この記事では介護保険サービスであるデイケアとデイサービスにはどのような違いがあるのか、職員の職種や資格等の違いについても解説しています。
介護保険サービスには様々なサービスがありますが、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類することができます。
この中の居宅サービスにはデイケア(通所リハビリテーション)とデイサービス(通所介護)という名前の似ているサービスがあるのですが、皆さんはどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
これらのサービスを提供している事業所は街中でよく見かけますが、「デイケアやデイサービスといった名前は聞いたことがあるけど提供されているサービスについてはよく知らない」というような方も多いのではないでしょうか。
ここでは介護保険サービスであるデイケアとデイサービスにはどのような違いがあるのか、職員の職種や資格等の違いについても解説していきますので、デイケアとデイサービスの違いについて知りたいという方は是非この記事をご覧になってください。
デイケアの概要
デイサービスと混同されがちのデイケアですが、介護保険においては「通所リハビリテーション」と呼ばれ、多くの高齢者が利用する介護保険サービスとなっています。
では、その内容はどのようになっているのでしょうか?
その① どんなことをするのか
デイケアとは、要介護者が日中日帰りで施設に通うことによって心身機能の維持・回復、日常生活の回復、認知機能の改善を目的としたリハビリテーションを受けることができる介護保険サービスです。
デイサービスとは違ってリハビリを中心としているサービスであり、医師の指示に基づいて理学療法・作業療法・言語療法などをグループで行います。
別途料金で個別リハビリを受けることができる他、オプションで送迎・食事・入浴介助等の利用も可能になっています。
その② どんな人が働いているのか
デイケアは介護業務でありながら医療的な処置を行うこともあるなど専門的な職員が中心となって成り立っています。このデイケアでは以下のような方が働いています。
- 生活相談員:高齢者やその家族からの生活に関する相談に対応するソーシャルワーカーのような役割を担う
- 看護職員:看護師や准看護師による健康管理、医療的処置、服薬管理等を行う
- 介護職員:利用者の介護を行う
- 機能訓練指導員:利用者に対して日常生活を送る上で必要になる機能の維持や回復のための訓練を行う
- 調理職員:利用者に提供する食事を作る
その③ 資格は何を持っているのか
デイケアで働いている方は以下のような資格を持っています。
- 生活相談員:社会福祉士若しくは社会福祉主事、介護福祉士、社会福祉主事任用資格、介護支援専門員
- 看護職員:看護師、准看護師
- 介護職員:介護福祉士、介護職員基礎研究修了者、介護職員初任者研修修了者
- 機能訓練指導員:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ師、看護師、准看護師
- 調理職員:管理栄養士、調理師、栄養士
その④ 料金はいくらぐらいか
デイケアを利用した際にかかってくる費用は利用者の要介護度や利用する時間によって以下のようになってきます。
また、食事代やおむつ代等が別途必要になってきます。
デイサービスの概要
デイサービスは介護保険において「通所介護」と呼ばれており、多くの高齢者が利用する人気のサービスとなっています。
このデイサービスですがどのような内容になっているのでしょうか?
その① どんなことをするのか
デイサービスとは日中日帰りで施設に通うことによって、食事・入浴・排泄の介助、機能訓練、レクリエーション等のサービスを受けることができます。
人は歳を重ねることによって身体機能が低下していきますが、それに伴って外出することがおっくうになって自宅に引きこもりがちになってしまう高齢者の方も多くなっています。
引きこもりがちになってしまうと孤独感やストレスを抱えてしまったり、運動量の低下によって身体機能がさらに低下してしまったりする場合もありますが、デイサービスを利用することによってこのような事態を防ぐことが可能になります。
その② どんな人が働いているのか
デイサービスでは以下のような職種の方が働いています。
- 生活相談員:ソーシャルワーカーのような役割を担い、高齢者やその家族からの生活に関する相談に対応する
- 看護職員:看護師や准看護師による健康管理、医療的処置、服薬管理等を行う
- 介護職員:利用者の介護を行う
- 機能訓練指導員:利用者に対して日常生活を送る上で必要になる機能の維持や回復のための訓練を行う
- 調理職員:利用者に提供する食事を作る
その③ 資格は何を持っているのか
デイサービスで働いている方は以下のような資格を持っています。
- 生活相談員:社会福祉士若しくは社会福祉主事、介護福祉士、社会福祉主事任用資格、介護支援専門員
- 看護職員:看護師、准看護師
- 介護職員:介護福祉士、介護職員基礎研究修了者、介護職員初任者研修修了者
- 機能訓練指導員:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ師、看護師、准看護師
- 調理職員:管理栄養士、調理師、栄養士
その④ 料金はいくらぐらいか
デイサービスを利用した際にかかってくる費用は利用者の要介護度や利用する時間によって以下のようになってきます。
また、食事代やおむつ代等が別途必要になってきます。
デイケアを上手く利用する方法
デイケアは定期的に利用することによって規則的な生活リズムをつかむことができる他、他の利用者とのコミュニケーションの場としても最適な場所でもありますので、うまく利用することによって高齢者の孤独感等を解消することができます。
また、日中デイケアに通うことによって、普段介護を行っている家族の介護による負担を軽減することも可能になっています。
ただ、デイケアのサービスとは施設の外観を見るだけでは分からないものです。
このため、デイケアの利用を検討される場合には必ず施設に見学に行き、できることならば体験利用も行うようにしましょう。
デイサービスを上手く利用する方法
先程の項目ではデイケアをうまく活用することによって様々なメリットがあるということについて解説しましたが、デイサービスを活用することによっても同じような効果やメリットを期待することができます。
また、うまく活用するためにはどうするかですが、これもデイケアの時と同じように利用者に合わせた施設を選択することが一番となります。
特にデイサービスはデイケアとは違って食事・入浴・排泄の介助や機能訓練、レクリエーションといった幅広いものとなっており、サービスの内容などをよく確認してから利用を決定しなければなりません。
まとめ
ここまで介護保険サービスであるデイケアとデイサービスにはどのような違いがあるのか、職員の職種や資格等の違いについても解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
名前こそ似ているデイケアとデイサービスですが、解説してきたようにサービスの内容は異なる性質を持っています。
このため、利用を検討される場合にはそれぞれのサービスの特性を理解した上でサービスの選択を行う必要があります。
また、実際に利用する前に見学にいって体験利用等をされる方が施設の雰囲気を肌で感じることができるのでオススメです。