この記事では介護保険サービスの1つであるショートステイとは一体どのようなものなのか、また、サービス内容や利用する際にかかってくる費用はどうなのかということについて解説しています。
介護保険の被保険者は要介護認定を受けると様々な介護保険サービスを利用することが可能になりますが、その中の1つにショートステイ(期入所生活介護)というサービスがあるのをご存知でしょうか?
要介護認定を受けている方の中には、自宅で生活をしながら様々な介護保険サービスを利用している方も多いと思いますが自宅で介護を行ってくれている家族が24時間365日介護だけを行ってくれるということはありえません。
介護を行う家族も体調を崩して介護を行うことができなくなったり、介護から離れて自分だけの時間を持ちたいと思ったりすることもあるでしょう。そのような時に利用したいのが最大30泊までの短期間で介護施設に入所することができるショートステイというサービスです。
ここでは介護保険サービスの1つであるショートステイとは一体どのようなものなのか、また、サービス内容や利用する際にかかってくる費用はどうなのかということについて解説していきますので、ショートステイについて詳しく知りたいという方は是非この記事をご覧ください。
ショートステイの概要
そもそもショートステイはどのような人が利用できるのでしょうか?ここではショートステイの概要について解説していきます。
その① 利用できる人
ショートステイは介護保険サービスですが、介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受けていなければなりません。
介護保険が適用されるショートステイについては、要介護認定において「要支援1・2」又は「要介護1~5」と判定された方が利用可能となっています。
ただ、有料老人ホーム等で提供されている介護保険が適用されない有料のショートステイについては、利用する施設によって様々な条件が異なってきますが、要介護認定において「非該当(自立)」と判定された方であっても利用することができる場合があります。
その② お世話してくれる人
ショートステイでは、食事・入浴・排泄の介助や日常生活を送る上での世話、機能訓練といったサービスを受けることができます。
これらのサービスはショートステイに配置されている看護職員・介護職員・機能訓練指導員といったスタッフが提供してくれます。
その③ 一日の流れ
ショートステイを利用する際の1日の流れは以下のようになります。
なお、ショートステイする施設によっては上記の流れの中に医師の診察やリハビリなどが含まれてきますので、事前によく確認するようにしてください。
ショートステイの料金について
ここまでショートステイの概要について解説してきましたが、ここではショートステイを利用した際にかかってくる料金について解説していきます。
その① 要介護度別の目安
ここでは従来型の介護老人保健施設を利用した際の料金について解説していきます。
ショートステイを利用する際にかかってくる料金には以下のように「介護サービス費」「食費等の自己負担額」「その他の日用品代」があり、ここに利用者の状態に応じてサービス費が加算されます。
- 介護サービス費
- 自己負担分
- その他の日用品代
介護サービス費ですが、生活する部屋の種類によってかかってくる費用が変わってくる他、施設がある地域によっても変わってきますので、あくまで目安としてご覧ください。なおショートステイには「短期入所療養介護」と「短期入所生活介護」の2種類があります。
居住費は部屋の種類によって異なってきます。
日用品費、娯楽費、理美容費、先覚にかかる費用など利用者によってかかってくる費用は異なります。
その② 負担限度額認定証に該当した場合
介護保険には、所得が低い方を対象とした介護保険施設に入所したりショートステイを利用した際にかかってくる食費・居住費を軽減することができる負担限度額認定という制度が設けられています。
この負担限度額認定制度は利用者の所得等に応じて4段階に分けられており、以下のように軽減額が異なってきます。
ショートステイのメリット&デメリット
ここまでショートステイに関して紹介してきましたが、最後にショートステイを利用することによるメリットとデメリットについて解説していきます。
その① ショートステイのメリット
ショートステイには以下のようなメリットがあります。
- 介護による負担を軽減することができる
- 仕事をしながら介護を行うことができる
- 施設入所前の体験的な利用
例え大切な家族であったとしても、365日介護を行うということは非常に疲れるものです。ただ、ショートステイを利用することによって自分の時間を持つことができ、リラックスして介護によるストレスを解消することができます。
仕事の関係上平日は介護を行うことができないという方もいるかと思いますが、そのような方でも平日はショートステイを利用することによって仕事に集中することができ、休みの日は自宅で介護を行うことができます。
将来的に介護保険施設への入所を検討されている方に付き増しては、ショートステイを利用することによって施設における介護を体験することが可能になります。
その② ショートステイのデメリット
ショートステイには以下のようなデメリットがあります。
ストレスを感じやすい
ショートステイでの生活というのは自宅での生活と環境が大きく変わってきますので、利用する要介護者によってはストレスを感じてしまうことがあります。また、認知症を患っている方の中にはストレスによって認知症の症状が進行してしまう方もいますので、十分に注意する必要があります。
予約を取りづらい
ショートステイは利用を希望する方が多いのが特徴であり、そのため利用の予約が取りづらくなっている場合があります。このため、急な用事等で要介護者の介護を行うことができなくなった場合場度に備え、あらかじめショートステイを提供している施設をいくつかピックアップしておく必要があります。
まとめ
ここまでショートステイとは一体どのようなものなのか、また、サービス内容や利用する際にかかってくる費用はどうなのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
解説してきたようにショートステイとは長期間ではなく短期間の間のみ介護施設において生活を行うサービスのことをいいます。
ショートステイを利用することによって普段介護を行っている家族の介護による負担が軽減されますので、適宜利用していきたいですね。
また、利用する際にかかってくる費用についてですが、要介護度や部屋の種類などによって異なってきますので利用する際にはそのあたりについてはしっかりと確認するようにしてください。