高齢者デイケアを利用したことがない方は、利用料金の体系や1か月間でどのくらいの料金になるかなど、利用に際してわからないことが多くあるでしょう。
今回は高齢者デイケアを利用した際に発生する、料金の内訳や1カ月間でどの程度の料金になるかを要支援、要介護度別に紹介していきます。
高齢者デイケアの料金の内訳
高齢者デイケアの料金には、「介護保険」からの一部負担があるものと、自己負担するものとの2種類が存在します。
介護保険から一部負担がある利用料金と、そうでない利用料金の違いって?
どのような形であれ高齢者デイケアを利用すれば、「介護保険」からの一部負担がある利用料金は発生します。
「介護保険」から一部負担がある利用料金は、高齢者デイケアを利用するときの「基本料金」という認識で問題ないでしょう。
一方、「介護保険」からの一部負担がない利用料金(以下、自己負担分)は、昼食であれば食べた分だけ、おむつ代であれば利用した枚数だけ、料金が発生します。
もちろん昼食を食べなかったり、おむつ等を使用しなければ自己負担分の料金は発生しません。
自己負担する利用料金については、高齢者デイケアを提供している事業所によって異なるため、今回は省略させていただきます。
高齢者デイケアの利用前には、昼食代などの自己負担分の利用料金について、担当ケアマネージャーや高齢者デイケアを提供している事業所に確認するとよいでしょう。
続いて、「介護保険」から一部負担がある利用料金について、詳しく解説していきます。
その① 時間で決まる基本となる料金
「介護保険」から一部負担がある利用料金は、利用した時間によって発生する「基本となる料金」と、職員などの人員配置などによって発生する「各種加算」にわけられます。
まず時間で決まる「基本となる料金」についてですが、高齢者デイケアを利用した時間によって、発生する料金が異なります。
またこの「基本となる料金」は、高齢者デイケアを提供する事業所の規模や、利用者の要介護によっても変わります。
なお要支援1、要支援2の方は、「基本となる料金」が1月単位になりますので、高齢者デイケアを利用する時間によって変化することはありません。
次に時間で決まる「基本となる料金」の一例を紹介しておきます。
※要支援1、要支援2の料金は1月あたりにる料金」の一月あたりの料金
その② 各種加算料金
「基本となる料金」は料金の違いはあれ必ず発生しますが、「各種加算」については利用する事業所によって発生するかどうか異なります。
理由として「各種加算」は、職員の配置状況や施設へ通っている利用者の状態によって、発生するかどうかが定められているためです。
例えば「各種加算」のうち「理学医療法士等体制強化加算」は、理学療法士等が2名以上配置されていると発生します。
A事業所では理学療法士が3人配置されているため当該加算は発生しますが、B事業所では理学療法士が配置されていないため、当該加算は発生しないということがあります。
「各種加算」についても、昼食代などの「自己負担分」と同じように、担当ケアマネージャーや高齢者デイケアを提供している事業所に前もって確認しておくとよいでしょう。
今回は高齢者デイケアで発生する「各種加算」の一部を紹介します。
高齢者デイケアの利用料金の目安
それでは実際に1月当たり、どの程度の利用料金が発生するかを要支援、要介護度別に紹介していきます。
なお時間で決まる「基本となる料金」のみ算定し、「各種加算」と昼食代やおむつ代などの「自己負担分」は算定しないものとします。
1月当たり発生する利用料金の概算として、参考になさっていただければ幸いです。
その① 【要支援1】週1回の利用・1割負担
「要支援1」の方が週に1回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は4回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
利用料金:1,812円(1月当たり)
※要支援の方は「基本となる料金」が1月当たりであるため、利用回数に関わらず発生する金額は同一です。
その② 【要支援2】週1回の利用・1割負担
「要支援2」の方が週に1回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は4回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
利用料金:3,715円(1月当たり)
※要支援の方は「基本となる料金」が1月当たりであるため、利用回数に関わらず発生する金額は同一です。
その③ 【要介護1】週1回の利用・1割負担
「要介護1」の方が週に1回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は4回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
また1日当たり、高齢者デイケアを利用した時間は8時間とします。
利用料金:726円×4回=2,904円(1月当たり)
その④ 【要介護2】週1回の利用・1割負担
「要介護2」の方が週に1回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は4回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
また1日当たり、高齢者デイケアを利用した時間は8時間とします。
利用料金:875円×4回=3,500円(1月当たり)
その⑤ 【要介護3】週2回の利用・1割負担
「要介護3」の方が週に2回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は8回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
また1日当たり、高齢者デイケアを利用した時間は8時間とします。
利用料金:1,022円×8回=8,176円(1月当たり)
その⑥ 【要介護4】週2回の利用・1割負担
「要介護4」の方が週に2回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は8回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
また1日当たり、高齢者デイケアを利用した時間は8時間とします。
利用料金:1,173円×8回=9,384円(1月当たり)
その⑦ 【要介護5】週2回の利用・1割負担
「要介護5」の方が週に2回利用した場合の利用料金です。
なお1月の利用回数は8回とし、介護保険の負担割合は1割の方とします。
また1日当たり、高齢者デイケアを利用した時間は8時間とします。
利用料金:1,321円×8回=10,568円(1月当たり)
まとめ
高齢者デイケアの料金体系や、利用料金の目安について解説してきました。
高齢者デイケアを使用したときには介護保険から一部負担がある料金と、一部負担がない料金にわかれることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
高齢者デイケアを利用したときに発生する料金の目安をまとめると
- 高齢者デイケアの利用料金は、介護保険から一部負担がある料金と、昼食代やおむつ代など「自己負担分」を合算したものである。
- 介護保険から一部負担がある料金は、高齢者デイケアを利用すると発生する「基本となる料金」と、事業所の職員配置等で発生する「各種加算料金」にわけられる。
- 「各種加算料金」や昼食代やおむつ代など「自己負担分」の料金に関しては、高齢者デイケアを利用する前に、担当ケアマネージャーや高齢者デイケアを提供している事業所に確認するとよい。
ということがあります。
利用料金は高齢者デイケアを利用している限り、毎月発生するものですので、事前に利用料金がどの程度かかるかを確認しておくことは重要なことです。
高齢者デイケアを利用し始まってから、利用料金に関して困ったことが起きないようにしたいところです。
先ほど紹介したように担当ケアマネージャーや高齢者デイケアを提供している事業所に、利用料金に関して疑問に思ったことや不安に感じていることがあれば相談しましょう。