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介護保険認定の有効期限が改正され簡素化!最高で3年に!

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介護保険制度の根幹のひとつである、要介護認定。自立、要支援1・2、要介護1~5の全8段階に介護が必要な度合いをレベル分けし、このレベルに応じて介護サービスの種類や量が決定される仕組みになっています。

実はこの要介護認定には、様々なプロセスを踏む必要があり、2018年4月よりその過程が大きく改訂されることになりました。

介護が必要な人には直接関係がないと思われるこの仕組みですが、実は後々大きな影響を及ぼす可能性があるのです。

大きな変更点は、要介護認定プロセスの簡素化と更新認定の有効期間延長の2つです。

そこで今回は、この新たに導入される要介護認定の仕組み変更について解説していきます。

要介護認定が簡素化された背景


まずは、要介護認定の簡素化や有効期間の延長がなぜ議論されたのか、その背景について見ていきましょう。

国の資料によると、要介護度の認定を受けた高齢者は、2017年末の時点で約642万人でした。

介護保険制度が開始された2000年は218万人でしたので、この時点で約3倍の数になっています。

今後は団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題もあり、今後も右肩上がりに増加が続いてくことが予見されています。

そんな中、厚生労働省は2016年の段階で、市町村の介護保険業務担当者や要介護認定等に関わる専門家たちの業務量が過多とならないように対策を講じる方針が決定されていました。

更新認定の有効期限が延長


まずは、更新認定の有効期間延長についてです。従前は、有効期間が6ヵ月~24ヵ月の間で要介護者に応じて決定されていました。

それが2018年の改訂により、6ヵ月~36ヵ月の間で有効期間が決定されることになったのです。

これにより、要介護認定を受けている方の有効期間が全体的に伸びれば、その分更新のサイクルが長くなるため、ひと月あたりの更新申請者数が減ることとなり、行政の負担が減ることになるのです。

それでは、それぞれのケース毎にどのように変更されるのか具体的に確認していきましょう。

新規申請の場合

新規申請の場合は、変更ありません。

原則の有効期間は6ヵ月で、設定が可能な期間は3ヵ月~12ヵ月となっており、その方の状態に合わせて決定されます。

区分変更申請

区分変更申請の場合も同様に、原則の有効期間は6ヵ月で、設定が可能な期間は3ヵ月~12ヵ月となっており、その方の状態に合わせて決定されます。

更新申請:前回要支援→今回要支援の場合

更新申請で、前回が要支援1・2の方が今回も要支援の決定となった場合は、原則12ヵ月の期間に対し、3ヵ月~36ヵ月の有効期間となります。

在宅の介護支援専門員である筆者の私見ですが、要支援の判定になっている方は比較的期間を短く設定されている場合が多く、12ヵ月~24ヵ月の間で設定されていることが多い印象があります。

更新申請:前回要支援→今回要介護の場合

前回要支援1・2の方が要介護の決定となった場合は、原則12ヵ月ですが上記同様に3ヵ月~36ヵ月で設定されます。

要支援と要介護の境目の方は状態の変化が多いこともあり、6ヵ月から12ヵ月の間で設定されることが多いようです。

更新申請:前回要介護→今回要支援の場合

前回要介護→今回要支援の場合は、要支援→要介護の場合と同様に、今後の状態変化が予想されることもあり、6ヵ月~12ヵ月の間で設定されていることが多い印象です。このバターンの場合、24ヵ月~36ヵ月の期間となることは殆どないといっていいでしょう。

更新申請:前回要介護→今回要介護の場合

前回要介護→今回も要介護という場合、原則は12ヵ月ですが安定していると認められれば36ヵ月の期間が設定されることが多いです。

特に、要介護4や5で認定されることが続いている場合はほぼ36ヵ月で設定されていると言っても過言ではないでしょう。

認定審査会による判定の簡素化

次に、大きな変更の2つめである判定の簡素化についてご紹介します。

そもそも要介護認定とは、2つのステップで介護の必要性やその量を介護の“基準時間”として評価・精査しランク付けする仕組みです。

1次判定として、市町村の調査員若しくは委託された民間の介護支援専門員が要介護者本人や家族と面接して調査する“認定調査”の結果と、主治医からの意見書に基づいてコンピューターにかけ、判定されます。

さらに、その結果や認定調査で得られた具体的に生じている介護の内容等の詳細情報を元に学識経験者や有識者等で構成される認定審査会にて協議し、2次判定として最終決定されるシステムになっています。

この流れのどの部分をどのように簡素化させるかについては、それぞれの市町村が実情に合わせて決めてよいとされているものの、認定審査会の開催自体は省略できないことになっています。

例えば、事前に審査会委員の同意を得た上、2次判定のプロセスを省略してそのまま1次判定の結果を採用する形が想定されています。

  • 簡素化される6つの要件
  • ご紹介した簡素化が実施されるためには、全部で6つの要件を満たす必要があります。

    • 65歳以上の高齢者であること
    • 更新申請であること
    • 1次判定の要介護度が前回の認定結果と同一であること
    • 前回の認定の有効期間が12ヵ月以上であること
    • 1次判定で要介護1・2となった場合は、状態安定性判定ロジックで「安定」と評価されていること
    • 次判定の基準時間が1段階上の介護度に至るまで3分以上あること

    この6つを全て満たす場合のみ、簡素化することができますが、厚生労働省によると2016年度の実績を確認したところ、この条件を満たして簡素化の対象となるのは年間全体数の22.7%でした。

    そのうちの97.1%は、実際に1次判定と2次判定の結果が同じものであったことが報告されています。

    まとめ


    このように、2018年4月からの制度改正により、有効期間を最長3年とすること、6つの要件を満たすことによって2次判定プロセスを省略して要介護度を決定するなどの簡素化が出来るようになりました。

    現在の要介護認定者数は右肩上がりに増加しており、判定事務の遅れや負担の増大が指摘されていたため、順当な制度変更と言えるでしょう。

    ただし、これによって利用者に悪影響が出ることは避けなければなりません。

    簡素化と同時に、これらの制度の慎重な運用も求められています。

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