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【緊急】介護保険若者も負担!?被保険者を拡大して財源確保することも・・・

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介護保険制度は65歳以上の高齢者が介護が必要になった際に、必要なサービスを受けられる制度です。

高齢者のための保険であるため、若者には関係ないと思っていませんか?

少子高齢化が進み、財源が不足する中、介護保険の問題は高齢者だけのものではありません。

介護保険制度の課題は財源に有り!


介護保険制度では、サービスを利用する要介護認定を受けた人が料金の1割(一定所得以上の方の場合は2〜3割)を負担し、残りは公費(税金)と40歳以上の人が支払う介護保険料で半分ずつ賄われています。

日本の社会保障制度は、現役世代が高齢者を支える形となっていますが、少子高齢化が進むと、社会を支える現役世代の人口が減り、高齢者の人口が増え、1人の高齢者を支えるための生産年齢人口(15〜64歳)が年々減っていくことが予想されます。

少子高齢化が進み、現役世代の人口が減ることで、介護保険制度の財源となっている税金の収入が減り、介護保険の財源が不足していき、すべてに対応するには、財政面で厳しい状況となります。

被保険者数の現状について


2000年の介護保険制度創設時は、65歳以上の被保険者数は2,165万人でしたが、2018年4月現在、3,492万人であり、この18年間で1.6倍に増えました。

今後も高齢化はますます進み、65歳以上の高齢者数は、2025年には3,677万人で全人口の30%となり、2055年には3,704万人で全人口38%になる予想です。

また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加していき、2055年には25%を超える見込みです。

高齢化に伴い、今後も65歳以上の被保険者数は増加していくと予想されます。

財源不足を解消するための方法


2000年の介護保険制度導入時には、介護給付の総費用額は3.6兆円でしたが、18年間が経過し、高齢化が進む中で介護への需要が高まり、介護給付の総費用額は2018年には2000年の3倍の10.8兆円までにも膨れ上がりました。

財政面を改善するためには、今後ますます高齢者が増える中で、支出を抑えることは難しく、それよりも収入を増やす必要があります。

その① 被保険者の拡大

国は、財源の不足を補うために、介護保険制度開始時には1割だった負担割合を、一定以上の所得がある方に対して2〜3割へと見直しました。

また、65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料は、3年ごとに見直しが行われていますが、見直される度に値上がりしており、2000年の介護保険制度開始当初より約2倍の保険料となっています。

第1号被保険者の保険料の値上がりにも限界があり、今後は40歳以上の第2号被保険者の支払う介護保険料の値上がりが予想されます。

それでも財源が不足する場合は、介護保険料の支払い開始年齢を40歳以下に下げ、若年世代へ被保険者を拡大することが予想されます。

その② 介護報酬の見直し

介護報酬とは、事業者が介護サービスの利用者に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に支払われる報酬のことです。

介護報酬には、本体に相当する基本報酬部分と、一定の条件を充足すると発生する加算(減算)が存在します。

基本報酬部分は、介護サービスごとに定められているもので、その基本報酬部分に上乗せ・減額されるものが加算(減算)です。

介護報酬の改定は3年に一回行われ、基本報酬部分の引き上げ、引き下げが行われる場合と、加算・減算の新設または、条件強化が行われる場合があります。

過去の改定内容は、2015年には、①中等度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、②介護人材確保対策の推進、③サービス評価の適正化などが改定されました。

2018年には、①地域包括ケアシステムの推進、②自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現、③多様な人材の確保と生産性の向上、④介護サービスの適正化・重点化を通じた安定性・持続可能性の確保の4点を主軸に報酬の改定がなされました。

定期的に介護報酬を見直すことで、現在の介護により合った、介護報酬の形を目指しています。

その③ 要介護認定の厳格化

要介護認定は、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。

要支援1〜2、要介護1〜5の7段階あり、認定調査員による訪問調査と主治医の意見書を基に介護認定審査会での審査を経て決められます。

認定調査員による訪問調査は、介護を必要とする本人と家族などへ、身体機能、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応、特別な医療といった全74項目の質問の聞き取り形式で行われます。

この認定調査がきちんと行われていても、最近では家族の予想よりも低い介護度になるケースが多くあると言われています。

その要因として、増え続ける高齢者に対して介護保険の費用を抑制するため、市区町村における判定基準自体が厳しくなっていることが挙げられます。

国は要介護の重度化防止につながる取り組みを一層推進しようと「身体機能の回復実績など、効果のある『自立支援を促す取り組み』を高く評価する」という策を打ち出しています。

例えば、要介護者がリハビリなどの自立支援で成果を上げて介護度が下がれば、国はその市区町村を評価し、介護サービス事業者に報酬を支払うという改正案が進められているのです。

要介護の重度化を防いだり、改善を目指したりする自立支援は好ましいことですが、そのために市区町村における介護認定の判定が厳格化されるのではないかと懸念されています。

その④ サービスの切り捨て

要介護(支援)認定者数は、介護保険制度創設後18年間で、約2.85倍になり、特に要支援1〜2、要介護1の軽度の認定者が増加しており、約3.53倍に増えています。

「要支援」は、2006年から介護予防サービスと位置付けし、要介護状態にならないように、介護予防のためのサービスとしました。

国は、この増加する軽度認定者の介護予防サービスに関して、介護費用の削減を狙い、「軽度者向けサービスを介護保険制度から外していく」という方針を打ち出しました。

これまでは「要支援1〜2」に対する介護予防サービスは、国の基準にもとづいた全国一律の制度でしたが、2015年の介護保険改正により、「介護予防・日常生活支援総合事業」が創設され、訪問介護、デイサービスの2つのサービスは市町村の事業となりました。

事業内容は市町村の裁量に任されることになるため、住んでいる地域によってサービスの内容が違う、これまでと同じサービスが受けられないなどの問題もあります。

現在は、原資を介護保険に依存する形ですが、いずれ切り離され、市町村の独自制度に完全転換を目指す形をとることが予想されます。

まとめ

この記事では、介護保険の財源不足を改善するための方法について、詳しく解説しました。以下にこの記事についてまとめます。

  • 少子高齢化が進み、社会を支える生産年齢人口が減り、介護保険制度の財源が不足していき、財政面で厳しい状況となります。
  • 2000年の介護保険制度創設時より、65歳以上の被保険者数は1.6倍に増え、2025年には全人口の30%、2055年には38%になる予想です。
  • 財源の不足を補うために、負担割合や保険料を引き上げる対策が行われましたが、これには限界があり、今後は介護保険料の支払い開始年齢を40歳以下に下げ、若年世代へ被保険者を拡大することが予想されます。
  • 財源不足を解消するために、介護報酬の見直しや要介護認定の厳格化、軽度認定者のサービスの切り捨てなどの、対策も行われます。

少子高齢化は今後さらに進むことが予想され、介護保険の財源の不足は避けることのできない問題です。

介護保険制度は2000年に創設され、これまでに何度も見直しがされ、改定をしてきましたが、大きな改善はなされないままであり、今後は被保険者を若年世代へ拡大することも考えられます。

これからの時代は、介護保険制度は高齢者だけのものではなく、若者も支えていく制度です。

若い世代の人たちも、介護保険制度についての知識をつけていく必要があります。

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