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介護老人保健施設の看取り介護の現状は?だれでも対象になる?

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介護老人保健施設の看取り介護の現状は?だれでも対象になる?

介護老人保健施設は原則的には終身介護は行わない施設ですが、看取り介護というものを行っている場合もあります。

これはだれでも対象になる訳ではありません。

この記事では、介護老人保健施設の看取り介護について詳しく解説します。

そもそも看取り介護とは何か?

そもそも看取り介護とは何か?

「看取り」とは近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援することです。

「看取り介護」とは、主に在宅や介護施設で最期を迎える人に施すケアのことを指します。

安らぎを与え、たとえ意識がなくなった状態にあったとしても、最期まで人間の尊厳を守り身体介助や声かけをおこないます。

看取り介護には何か特別な知識やテクニックが必要なわけではなく、その人を思う気持ちを持って接することが看取り介護とって大切です。

看取り介護と類似ケアの違い

看取り介護と類似ケアの違い

その① ターミナルケアとの違い

「ターミナルケア」(終末期医療)とは、病気などで余命がわずかになった方に行う医療的ケアのことを言います。

苦痛を緩和しながら、できるだけQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を保つための医療や看護の方法です。

ターミナルケアは、点滴や酸素吸入などの医療的ケアを中心とするのに対し、看取り介護は、食事や排せつの介助や、褥瘡の防止など、日常生活のケアが中心になります。

その② 緩和ケアとの違い

「緩和ケア」とは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメント対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、QOLを改善するアプローチのことを言います。

主な疾患としては、末期がんや後天性免疫不全症候群(エイズ)などがあります。

緩和ケアは病気による痛みや苦痛を除去するための治療を行います。

看取り介護とは違い、緩和ケアもターミナルケアと同様に、医療的ケアを中心としています。

その③ ホスピスとの違い

「ホスピス」も緩和ケアと同様、病気による苦痛を取り除き最期を看取るものです。

「ホスピス」とは、1967年にイギリス・ロンドンで末期がん患者の苦痛を取り除くために創設された施設で、専門家がチームを組んで患者の痛みを和らげるケアを実践してきました。

その歴史はさらに古く、ホスピスは中世ヨーロッパでは貧民や巡礼中の旅人に食事や宿泊を提供する施設であり、貧しい人々の心の支えとして機能してきたようです。

日本ではあまりなじみのない言葉かもしれませんが、キリスト教を信仰し慈善活動に熱心なヨーロッパにおいて、現在では緩和ケアをおこなう施設として広く認知されています。

介護老人保健施設の看取り介護の現状

介護老人保健施設の看取り介護の現状

2006年の介護報酬改定の際に、看取り加算が加えられました。

その加算ができた背景には、2040年には死亡者数が約41万人になると、予想されていることが挙げられます。

人生の最期までその人らしい暮らしができるようにと、改定の1つとして看取り介護加算が加えられました。2015年4月の介護報酬改定において「看取り介護加算」の要件が見直され、看取り介護を行う介護保険施設も増えています。

厚生労働省が2015年度に発表した調査結果によると、特別養護老人ホームと介護老人保健施設では、約7割の施設が「看取り介護」を実施しています。

また、看取り介護を実施している施設の約8割が看取り介護の対象者全員を最期まで施設で介護していることが明らかになっています。

看取り介護に対して介護報酬が加算されるようになり、介護保険施設の看取り介護は日常的に提供されている介護サービスとなりました。

看取り介護となる人の対象

看取り介護となる人の対象

看取り介護加算とは、医師が回復の見込がないと判断したご利用者に対して、人生の最期の時までその人らしさを維持できるように、ご利用者やご家族の意思を尊重して、医師、看護師、看護職員が連携を保ちながら看取りをする場合に算定する加算です。

この看取り介護の対象は、医師が回復の見込みがないと判断した方となります。

看取り介護で必要な料金

看取り介護で必要な料金

看取り介護加算には(Ⅰ)(Ⅱ)の2種類があります。

それぞれの算定要件について以下の表にまとめます。

gg0453 表1

これらの看取り介護加算(Ⅰ)(Ⅱ)についての料金は以下です。

これは自己負担割合が1割の方の場合です。

gg0453 表2

まとめ

まとめ

この記事では、介護老人保健施設の看取り介護について詳しく解説しました。

以下にこの記事についてまとめます。

  • 「看取り介護」とは、主に在宅や介護施設で最期を迎える人に施すケアのことを指し、安らぎを与え、意識がなくなった状態にあっても、最期まで人間の尊厳を守り身体介助や声かけをおこないます。
  • ターミナルケア、緩和ケア、ホスピスは、病気などで余命がわずかになった方に行う医療的ケアのことを言い、苦痛を緩和しながら、できるだけQOLを保つための医療や看護の方法です。これらが医療的ケアを中心とするのに対し、看取り介護は日常生活のケアが中心となります。
  • 2006年、介護報酬に看取り加算が加えられ、2015年4月の介護報酬改定で要件が見直され、看取り介護を行う介護保険施設が増え、特別養護老人ホームと介護老人保健施設では、約7割の施設が看取り介護を実施しています。
  • 看取り介護の対象は、医師が回復の見込みがないと判断した方です。看取り介護加算には(Ⅰ)(Ⅱ)の2種類があり、それぞれに算定要件があり、料金も異なります。

看取り介護は人生の終末期を緩やかに迎えることができ、ご本人が最後まで死と向き合って自分らしい最期を迎えることができるものです。

看取り介護にはご本人はもちろん、ご家族の協力も必要です。

その方にとってより良い看取り介護となるよう、介護保険施設とご家族が協力し合う形が理想であると思います。

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