができます。
その① GPSについて
位置情報提供サービスにおいて使用されるGPSは、基本的に高齢者がいつも履いている靴に仕込んだりすることによって高齢者に身につけさせ、そのGPSから電波を受信することによって高齢者の居場所をキャッチします。
自治体によっては自身器を地域の商店等に設置して移動経路を特定することができるようなシステムの導入を目指しているところもあります。
なお、介護保険サービスの1つである福祉用具貸与には「認知症老人徘徊感知器」というものがありますが、GPSやビーコンを利用した発信器型については介護保険の対象とはなりません。
介護保険の対象となるのは、玄関や通路等に赤外線センサーを設置することによって徘徊する高齢者の動きをキャッチすることができる「人感センサー型」と、ベッド脇や玄関等にあるマットの下に重量センサーを設置しておき、人の動きを感知することができるようにする「マットレスタイプ」の2つとなっています。
その② 有効的な対象者
介護保険によって利用することができる「認知症老人徘徊感知器」を利用することができるのは要介護認定において「要介護2~5」と判定された方のみとなっていますが、位置情報提供サービスの対象者は認知症による徘徊行動が見られる65歳以上の高齢者と同居している家族となっています。
なお、一人暮らしや介護保険施設・有料老人ホーム・グループホームに入居している方は対象外となりますので注意してください。
1-3. その③ 『位置情報提供サービス』の使い方
GPSを利用した位置情報提供サービスの使い方は以下のようになります。
① GPSを身につけさせる
サービスを利用するためには徘徊の可能性がある高齢者にGPSを身につけてもらう必要がありますので、靴やお守り等に入れて携帯してもらいます。
② 高齢者の検索依頼
GPSを携帯している高齢者の浮く絵が分からなくなったらサービスセンターに連絡して創作を依頼します。
サービスセンターは24時間365日検索依頼を受け付けていますので、いつでも連絡することができます。
③ 現在地の確認
家族から連絡を受けたサービスセンターはGPSによって利用者の現在位置を特定します。
なお、サービスによってはスマートフォン、タブレット、パソコン、フューチャーフォン等のデバイスから専用サイトにアクセスすることによって高齢者の位置情報を取得することができるものもあります。
④ 情報の提供
家族からの依頼に基づいて現在地の確認を行ったセンターは、高齢者の位置情報を家族に電話によって連絡します。
⑤ 探索・保護
家族はセンターから知らされた現在地の情報を基にして利用者の探索を行い、保護します。
『位置情報提供サービス』の特徴
徘徊の恐れのある高齢者を介護している方にとって大きな意味のある位置情報提供サービスですが、以下のような特徴があります。
[徘徊する高齢者の早期発見]
GPSを利用することによって徘徊する高齢者を早期に発見することができるため、高齢者のみに危険が及ぶ前に保護することが可能になっています。
サービスセンターへの連絡やスマートフォン等のデバイスによって専用サイトにアクセスすることによって速やかに高齢者の位置情報を確認することができますので、すぐ保護に向かうことができます。
[かなり正確な位置を知ることができる]
GPSを利用していますので、無線式の捜索装置とは違って徘徊している高齢者の位置情報をかなり正確に知ることができます。
『位置情報提供サービス』の料金
この位置情報提供サービスを利用する際にかかってくる料金ですが、一般歴名企業が提供しているものですと初期費用に5,000円、GPSのレンタル台で1ヶ月2,000円程度かかります。
ただ、自治体によっては位置情報提供サービスを1ヶ月500円程度で利用することができるところや、加入料金・基本料金・付属品にかかる費用を負担してくれるところもあります。
ただ、いずれにしても高齢者の位置検索にかかる費用、現場に急行するための費用、端末機器等を紛失・破損した場合の費用は全額実費となりますので注意してください。
また、自治体からの助成を受けるためには自治体の担当窓口又は地域包括支援センターによる申し込みが必要になってきますので、申請書の作成等について担当のケアマネージャー又は地域包括支援センターに相談するようにしてください。
まとめ
ここまで認知症の家族を介護している方に是非使っていただきたいGPSを利用した位置情報提供サービスについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
解説してきたように、GPSを利用した位置情報提供サービスは認知症によって徘徊の恐れのある高齢者を介護している家族にとっては非常に強い味方となるサービスとなっています。
ただ、介護保険を利用することができる「人感センサー型」や「マットレスタイプ」の認知症老人徘徊感知器とは違い、GPSを利用した位置情報提供サービスは介護保険を利用することはできませんので注意してください。
また、自治体によっては位置情報提供サービスを利用する方に様々な助成を行っていますが、この助成を受けるためには別途申請を行わなければならず、位置情報提供サービスの申請書やサービスの登録申込書等の提出が必要になってきますので、利用を希望する際には担当のケアマネージャーや地域包括支援センターにおいて相談を行うようにしてください。