介護保険

【保存版】『介護保険』と『医療保険』の違いをどこよりもわかりやすく説明!

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「介護保険」は介護が必要な高齢者が利用する保険、「医療保険」は病院などで治療が必要な際に利用する保険、似ているようで違う2つの保険ですが、皆さんは違いがわかりますか?

この記事では、「介護保険」と「医療保険」の違いについて、詳しく解説します。

比べてみよう『介護保険』と『医療保険』


「介護保険」と「医療保険」はどちらも国の公的保険です。

この二つの保険はどのように違うのか、それぞれのサービスの対象者、保険料、費用(負担割合)、内容について、詳しく説明します。

その① サービスの対象者について


まず、介護保険では、65歳以上の方(第1号被保険者)、または40歳~64歳の方(第2号被保険者)で16種類の特定疾患に当てはまる方のうち、要支援または要介護と認定された方が対象となります。

特定疾患とは老化が原因とされる以下の16種類があります。

  • がん末期
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

第2号被保険者は、これらの患者以外はどんなに重い症状があっても介護保険を利用することができません。

それに対して医療保険は、日本では原則として全ての国民が公的医療保険に加入しており、その利用に年齢や原因疾患が問われることはなく、実質的に利用条件はありません。 

公的医療保険には、75歳未満の方であれば、健康保険組合、協会けんぽの都道府県支部、市町村国保、共済組合などがあり、75歳以上の方は後期高齢者医療制度があります。

生活保護の方は医療費は保険ではなく、保護費で賄われています。

その② 保険料について

介護保険の場合、40歳〜64歳の方(第2号被保険者)の保険料は、介護保険サービスにかかる費用の見込みから、1人あたりの平均負担額を毎年、国が決めています。

国民健康保険に加入している方は、介護保険料は所得割、資産割、均等割、平等割の4つによりそれぞれ保険料が算定され、それらを合計して決まります。

介護保険料は国民健康保険税の介護保険分として、一括して世帯主が納めます。国民健康保険を支払う時に自動的に引かれます。 

職場の医療保険に加入している方は、給与(標準報酬月額)と各医療保険ごとに設定される介護保険料率に応じて介護保険料が算定されます。

介護保険料はその職場の医療保険の介護保険分として給与から一括して納めます。給与から医療保険料と一緒に自動的に引かれています。

扶養家族の方も同じです。

65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料は、各市区町村が介護サービス給付額の見込みに基づいて3年間の予算を決め、その総額の21%の額を第1号被保険者の保険料としており、それを65歳以上の人数で割って年間の介護保険料を計算しています。

本人の前年の合計所得金額及び、その属する世帯全員の課税状況等により、所得段階が分けられ、市町村ごとに所得段階に合わせた介護保険料が決定されます。介護保険料は、原則として年金から天引きされる特別徴収という支払い方法になります。

年金支給額が年間18万円未満の方などは、納付書払いや口座振替などの普通徴収という支払い方法になります。

医療保険の場合、75歳以上の後期高齢者医療制度の該当者は、介護保険料と同じく年金から天引きの特別徴収、または納付書払い、口座振替の普通徴収という形になります。

74歳以下の方は、保険料は給与から天引き、口座振替、納付書払いという形になります。

被扶養者は保険料が免除されています。

その③ サービスに必要な費用(負担割合)について

介護保険の場合、介護サービスを1割(一定所得以上の方は2〜3割)の費用負担で受けることができます。

介護保険は要支援1・2、要介護1〜5の認定区分により、支給限度額が異なります。

1割(一定所得以上の方は2〜3割)の費用負担でサービスを受けられるのは、この支給限度額内で、限度額を超えて利用した場合には、その分はすべて自己負担しなければなりません。

公的医療保険(健康保険組合、協会けんぽの都道府県支部、市町村国保、共済組合など、75歳以上の方は後期高齢者医療制度)の場合、病院などの窓口で健康保険証を提示することで、医療費の負担が1〜3割になります。

未就学児は2割、小学生〜70歳未満の方は3割、70歳以上75歳未満の方は2割、75歳以上の方は1割(70歳以上の方でも現役並み所得者の場合は3割)の負担割合となります。

医療保険には介護保険のような支給限度額はないため、上限はなく一定の負担割合で使うことができます。

また、自治体によって違いますが、子ども医療費助成制度があります。

その④ サービスの内容について

「介護保険」は介護を必要とする方のための保険で、「医療保険」は病気や怪我の治療のための保険です。

介護のために必要なサービスは介護保険、治療のために必要なサービスは医療保険という形で分かれています。

『介護保険』と『医療保険』どちらが優先されるのか


介護保険の給付は、医療保険の給付より利用を優先することになっているため、要支援・要介護認定を受けている方は、同じサービスならば介護保険を利用することになります。

しかしこれには例外もあります。訪問看護やリハビリテーションについて、介護保険と医療保険どちらが優先されるのかを説明します。

訪問看護

原則的には介護保険の給付が優先となります。

例外的に医療保険が訪問看護が優先されるのは、以下の4つの場合です。

1)介護保険が使えない方

40歳未満の方や、40〜64歳の介護保険特定疾患に該当しない方、65歳以上でも介護保険の認定を受けていない方、介護保険の認定で非該当となった方は医療保険が適用となります。

2)介護保険被保険者のうち、特定の疾病に該当する方

要支援・要介護認定を受けた方でも以下の疾病に該当する場合は、訪問看護は医療保険適用となります。

  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性キンジストロフィー症
  • パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺•大脳皮質基底核変性症•及びパーキンソン病 ) ※重症度分類がヤール3以上かつ生活機能障害がⅡ度またはⅢ度の者に限る
  • 多系統萎縮(線条体黒質変性症•オリーブ橋小脳萎縮症•シャイドレガー症候群)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • 頚髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している場合

3)介護保険被保険者のうち、がん末期の方

それまで介護保険の訪問看護を受けていたとしても、がん末期と診断された時点で医療保険に切り替えられます。

4)介護保険被保険者のうち、「特別訪問看護指示書」が出されている方

全ての訪問看護には医師による「訪問看護指示書」が必要です。

しかし病状の急性増悪などからより頻回な利用が必要となったときには、一時的にこの「特別訪問看護指示書」が出されます。

特別訪問看護指示書による訪問看護は、医療保険のみの対応となります。

リハビリテーション

リハビリテーションの場合は、リハビリの目的が病気の治療にあるかどうかで、介護保険か医療保険かが決まります。

骨折した後に病院などで機能回復を目的として行われるリハビリなど、疾患の治療目的で行われるリハビリは、原則として医療保険が適用されます。

一方で、通所リハビリなどで現状の機能を維持するために行われる歩行練習などのリハビリは、リハビリが治療の一環ではないため、介護保険が適用されます。

訪問看護には理学療法士等が訪問するリハビリテーションもありますが、これは訪問看護の場合と同様に、上記の4つの場合、特定疾患に該当する場合などでは例外的に医療保険が適用となります。
 

3『介護保険』と『医療保険』の併用ができるもの[hy1]


医療保険と介護保険の併用は、基本的には認められません。医療保険は治療目的の場合のみ、治療以外の目的の場合は介護保険が適用されるため、併用はできません。

ただし、例外的に併用が認められる場合もあります。併用が認められるのは以下の場合です。

末期ガン

前述した通り、末期がんなどの方はそれまで介護保険の訪問看護を使っていても医療保険の訪問看護に移行することとなります。

リハビリを利用する場合は、医療保険の訪問看護で算定されるリハビリを利用することもできますし、病院や老健が提供する介護保険の訪問リハビリを使うことも可能です。

介護保険の訪問介護やデイサービスを利用することもできます。

このような場合は、利用者は介護保険と医療保険を併用することになります。
 

その他

介護保険と医療保険、それぞれの保険において、対象となる疾病が異なれば併用は可能です。

例えば脳梗塞後遺症で片麻痺の方が転倒して新たに大腿骨頸部骨折と診断された場合などです。

また、一定期間併用して利用することで医療リハビリから介護リハビリへのスムーズな移行が期待できる場合は、1ヶ月間に限り同じ疾患でも医療保険と介護保険が併用できます。
 

まとめ


この記事では「介護保険」と「医療保険」の違いについて、詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。

  • 「介護保険」は介護を必要とする方のための保険で、「医療保険」は病気や怪我の治療のための保険です。
  • 介護保険は、65歳以上の方(第1号被保険者)、または40歳~64歳の方(第2号被保険者)で16種類の特定疾患に当てはまる方のうち、要支援または要介護と認定された方が対象となるのに対して、医療保険は、実質的に利用条件はありません。
  • 介護保険の場合、負担割合は1〜3割で、所得によって割合が変わり、医療保険の場合は、負担割合は1〜3割で、年齢・所得によって割合が変わります。
  • 介護保険の給付は、医療保険の給付より利用を優先することになっていますが、訪問看護やリハビリテーションについては、例外的に医療保険が優先される場合もあります。
  • 医療保険と介護保険の併用は、基本的には認められませんが、末期ガンの場合などは、例外的に併用が認められています。

「介護保険」は介護を必要とする方のための保険で、「医療保険」は病気や怪我の治療をするための保険です。

若いうちはこれら2つの保険を併用する機会はないですが、40歳以上の特定疾患の方や、65歳以上の高齢者の方で要介護認定を受けている方は、両方の保険を使い分ける必要があります。

ご自分で理解されることも必要ですが、どちらの保険を使えば良いのかわからない場合は、担当のケアマネージャーや市町村の窓口などへ問い合わせてみると良いでしょう。

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