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介護保険は将来大丈夫!?介護給付費の推移から分析!

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日本の高齢化はますます進み、高齢化率が21%を超える「超高齢社会」に突入しています。

高齢化進むと心配なのは、介護保険制度です。

この記事では、今後増えることが予想される介護給付の推移について、詳しく解説します。

そもそも介護給付とは?


介護給付とは、介護が必要と認定された人に給付される介護保険の保険給付のことです。

介護給付の対象者は要介護1~要介護5判定を受けた人に限ります。

介護給付とは別に予防給付サービス(予防給付)というものがあり、これは、要介護認定で要支援1~2と認定された方が利用できる介護保険のサービスです。

介護給付は介護に関わる費用の支給に加えて、介護サービスの提供も行われます。

要介護度の度合いによって異なりますが、訪問による介護や入浴、訪問リハビリテーションや訪問看護などの居宅サービス、介護保険施設を利用した施設サービス、市区町村が行う地域密着型サービスなどが受けられます。

介護給付費は増えている!?


介護給付費とは、1年間にかかった介護サービスの保険料支払額のことをいいます。

日本は2017年現在、65歳以上高齢者の総人口に占める割合(高齢化率)が27.7%であり、超高齢社会となりました。

高齢化が進むにつれ、介護保険の需要も高まり、介護給付費は年々増加の一途をたどっています。

その① 介護給付費の推移

介護保険創設時の2000年度は介護給付費の総額は3.6兆円でしたが、2003年度には5.7兆円、2006年度には6.4兆円、2009年度には7.4兆円、2012年度には8.8兆円、2015年度には10.1兆円へと年々増加しています。

2017年度現在では、過去最高の10.8兆円にまで膨れ上がり、今後も介護給付費が増加していくことが予想されます。

その② 介護給付費が増大する背景

介護保険制度は、平均寿命の延びや高齢化の進展に伴い、「要介護高齢者の増加」「介護期間の長期化」「核家族化」「介護する家族の高齢化」といった、家族だけで担いきれないという問題を解決すべく、介護を社会全体で支える制度として2000年に創設された保険制度です。

介護保険制度では、サービスを利用する要介護認定を受けた人が料金の1割(一定所得以上の方の場合は2〜3割)を負担し、残りは公費(税金)と40歳以上の人が支払う介護保険料で半分ずつ賄われています。

また、介護が必要な高齢者数も増加傾向にあります。要介護認定者数も2000年には218万人でしたが、2018年4月現在、644万人と過去最高であり、この17年間で3倍に増えました。

このうち、要支援1~2、要介護1の軽度の認定者数が3.9倍と、大幅に増えています。

高齢化が進み、介護保険制度の需要が高まっていくと、今後どんどん介護給付費が増加していくことが予想されます。

その③ 一人当たりの費用額の推移

受給者一人当たりの費用額は、2018年度が17万600円であり、2017年度と比較すると、10300円増え、約6%増加しています。

今後もこのような形で一人当たりの費用額が増え続けると、膨大な額になってしまいます。

介護給付費がここまで膨れ上がってしまったことに対して、厚生労働省は「年齢が上がるにつれて、一人当たりの介護費が増加している。

さらに、年齢が80歳を超えた辺りから、どんどん介護費用が増えている。」ということがわかるデータを発表しています。

65歳~69歳では3.5万円と、それほどかからない年間の介護費用ですが、75歳~79歳では17.1万円に、85歳~89歳ではさらに79.9万円に、90歳超に関しては153.9万円ものお金がかかっています。

高齢になればなるほど、病気や怪我の発生のリスクも増え、体が思うように動かなくなり、介護費用が高くなるのは自然の流れです。

それに日本は超高齢社会へ突入し、平均寿命も年々伸びており、介護が必要になるリスクを抱える高齢者の数も大幅に増えています。

その④ 自己負担が少ないから保険料が増大?

介護保険を利用する際には、所得に応じて1〜3割の自己負担があります。

自己負担1割の方の場合、10万円の介護用ベッドを購入する際でも、自己負担額は10万円の1割の1万円で済みます。

残りの9万円は税金で支払われています。

介護サービスに関しても同じことが言え、月3万円の訪問介護を利用しても、自己負担額は1割の3000円で済み、残りの27000円は税金で支払われます。

介護保険適用外のサービスなどもありますが、これらは保険が効かないため全額自己負担となり、利用者の支払う額は高額になります。

少しでも自己負担の少ないサービスを選ぶことは誰しも同じであり、介護保険サービスの需要は高いです。

それに高齢化が相まって、ますます介護保険の需要は高まっています。

介護保険の原資となっているのは、自己負担分を除いて、残りは税金です。

これでは介護費は膨らむ一方で、問題となっています。

介護保険制度の将来を考える


介護保険制度は2000年の創設時から2018年までの18年間で、さまざまな変化がありました。

65歳以上の被保険者数は2018年現在3,492万人であり、2000年の介護保険制度創設時から1.6倍に増えました。

今後も高齢化はますます進み、65歳以上の高齢者数は、2025年には3,677万人で全人口の30%となり、2055年には3,704万人で全人口38%になる予想です。

また、要介護認定者の数は2018年現在644万人であり、2000年から3倍に増えました。

このうち、要支援1〜2、要介護1の軽度の認定者数が3.9倍と、大幅に増えています。

65歳以上の被保険者数が18年間で1.6倍に増える中、サービス利用者数は3.2倍に増え、介護保険は高齢者の介護になくてはならないものとして、定着・発展しています。

介護保険料の全国平均は2000年は2911円でしたが、2018年は5869円であり、約2倍に増えています。

高齢化により、65歳以上で介護や支援が必要な人が増加しているため、今後も保険料は上昇していき、団塊の世代が75歳以上になる2025年度、保険料は約7200円まで上がると予想されいます。

介護保険料の対策として、被保険者の介護保険料の引き上げや一定所得以上の方の負担割合の増大などがなされてきました。

75歳以上の介護保険の自己負担を2割に引き上げたり、要介護度の軽い人向けのサービスを保険からはずすなどの審議が取りざたされていますが、それでも財源が足りなくなると、40歳よりも若いうちから介護保険料を支払わないといけなくなる日が来るかもしれません。

また、介護保険だけでは賄いきれない部分は、近所の人たちの協力やボランティアなどを活用していくことも考えていかなければなりません。

まとめ


この記事では介護保険制度の将来、介護給付の推移について、詳しく解説しました。以下にこの記事についてまとめます。

  • 介護給付とは要介護1〜5の認定を受けた方に対して、予防給付とは要支援1~2の認定を受けた方に対して給付される介護保険の保険給付のことです。居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどが受けられます。
  • 介護給付費の総額は介護保険創設時の2000年は3.6兆円でしたが、2017年には過去最高の10.8兆円にまで増加しています。要介護認定者数も2000年の218万人から2018年には644万人と3倍に増えています。受給者一人当たりの費用額は、2018年度が17万600円であり、前年より6%増加しています。
  • 今後も高齢化はますます進み、65歳以上の高齢者数は、2025年には全人口の30%、2055年には38%になる予想です。介護給付費は年々上昇しており、その対策として、被保険者の介護保険料の引き上げや負担割合の増大(一定所得以上の方)などがなされてきましたが、それでもまだ改善には至っていません。

日本人の平均寿命は年々伸びており、2018年には過去最高を更新し、男性81.09歳、女性87.26歳です。

医療が発達し、健康寿命も伸びていますが、高齢になれば病気や怪我の発生のリスクも増えます。

日本は超高齢社会へ突入し、2025年には全人口の30%、2055年には38%が65歳以上の高齢者になる予想です。

介護保険制度も今のままの制度を進めていくことは難しく、時代の流れに合わせて改正が必要となるでしょう。

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