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短期入所生活介護(ショートステイ)の個別機能訓練加算の要件は?必要資格は?

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短期入所生活介護(ショートステイ)では、食事や入浴、排泄といった生活介護の他に、機能訓練も受けることができます。

このショートステイでの機能訓練はどのようなものなのでしょうか?

個別機能訓練加算の要件や、必要資格などについて、詳しく解説します。

個別機能訓練加算の概要


短期入所生活介護(ショートステイ)では、機能訓練指導員が1名以上配置している事業所に対して「機能訓練体制加算」が算定できます。

個別機能訓練加算には「個別機能訓練加算Ⅰ」と「個別機能訓練加算Ⅱ」の2種類あり、それぞれ目的や条件、単位数などが異なります。

平成27年度の介護報酬改定で、厚生労働大臣が定める所定の基準要件を満たし、入居者様の身体状況に応じた機能訓練を行った短期入所生活介護(ショートステイ)に対して、「個別機能訓練換算Ⅱ」を算定することができるようになりました。

その① 個別機能訓練加算の目的

ショートステイの個別機能訓練加算は、利用者が住み慣れた地域において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、身体機能の向上を目的として実施するのではなく、①体の働きや精神の働きである「心身機能」、②ADL(日常生活動作)・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」、③家庭や社会全体で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を目的としています。

その② 算定される一日の単位

個別機能訓練加算が算定される一日の単位は56単位/日です。

その③ 算定するまでの準備(届出)

個別機能訓練加算を算定するためには、都道府県知事に届出が必要となります。

また、厚生労働省老健局振興課長の「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する 事務処理手順例及び様式例の提示について」によると、「短期入所生活介護の個別機能訓練加算は、通所介護における個別機能訓練加算(II)と同趣旨なので、 当該加算と同様の対応を行うこと」と通達されています。

個別機能訓練加算の算定要件(条件)


個別機能訓練加算を算定するためには、次の基準にすべて適合することが条件となります。

① 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置していること。

② 機能訓練指導員等が共同して、利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること。

③ 個別機能訓練計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。

④ 機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画を作成し、その後3ヶ月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問した上で、当該利用者又はその家族に対して、機能訓練の内容と個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、訓練内容の見直し等を行っていること。

その① 必要な専門資格

①専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置していること。
 
ここでいう機能訓練指導員に必要な資格とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師(准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の6つの職種を指します。

機能訓練指導員は、本人や家族のニーズやケアプランに沿って、利用者が住み慣れた環境でその人らしい生活ができるよう、希望や目標が達成できるように必要な訓練を提案します。

訓練には筋力トレーニングやストレッチなどの運動だけではなく、食事やトイレなどの日常生活の訓練や、手芸などの趣味活動も含まれます。

「個別」機能訓練という名前ですが、必ずしも利用者1人に対して、機能訓練指導員がマンツーマンで指導しないといけないわけではありません。

その② 個別機能訓練計画書の作成

② 機能訓練指導員等が共同して、利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること。
 
ショートステイで個別機能訓練加算を算定するためには、「個別機能訓練計画書」を作成する必要があります。

個別機能訓練計画書とは、機能訓練指導員が中心となって作成する書類で、ご本人やご家族への説明、同意書としても活用します。

個別機能訓練計画書を作成する場合は、ご利用者様の身体状況や希望、自宅環境などを考慮して機能訓練指導員や看護職員、介護職員、生活相談員、その他のスタッフがカンファレンスやミーティングを行い、協働して目標設定や実施時間、実施方法などの個別機能訓練計画を立案して行くように指摘されています。

個別機能訓練計画書を作成する場合は以下の6つの手順に沿って行います。



① 生活の情報収集(ケアプランからの情報収集を含む)
②評価(アセスメント)
③個別機能訓練計画書の作成
④ご利用者様又はご家族への説明と同意
⑤個別機能訓練の実施
⑥評価、目標の見直し、変化の記載(3ヶ月ごとに1回以上)



その③ 計画に基づいた実施

③ 個別機能訓練計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。

厚生労働省によると、個別機能訓練加算の目的は、「利用者が居宅や住み慣れた地域において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、身体機能の向上を目的として実施するのではなく、①体の働きや精神の働きである心身機能、②ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である活動、③家庭や社会生活で役割を果たすことである参加、といった生活機能の維持・向上を図るために、機能訓練指導員が訓練を利用者に対して直接実施するものである。」と定義されています。

つまり、個別機能訓練加算の目標設定は、具体的な日常生活動作や家事動作、趣味活動、コミュニティなどの社会参加の獲得を目的とした運動プログラムまたは実践的なプログラムを提供することになります。

このことから、個別機能訓練加算の長期目標を立案する場合は、ADLやIADL、趣味活動、社会参加に関しての目標を設定します。

短期目標を立案する場合は、長期目標を達成するために必要な段階的な目標を立案します。

機能訓練指導員はこれらの目標を考慮して訓練の内容を考え、提供する必要があります。

その④ 居宅の訪問と3ヶ月に1回の訪問

④ 機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画を作成し、その後3ヶ月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問した上で、当該利用者又はその家族に対 して、機能訓練の内容と個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、訓練内容の見直し等を行っていること。

個別機能訓練計画は一度作成して終わりではなく、その後、3ヶ月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問する必要があります。

その都度計画と訓練内容の見直しを行い、利用者や家族に説明を行い、同意を得る必要があります。

まとめ


この記事では、ショートステイの個別機能訓練加算について、詳しく解説しました。以下にこの記事について、まとめます。

  • ショートステイの個別機能訓練加算は、利用者が住み慣れた地域において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、身体機能の向上を目的として実施するのではなく、①体の働きや精神の働きである「心身機能」、②ADL(日常生活動作)
  • 家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」、③家庭や社会全体で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を目的としています。
  • 個別機能訓練加算を算定するためには、次の基準にすべて適合することが条件となります。

① 専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置していること。

② 機能訓練指導員等が共同して、利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること。

③ 個別機能訓練計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。

④ 機能訓練指導員等が利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画を作成し、その後3ヶ月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問した上で、当該利用者又はその家族に対して、機能訓練の内容と個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、訓練内容の見直し等を行っていること。
 
短期入所療養介護がリハビリテーションや医療ケアなどの医療サービスを受けらるのに対し、短期入所生活介護は、食事や入浴、排泄といった生活介護が中心でありました。

しかし、平成27年度の介護報酬改定で、短期入所生活介護に対して、「個別機能訓練換算Ⅱ」を算定することができるようになり、機能訓練に力を入れるショートステイが増えることが見込めます。

これからショートステイを選ぶ際には、個別機能訓練加算を算定している施設かどうかを確認し、選ぶ基準の一つとするのも良いでしょう。

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