介護保険

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は介護保険か医療保険どちらの対象?

更新日:

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気をご存知ですか?この病気は難病であるため、発症後の医療費や介護費が気になるところです。

ALSは介護保険か医療保険どちらの対象になるのか、詳しく解説します。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とはどんな病気か


ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、特定疾患の一つに指定されています。

運動神経系が少しずつ老化し、筋肉の萎縮や筋力の低下を引き起こし、手足が麻痺することで運動障害が起こったり、話しにくくなる、食べ物が飲み込みにくくなるなどの症状が現れます。

運動神経系の障害の程度や進行速度は個々で異なり、知覚神経系は障害されないと言われています。

今までALSは、発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気とされてきましたが、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、長期に療養することが可能となってきています。

呼吸の補助をしながら療養している方は、会話による意思疎通が図りにくくなることもありますが、そのような場合でも、残っている他の運動機能系を用いて会話以外のコミュニケーション手段が様々考えられてきています。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の相談窓口


ALSの方の場合、医療(国民・社会)保険法、年金(国民・厚生・共済)保険法、介護保険法(40歳以上の場合)、身体障害者福祉法、障害者総合支援法、難病の患者に対する医療等に関する法律などに従って、必要な施策が講じられ、さまざまなサービスが用意されています。

これらの法や施策、それに携わる職員・専門職・ボランティアなどを総称して「社会的資源」、制度などの公的なサービスを「フォーマルサービス」、ボランティアやALS協会などの自主的サービスを「インフォーマルサービス」と呼びます。

症状や障害に合わせて、これらのサービスを有効に活用すれば、生活をより豊かなものにできます。法律改正等により、公的なサービスの内容が変わることもあるため、必要に応じて、市町村の担当課に尋ねると良いです。

また、日本ALS協会のホームページにはこれらのサービスについて詳しく記載されています。

会員に対しては、ALS相談室を設けるなどして、様々な相談に応じています。 

医療保険の対象となるALS(筋萎縮性側索硬化症)


介護保険の適用とならない40歳未満の方の場合は、医療保険の対象となります。

居宅介護などの障害福祉サービスを利用することができ、介護保険のサービスは利用できません。

訪問看護の場合は、ALSは指定難病に認定されているため、介護保険ではなく医療保険が適用となります。

介護保険の対象となるALS(筋萎縮性側索硬化症)


介護保険を利用して介護サービスを受けられるのは一般的には65歳以上の高齢者ですが、ALSは介護保険の特定疾病に認定されているため、40〜65歳未満の方でも、介護保険の適用となります。

従って40歳以上で介護保険の要介護認定を受けている方は介護保険の対象となります。

介護保険には訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの在宅サービスがあり、これらを利用することができます。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)になったときの各種申請


ALSは国の特定疾患に指定されており、公費による医療費の自己負担分の一部や全額の助成を受けることが可能となっています。

ALSの方が利用できる制度や助成は、①指定難病医療費助成、②高額療養費の還付制度、③身体障害者手帳で障害者医療費助成制度、④生命保険の入院給付金など、この4つがあります。

以下にこの4つの制度・助成について、説明します。

その① 指定難病医療費助成

指定難病医療費助成制度という制度があり、これは、指定難病と診断され、病状の程度が「重症度分類等」という基準において一定の程度以上であったり、継続的な高額医療費の負担のある場合、医療費助成制度の対象となります。

国民健康保険や健康保険組合などの加入者は、医療機関の窓口で医療費の3割を自己負担します。

一方、難病医療費助成の認定を受けた患者の自己負担は、2割を上限として、医療費助成における自己負担上限額(月額)が0〜20000円の範囲で定められています。

この制度を利用するには、難病のある人が都道府県の窓口(所轄の保健所など)へ申請し、審査を経て認定を受ける必要があります。

指定難病の診断基準と重症度分類等は、個々の疾患ごとに設定されています。

その② 高額療養費の還付制度

高額療養費の還付制度とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(所得に応じた自己負担限度額)を超えた分が、約3ヶ月後に払い戻される制度です。

入院の予定があるなど、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示すると、高額療養費分が健康保険から直接、病院に支払われるため、窓口での支払い分が軽減されます。

自己負担額は世帯で合算できるため、世帯で複数の方が同じ月に病気や怪我をして医療機関で受診した場合や、一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

この制度を利用するには、保険者(健康保険組合、協会けんぽ(全国健康保険協会)、共済 組合、国民健康保険など)に申請する必要があります。

申請窓口は保険者によって異なるため、確認が必要です。

その③ 身体障害者手帳で障害者医療費助成制度(重度障害者医療証等)

自治体による心身障害者医療費助成制度という、心身に重度の障害がある方に対して医療費の助成をする制度があります。

心身に障害がある方が保険証を使って病院に受診した場合の自己負担額(室料・文書料を除く)について助成を受けることができます。

対象となる障害の程度や助成の内容は、各自治体によって異なります。

障害の程度としては、身体障害者手帳1級・2級及び、内部障害3級、療育手帳A、特別児童扶養手当1級受給資格者などが対象となっている場合が多いですが、市町村によってあ、精神障害者保険福祉手帳1級所持者も対象となっている場合があります。

自治体によっては、所得に応じて一部負担金の支払いが必要な場合もあります。

その④ 生命保険の入院給付金など

契約によって異なりますが、生命保険に加入している場合、各保険会社の契約に定める高度障害の状態になったときには、保険金の免除または満期(死亡)保険金が支払われます。

入院特約などの特約がついているものもあり、契約を継続した方が有利な場合も多いので、あわてて解約しないようにしましょう。

まとめ


この記事ではALSの病気や保険などについて、詳しく解説しました。以下にこの記事について、まとめます。

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロンが侵される病気で、筋肉の萎縮や筋力の低下を引き起こし、運動障害や言語・嚥下障害などの症状が現れる病気です。
  • ALSの方の場合、医療(国民・社会)保険法、年金(国民・厚生・共済)保険法、介護保険法(40歳以上の場合)、身体障害者福祉法、障害者総合支援法、難病の患者に対する医療等に関する法律などに従って、必要な施策が講じられ、さまざまなサービスが用意されています。
  • ALSは介護保険の特定疾病に認定されているため、40〜65歳未満の方でも、介護保険の適用となります。一方、40歳未満の方の場合は、医療保険の対象となります。しかし、訪問看護の場合は、ALSは指定難病に認定されているため、介護保険ではなく医療保険が適用となります。
  • ALSの方が利用できる制度や助成は、①指定難病医療費助成、②高額療養費の還付制度、③身体障害者手帳で障害者医療費助成制度、④生命保険の入院給付金の4つがあります。

いかに医療が進んでいても、治療困難な病気はたくさん存在し、ALSもその一つです。

ALSと診断されたら、これから病と向き合っていくために、知識や心構えが必要です。

どのような保険が適用になり、どのようなサービスや制度、助成が利用できるのかを知識として知っておくのは大切なことです。

-介護保険

Copyright© たのしい介護 , 2020 All Rights Reserved.