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グループホームの実地指導対策の内容は?傾向と対策を徹底解説!

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グループホームの実地指導対策の内容は?傾向と対策を徹底解説!

実地指導…その言葉に、戦々恐々とするのは筆者だけではないと思います。

日にちが迫ってくるにしたがって眼がつりあがってくる管理者や計画作成担当者、介護主任…。実地指導当日の張りつめた空気…。

思い出すだけで胃が痛くなるというものです。

このような事態は、日々の確実な記録作成や職員一人ひとりが法令を理解して基本に沿った介護を行うことによって防ぐことができます。

そこで今回は、今からでも間に合う実地指導対策について、確認していきましょう。

そもそも実地指導とは?

そもそも実地指導とは?

実地指導とは、都道府県及び市区町村から担当者が介護サービス事業所に来て、関係法令や規定に沿った事業運営(ケアマネジメントやコンプライアンスにのっとった業務)が行われているかを確認するものです。

数年に1度開催され、入所系の事業所は一般的に通所や訪問系の事業所よりもその間隔が短いと言われています。

事業所規模によっても異なりますが、最低2~4名程度の職員が訪問し、半日~1日中かけて指導が行われます。

日程調整は、書面にて日時を指定する形で行われます。

しかし、監査とは違いますので管理者やその他対応できる職員が不在の場合などはある程度の範囲で日程調整に応じてもらうことができます。

最初の通知は、期日の一ヶ月前を目安に届きます。

実実地指導は、サービス事業所の育成や支援に主眼を置きつつ、制度管理や保険給付の適正化やケアの質の向上につなげることを目的としています。

よく、監査と混同している場合が散見されますが、実地指導に対して監査は監査は利用者からの苦情や相談等を受けたり、介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す事業者を抽出して行われ、運営基準違反等に対する改善の勧告・命令を行ないます。

この勧告・命令に従わなかった場合は、指定を取り消す等の処分に至ることもあります。

ただし、実地指導の最中に著しく不適切な内容が見つかったときは、この監査に切り替わる場合があります。

現在、この実地指導に関するスタンスについて見直しが図られており、チェック項目を絞り込んで標準化したり、優良事業所は集団指導のみとするなど、取扱いについて議論されています。

この記事を読むタイミングによっては、実際と異なる場合がありますのでご了承ください。

実地指導の内容

実地指導の内容

実地指導は、事業内容は適切かを確認する運営指導と、介護報酬の請求及びそれに伴う書類関係の整備は適切かを確認する報酬請求指導の2つの側面から総合的に確認・指導を受けることになります。

運営指導

運営指導は高齢者の虐待防止と身体拘束禁止等の観点から、それらの行為及び与える影響について理解させ、防止のための取り組みの促進について指導します。

さらに一連の介護過程の重要性理解を求めるためのヒアリングを行ない、利用者の自立支援に向けた適切なアセスメントとともに、個別ケアの推進によって、尊厳ある生活支援の実現に向けたサービスの質の確保・向上が図られるよう、運営指導マニュアルを用いて指導します。

運営指導マニュアルは、一般の人でも確認することができるようにインターネット上でも公開されています。

報酬請求指導

報酬請求指導は、各種加算等について算定基準に適した体制の確保や適切な運営がなされているか等についてヒアリングにより確認し、不適正な請求の防止とよりよいケアへの向上を目的として報酬請求指導マニュアルに基づいて実施されます。

同じく、このマニュアルはインターネット上で公開されているので誰でも確認することができます。

チェックされる内容

チェックされる内容

事前に市区町村担当課から実地指導事前調査票(名称は様々です)が送られてきますので期日まで返信します。

当日は、その事前調査内容を実際の書類やヒアリング、現地確認等によって確認する内容となります。

その具体的内容は、主に下記の通りです。

必要な広さの専用区画の設置状況、設備や備品の配置状況、衛生管理・防災対策の状況確認

  • 許認可申請時の事業所内の見取り図や平面図を参照し、実際の設置状況や机・椅子・電話/FAX・パソコン・プリンター・鍵付き書庫等の設備・備品の配置状況等を確認します。
  • 事業所の従業員の健康診断の実施・感染症予防の対策・常備品の収納と保管方法・事業所内外の清掃や整理整頓等の衛生管理の状況等について確認します。
  • 避難経路・消火器やスプリンクラーの設置・カーテンは防炎素材となっているか等の防災対策状況等について確認します。

重要事項の事業所内掲示と保管状況等についての確認

  • 厚生省令第37号・第32条において、「事業所の見やすい場所に運営規程の概要・従業員の勤務体制・重要事項説明書を掲示しなければならない。」と規定されているため、事業所内の分かりやすい所にしっかり掲示されているか確認します。
  • 運営規程や重要事項説明書は、記載された内容が確実に実施されているか・変更された事項がしっかり反映されているか・介護保険制度の改正等により追加された項目や改定された項目がきっちりと記載されているかについて確認します。
  • 従業員の勤務体制については、常勤と非常勤・専従と兼務・常勤換算等による実際の勤務状況や配置基準が適正なものとなっているか等について確認します。
  • 利用者を保護する観点から、利用契約書に記載されている事項や取り交わしの状況・利用者の個人情報の取り扱いについて利用者とその利用者のご家族に説明し書面(「個人情報使用同意書」)による同意を得ているか等について確認します。

その他関連する個別の事項についての確認

  • アセスメントシート・モニタリングシート・個別支援計画等の記載事項とサービス提供記録等の記載事項とそれぞれの書類の保管方法等について確認します。
  • 業務日誌・従業員の研修に関する計画とその実施記録・相談、苦情や事故に対する対応方法とその実際の記録・それぞれの書類の保管方法等について確認します。

実地指導実施後の届け出や手続き

  • 数週間後に、実地指導当日の最後に口頭で指導があった指導項目や改善項目がその根拠と共に「実地指導結果報告書」という文書で通知されます。
  • その結果をもとに、1ヵ月以内に改善を行い「実地指導に基づく改善報告書」を作成し市区町村に提出します。

介護報酬の請求ミスがあった場合には、過誤調整による自主返納の手続きが必要です。

遡って最長5年間分を返還します。

利用者の自己負担分も含まれる場合には、利用者に対する返金処理が必要になります。

この過誤請求は期間を遡るごとに多額になり、処理が煩雑になるばかりか、事業所によっては資金繰りに影響するほどの金額となる場合もありますので、日頃からミスをしないように確認を怠らないことが特に重要と言えます。

実地指導の傾向と対策

実地指導の傾向と対策

最後に、近年の実地指導で特に重要視されている指導ポイントについて確認しましょう。

法律では具体的な方策の例示がないため、適切な法解釈が求められます。

高齢者虐待防止

「養介護施設従事者等による高齢者虐待への対応」https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/boushi/060424/dl/05.pdf
を基本とし、適切に対処していること。を基本とし、適切に対処していること。

万が一、これに抵触する行為が確認された際は適切に通報等の対応を実施し、その内容を記録していること。

身体拘束の適正化

介護保険指定基準の身体拘束禁止規定に定められている「「サービスの提供にあたっては、当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為を行ってはならない」という規定を遵守し、創意工夫によって課題を解決していること。

介護保険指定基準上、「当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は身体を保護するための緊急やむを得ない場合」には身体拘束が認められているが、安易に実施してはならず、切迫性・非代替性・一時性の三要件をみたし、かつそれらの要件の確認等の手続きが極めて慎重に行われていること。

また、実際にこれらの拘束を行った際の同意や記録を確実かつ客観的に行っていること。

ケアマネジメント

ケアマネジメントについては、以下の手順で適切に実施すること。

  1. 要介護高齢者の状況を把握し、生活上の課題を分析(アセスメント)する。
  2. 総合的な援助方針、目標を設定するとともに、1)に応じた介護手法を組み合わせる。
  3. 1)、2)について、施設内カンファレンス等により支援に関わる職員間で検証・調整し認識を共有した上で個別支援計画を作成する。
  4. 3)に基づくサービスを実施すると共に、継続的にサービスの実施状況や利用者の状態変化等を把握しケア内容の再評価・改善を図る。

地域貢献・連携

運営推進会議を適切に設置・実施・運用していること。

また、運営推進会議での結果を具体的に事業所運営やサービス提供にフィードバックしていること。

介護保険サービスだけでなく、地域における啓発活動や相談支援活動、居場所づくり活動に積極的に取り組んでいること。

地域に開かれた行事の開催や、地域行事への利用者への参加などを積極的行っていること。

認知症ケアの取り組み

認知症に関する各種研修に積極的に参加し、参加しない職員へも伝達講習を行う等により、常に認知症ケアに関する知識や技術の向上を図っていること。

また、民間のものも含め、認知症に関する各種資格取得の推進や補助を進めていること。

まとめ

まとめ

実地指導の通知は、ある日突然やってきます。

通知受領後に準備をするのでは、時間がいくらあっても足りません。

ましてや、日付を遡って書類を作成するということがあれば不正行為になるため、非常に問題があります。

そのため、日頃から下記の重要ポイントについてチェックするようにするべきでしょう。

  • 遅滞なく個別支援計画を作成し、適切にサービスを実施し記録する。
  • 個別支援計画の実施状況や評価等について利用者とそのご家族に説明を行った上で同意を得ること。
  • 細心の注意を払い、実績に基づいてきっちりと正確に介護報酬の算定を行うこと。曖昧だったり不安を残したままでの請求は危険。保険者にしっかりと確認し伝送や請求をするようにしましょう。
  • 常勤と非常勤・専従と兼務・常勤換算等を含めて毎月の勤務体制について予定と 実績を明確に記録すること。
  • 利用者とそのご家族の個人情報等の秘密保持の措置を適切に行うこと。
  • 従業員の健康管理や事業所内の整理整頓・清潔の保持等、衛生管理を適切に行うこと。
  • 事業所内の専用区画・設備や備品等の管理を適切に行うこと。
  • 集団指導での内容を適切に把握・管理・実施すること。
  • 厚生労働省から発出される「介護保険最新情報」を中心とし、常に情報収集と最新情報の把握に努めること。

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