介護保険

シルバーカーも介護保険の福祉用具貸与?種類や選び方もご紹介!

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高齢者の方が買い物や散歩といった外出時によく使用しているもの。

それがシルバーカーです。

介護保険の福祉用具貸与には、「歩行器」と呼ばれる種類の用具があります。

シルバーカーって、歩行器のこと?…っていうことは、シルバーカーは介護保険のレンタルサービスで安く借りることができるの?

あんなに歩いて元気そうな人が要介護者ってこと??

今回は、そんな素朴な疑問に迫っていきたいと思います。

そもそもシルバーカーとは?

シルバーカーというと、皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか?

ベビーカーのような形で、荷物を入れるかごのようなものがものがあり、歩くのが不安な高齢者が押しながら歩行している。

そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

SG規格(製品安全協会)では、「自立歩行が可能な高齢者が、外出の際に歩行や品物の運搬及び休息に用いる車輪が四輪以上の歩行補助車」と定めています。確かに種類によっては、座って休憩できる機能がついているものもあります。

しかし、それはあくまで自立歩行可能な方が座って休憩することが目的に設計されているため、車椅子の代わりとして使用することには危険が伴うのです。

シルバーカーは福祉用具貸与の対象?自費購入?

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結論から申し上げると、シルバーカーは福祉用具貸与の対象ではありません。

介護保険法によって、対象となる歩行器を定義づけており、シルバーカーはその範疇に入らないのです。

詳しい違いは後ほど説明しますが、逆から言えば介護保険法上の「歩行器」に該当しない類似製品をシルバーカーとして呼び分けているとも言えますね。

介護保険法では確かにレンタル利用することができないシルバーカーですが、利用したいときは全額自己負担なのかと言われると、実はそうではありません。

自治体ごとに違いますが、条件を満たせば購入費用の一部を補助してくれる制度があるのです。要件が自身に当てはまるのを確認したら、自治体に相談しシルバーカーを購入。

申請書類に領収書を添付して提出すると補助分のお金が返ってくる仕組みが多いです。

そのため、購入を検討している場合は事前にお住いの福祉事務所などで確認してみるとよいでしょう。

シルバーカーの特徴

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シングルキャスターとダブルキャスター

シルバーカーの前輪は、車輪が四隅に各1個のシングルキャスターと2個ずつ車輪がついているダブルキャスターがあります。

シングルキャスターは重量が軽いのが特徴で、ダブルキャスターは踏切を渡るときなどに脱輪を防ぐことができるように設計されています。

ブレーキの形状

シルバーカーのハンドルには、一本の棒を横長に設置したバーハンドルタイプと両側に自転車のような形でついているグリップタイプがあります。

バーハンドルタイプは握力が低い方でも簡単に制動を掛けることができます。

それに対してグリップタイプは握力が必要ですが高い制動を得ることができます。

但し握力に左右差がある場合は回転してしまったり真っすぐ止まれなかったりする難点があります。

また、車で言うサイドブレーキにもブレーキレバーを下げるタイプの物や、脇に付いているレバーを操作するタイプ、足で操作するタイプがあります。

レバーや足で操作するタイプの物は操作する際にバランスを崩す可能性があります。

シルバーカーの利用方法

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シルバーカーは歩行を助けるだけでなく、外出時に買い物かごや椅子の代わりとしても利用されます。

椅子として一時的に使用する際は、安全のため確実に駐車ブレーキをかけたことを確認してから座るようにしましょう。

歩行器とは違い、歩くことに問題がない方が補助的に使用する設計になっています。

自身の下肢筋力で歩きながらシルバーカーを手で押して使用します。

歩行時に前傾しやすく前につんのめってしまうような状態になる方は特に危険なので使用しない方がよいでしょう。

設計上、転倒しそうになったバランスを支える機能はシルバーカーにはありません。

シルバーカー(歩行補助車)と歩行器(歩行車)の違い

シルバーカーの定義とは?

1人での自立歩行が可能な高齢者が、あくまで補助的に使用するものを指します。

そもそも介護保険の対象外ですので、法律上の定義はありません。

4輪以上の車輪が付き、荷台や座って休憩できる機能を有する器具のことを指しています。

歩行器なのかシルバーカーなのか、パッと見たときに正直見分けがつかない商品も存在しています。

「歩行器タイプのシルバーカー」と商品説明されていたりなんかすると、もう訳が分からなくなってしまいますね。

もっと明確に区別できるようにしてほしいと筆者も思います。

歩行器の定義とは?

介護保険の福祉用具貸与によって、歩行器はレンタルが可能です。

介護保険法では歩行器の定義を明確に定めています。

その定義にしたがって歩行器メーカーは、商品を開発しています。

そして認可を受けて介護保険対応の歩行器として世に送り出しているのです。

その定義は、以下の通りです。

歩行が困難な者の歩行機能を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造を有するものであって、次のいずれかに該当する者に限る。

  • 車輪を有するものにあっては、体の前及び左右を囲む把手等を有するもの。
  • 四脚を有する者にあっては、上肢で保持して移動させることが可能なもの。

ざっくり分かりやすく言うと、持ち手部分を握って歩行する体制になったときに立位時の重心と支持基底面が器具の内側に入るものを歩行器と定義しているのです。

シルバーカーの種類

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シルバーカーには様々な種類があります。使用する目的によって適するタイプが違いますので、確認しておきましょう。

コンパクトタイプ

小さく軽量で、持ち運びに便利なタイプです。

その分荷物かごは小さめです。また本体サイズも小さいので安定性は他に比べると多少劣ります。

ミドルタイプ

その名の通り、中ぐらいのサイズです。

大きすぎないので、安定性と荷物かごのサイズも中ぐらいです。

他の種類にも言えるのですが、中には座面がついていないものもあるので必要な方は注意して下さい。

ボックスタイプ

最も大柄なサイズなので、安定性が高く荷物カゴの大きさや座面サイズも余裕があります。

車輪が大きいものもあり、段差を乗り越えやすいです。

一度でたくさん買い物をしたり、よく休憩用に使用する方には最適でしょう。

大きい分、車で外出する際の持ち運びは付き添いの方にお願いすることになるでしょう。

ワゴンタイプ

大きさとしてはミドル~ボックスタイプのものが多く、座面の大きさや歩行時の安定性は高いです。

この種類のポイントは、荷物おきが布張りでなく、自転車のカゴのようにワイヤーや金網のようなもので作られている点です。

シルバーカーのようないかにもお年寄りが使っている感が比較的ありません。

また布張りでないので汚れやすいものも気兼ねなく荷物置きに入れることができます。

シルバーカーの選び方

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身体状態に合致しないシルバーカーを歩行器の代わりにとして選んでしまうと、転倒の危険があります。

屋外で使用する頻度が多いので、万が一バランスを崩してしまったときにとっさの手助けができないこともあるでしょう。

そのため、商品を選ぶ際は慎重に、お店の方のアドバイスを聞きながら選ぶとよいでしょう。

具体的には、

  • ハンドルの高さを自身の体に合わせて調整できるか
  • ブレーキ操作がしやすいか
  • 買い物に使用する際は、買い物カゴの大きさが適切か
  • 休憩する際の腰掛部分が座りやすくなっているか、安定するか

これらがチェックポイントとなるでしょう。

購入の際は、現在介護用品店だけでなく、スーパーマーケットやホームセンター、通信販売などでも購入することができます。

金額的にはホームセンターや通信販売が安いと思います。しかし、介護用品店以外には専門家がいないので、的確なアドバイスを得るのは難しいでしょう。

介護用品店の中でも、介護保険の福祉用具レンタル事業を行っている店舗で選ぶのがよいでしょう。

このような店舗には、必ず「福祉用具専門相談員」という専門知識をもったスタッフがいますので、安心してアドバイスを受けながら商品を選ぶことができます。

店員も本人の状態を確認したり、話を聞いたりしておすすめ商品を選定しますので、使用する本人と一緒に商品を選ぶことが重要です。

まとめ

介護保険利用時の訪問看護でできることをしっかり理解しよう!

繰り返しになりますが、シルバーカーが適するのは、要介護状態になる前の高齢者です。

設計上、体重を預けるような歩き方で使用するとひっくり返って転倒する危険性が高いので要注意です。

筆者は福祉用具専門相談員の業務を行っていた経験がありますが、シルバーカー=歩行器と誤解している方が非常に多かったです。

要介護認定を受けており、歩行に不安を感じているような方は迷わず介護保険対応の歩行器を選びましょう。

ただ、外出の機会が多いアクティブシニアの方や「手ぶらでも歩けるけど、何となく何もないのは不安」という方にとってはシルバーカーは非常に有用なものとなります。

自治体によっては購入補助制度を設けているところもありますので、購入前に確認するとよいでしょう。

介護保険対応の器具ではありませんが、福祉用具の専門店でも購入できます。

専門家にアドバイスをもらいながら商品選定をすることができるので、ぜひ購入は福祉用具専門店をお勧めします。

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