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グループホームでも看取り介護はしてもらえる?開始から終了までの流れは?

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グループホームは認知症を患っている高齢者が、専門スタッフの援助を受けながら共同生活する施設です。

グループホームで終末期の看取り介護をしてもらえるかどうか、気になっている方もいるでしょう。

今回はグループホームの看取り介護について解説していきます。

そもそも看取り介護とはなにか

看取り介護とは近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的・精神的な苦痛の緩和を目的とし、人生の最期まで尊厳のある生活を送れるように支援することです。

生命維持を優先し、ベッド上で体中に機器を付け、モニターで健康状態を監視し続けるのではなく、看取り介護では食事や排せつ介助、褥そうの予防などの日常的なケアが中心となります。

グループホームにおける看取り介護の現状

グループホームにおける看取り介護の現状ですが、すべての施設で看取り介護が行われているわけではありません。

終身利用できる介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、看取りの現状が異なるのです。

グループホームでの看取り介護の現状を確認する前に、どのような流れで看取り介護が行われているかを確認していきましょう。

看取り介護の開始から終了までの流れ

看取り介護の開始から終了までの具体的な流れは施設によって異なります。

今回紹介するのは、看取り介護の流れの一例です。

後悔せずに看取り介護を行うためにも、看取り介護の具体的な流れについて、施設の担当者に確認することを強くおすすめします。

看取り介護の流れですが、以下の通りです。

①契約時に看取りに関する指針が施設から提示される。

②施設へ入所後、入所者の状態が悪化し「食べること」、「飲むこと」が難しくなっており、終末期に近づいている旨を医師から説明がある。

③看取り介護を行うにあたり、施設で対応できること、また家族の協力が必要なことなどが、家族へ伝えられる。

④家族全員の総意として、施設で看取り介護を行うことに了承しているかを、施設から確認がある。

⑤看取り介護の同意書や、看取り介護を行うための計画書に同意し、看取り介護が始まる。

⑥身体的な衰弱、意識レベルの低下を経て、入所者が亡くなられたら医師が死亡確認する。

⑧施設のスタッフにより体をきれいにふき、整容や化粧を施すエンゼルケア行い、その後は家族が手配した葬儀社に引き継がれる。

⑨職員や故人と親しかった入所者に出棺を見送られ、看取り介護が終了。

グループホームで看取り介護についてやってくれること

グループホームで看取り介護についてやってくれることですが、すべての施設で看取り介護が実施されているかというと、そうではありません。

看取り介護が行われているグループホームは半数ほどとなっており、施設によっては身体状況が悪化し一人で身の回りのことができなくなると、施設から退居をお願いされます。

また身体状況の悪化以外に施設から退居条件として、慢性疾患による日常的な医療ケアが必要になった場合等です。

施設からの退所条件に関しては契約時に説明がありますので、退所条件について不明な点があったら、必ず確認しましょう。

グループホームで看取り介護ができないとどこへ行く?

グループホームで看取り介護ができず退居をお願いされた場合、生活の場を新たに探す必要があります。

グループホームから退居したあとに、どこに行けばよいのかを解説していきます。

その① 特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは終身利用が可能ですが、入所申し込みから短期間での施設入所が難しいのが現状です。

特別養護老人ホームの入所までには申し込みから1、2年ほどの期間が必要になることが多く、その間は生活するための場所を探さなければなりません。

特別養護老人ホームへの入所を検討しているのであれば、できるだけ早い段階での入所申し込みをおすすめします。

要介護3以上の要介護認定が下りれば、その時点で特別養護老人ホームへの申し込みを行うとよいでしょう。

現在の介護度が要介護2未満だとしても身体状況が悪化していけば、介護保険の変更申請を行い、要介護度を見直すことが可能です。

その② 病院

もし身体状況が急激に悪化によって、グループホームからの退所をお願いされた場合、病院へ入院できる可能性があります。

身体状況が悪化したからといって必ず入院できるわけではありませんので、まずは病院に受診をして、入院できるかどうかを確認するとよいです。

その③ 自宅

グループホームの入所者は認知症を患っていることが条件であり、認知症の進行状況によっては、病院への入院が難しいケースがあります。

認知症の進行によって、徘徊や介護抵抗が強く、安静した入院ができない可能性があるためです。

このような状況では自宅で生活を送ることになります。

自宅で生活を送らなければならなくなったら、ケアマネージャーや在宅医などの専門職と協力のもと、自宅で安心して生活が送れる環境づくりをはじめましょう。

強い要望がない限り、自宅での看取り介護は本人や家族の負担が大きくなってしまいます。

グループホームの入所を検討する段階で、看取り介護してくれる施設を探すようにしたいところです。

次に看取り介護をしてくれるグループホームを探す方法を解説していきます。

看取り介護をしてくれるグループホームを探す方法

看取り介護をしてくれるグループホームを探す方法ですが、グループホームの協力医に注目しましょう。

グループホームの協力医が在宅医療をしているかどうかで、看取り介護に対応できるかどうかが確認できます。

理由として、看取り介護を行うには在宅医療を行っている医師の協力が必要不可欠だからです。

もし入所しているグループホームの協力医が在宅医療を行っていなくとも、在宅医療を行っている医師を主治医にできれば、グループホームでも看取り介護が行えます。

グループホームの協力医が主治医である必要はないのです。

もし施設からグループホームで看取り介護が難しいと申し出があった場合、主治医を調整すれば、看取り介護が可能になるかどうかを確認するとよいでしょう。

看取り介護をしてくれるグループホームの探し方として、協力医以外に加算もポイントになります。

グループホームの加算の1つに「看取り介護加算」と呼ばれるものがあります。

看取り介護加算は本人および家族の意向を尊重しつつ、看取り介護の体制を構築し、看取りに向けた手厚い介護の実施を図ることを目的とした加算です。

基本的にこの加算を算定している施設では、看取り介護を行っている可能性が高くなっています。

さいごに大手グループホームでは、看取り介護を行うのに必要な環境が施設や医療機関で整っていたとしても、施設の運営方針から看取り介護を行っていないケースがあります。

全国展開しているグループホームではその傾向が強いため、注意しましょう。

まとめ

看取り介護がなにかや、グループホームにおける看取り介護の現状、看取り介護をしてくれるグループホームの探し方を解説してきました。

看取り介護の内容やグループホームにおける看取り介護について、おわかりいただけたのではないでしょうか。

グループホームで看取り介護はしてもらえるかをまとめると

  • 看取り介護とは積極的な医療処置を行わず、身体的・精神的な苦痛を緩和し、人生の最期まで尊厳のある生活を送れるよう支援することである。
  • グループホームは原則的に身の回りのことを自分で行い、共同生活を送る場であるため、約半数の施設では看取り介護が行われていない。
  • グループホームの協力医が在宅医療を行っているか、看取り介護加算を算定しているかなどが、看取り介護を行っている施設を探すときのポイントである。

ということがあります。

看取り介護が必要になった段階でグループホームからの退所をお願いされて、次の居場所を探すことがないようにしたいところです。

グループホームの入所時に施設で看取り介護は行ってもらえるか、もし施設で看取り介護が難しい場合は次の居場所をどうするかなどを確認しましょう。

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