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介護保険認定の区分変更とは?

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 要介護認定の結果に納得いかないとき、認定有効期間の満了がまだまだ先なのに突然容体が悪化して介護サービスの増加が必要になったとき、または、利用しているサービスが少ないのに要介護度が高いせいで余計な費用を払っていると感じるとき…。

要介護者を抱えていると、要介護度に関する様々な疑問や不都合を感じることがありますよね。

そんな時に、問題解決の一助となる方法が、区分変更という手続きです。

今回は、この区分変更という手続きについて、その方法やメリット&デメリットについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

介護保険認定の区分変更について

まず、介護保険認定について解説しましょう。介護保険制度は、それぞれの“要介護度”によって、受けることが出来るサービス種類やサービス量が変わります。

サービスの種類によっては、要介護度によって1回当たりの金額も変わってきます。

要介護度は、「自立」「要支援1・2」「要介護1~5」の全8段階に分かれています。

「必要な介護の量や状態像が変化したので、それに合致する介護サービスを利用したい」と考えるのが、よくある利用者の思考といえます。

1-1 区分変更とは何か

上記の思考を通常と考えたとき、要介護認定を受けたときと比べて現在の状態が重くなった(軽くなった)と感じたとき、現在のサービス種別や量を増やしたい(減らしたい)と考えるのは自然の事でしょう。

また、通所介護や通所リハビリテーションといった通所系、特別養護老人ホームやグループホームのような入所系の施設は、要介護度によって1日当たりの利用料が変化します。

そうなったときに、以前と比べて介護に必要な手間が減ったのに同じ料金を払うことに抵抗を感じることも少なくありません。

そうなったときに有効な手続きが、区分変更です。

区分変更とは、現在の要介護度が実情とそぐわないと考えるときに行う手続きで、これを行うことにより、改めて要介護度を再度判定してもらうことが出来る仕組みです。

もう一つ、認定された要介護度に不満がある場合の方法として、“不服申し立て”という方法があります。

これは要介護認定の通知を受けた翌日から60日以内しかできないという決まりがあり、また結果が出るまでに数か月かかるというデメリットがあり、あまり現実的ではありません。

区分変更であれば、通常1ヵ月程度で結果が出て、申請した日に遡って効力が発生します。

そのため、よりタイムリーに要介護度を実情に近づけることが出来る区分変更手続きが重宝されているのです。

区分変更の申請方法

区分変更を行いたい場合は、まず担当の介護支援専門員に相談しましょう。親身に対応してくれる介護支援専門員であれば、逆に利用者やその家族に区分変更の鉄続きを提案してくることもあるはずです。

利用者及び家族の区分変更に対する移行を確認した介護支援専門員は、区分変更をするための根拠を纏めます。

本人やご家族、サービス提供を行っている各事業所に聴取したり、利用時の様子を確認に行ったりして現状の確認を行い、その妥当性について専門的視点で確認した後、区分変更の申請手続きを実施することになります。

書類を揃えたり、様式を作成するのは担当の介護支援専門員が行ってくれる場合が多いので、利用者やその家族は書類の同意欄に署名し、現在の介護保険証を介護支援専門員に渡すだけでOKです。

なお、手続きの詳細については、お住いの市町村によって違いがある場合がありますので、詳しくはそれぞれの自治体の介護保険担当課や担当の介護支援専門員の方に前もって確認しておくことをおススメします。

なお、担当の介護支援専門員の方が代行してくれない場合は、利用者もしくはその家族が自分で申請することもできます。

下記で説明する書類を揃え、介護保険担当窓口に提出しましょう。

区分変更に必要な書類

区分変更手続きに必要な書類は、
〇要介護認定・要支援認定等申請書(区分変更)
〇介護保険被保険者証

となります。

要介護者が第二号被保険者(40歳以上64歳以下の方で、特定疾病により要介護状態となっている方)の場合は、医療保険被保険者証のコピーも合わせて必要になります。

なお、要介護認定・要支援認定等申請書については書類の名称が各自治体によって違いますので、事前に確認しましょう。

どの市町村でも、基本的にはホームページからダウンロードできるようになっていますので、わざわざ窓口に取りに行かなくても書類をプリントアウトして作成することができます。

この様式にはマイナンバーを記入する欄がありますが、分からなければ記入しなくても受理してもらえるケースが殆どです。

現在の介護保険被保険者証と一緒に提出しましょう。なお、自治体によっては提出時に本人確認のため身分証明書の提示を求められる場合があるので、合わせて用意しておいてください。

区分変更をする動機となるケース

次に、どのような場合に区分変更をすることになるのか、よくある例をケース別にご紹介していきます。

その① 状態の悪化→介護量アップ

最も多いのが、介護に必要な手間が増大したことにより、介護サービス量を増やしたり軽度の方が現在の要介護度では利用できないサービスを利用したりしたいがために行う区分変更です。

原因としてよくあるのが、転倒による骨折などで身の回りのことが自分で出来なくなった場合や、突然の認知症状の悪化によって現在のサービスでは対応が困難となった場合などが考えられます。

また、末期がんの方は短期間で容体が変わることも多いため、区分変更申請の理由として多いケースとなります。

介護保険制度の中に福祉用具貸与という、電動ベッドや車椅子等の様々な介護に役立つ道具をレンタルできるサービスがありますが、要介護度2未満の方は利用できない品目があります。

要介護認定によっては、今まで要介護1以下だったために借りることが出来なかった用具を安価でレンタルできるようになる可能性があるというのも大きなメリットとなります。

その一方で、要介護度が上がる前提で新たにサービスを組んで介護度確定前に事前にサービス量増加を行って開始していた場合、仮に要介護度が変わらなかったり予測より少ない上昇幅だった場合は高額の自己負担額が発生する場合があるので、よく担当の介護支援専門員と情報交換をしながら検討することをおススメします。

その② 更新→介護度ダウン

次にあるケースが、要介護認定の更新時期で更新したら、予想外に要介護度が下がってしまった場合です。

本来、この場合は“不服申し立て”という制度を活用します。ただしこれは、大変複雑な手続きを踏まなければならない上に、結果が出るまで数か月かかることになります。

それに対し、区分変更によって新しい要介護度が判定されるのは約1ヵ月。

そのため、より素早く本来必要な介護サービスを提供するために区分変更手続きをとるという、からめ手的な使い方をされることがあるのです。

その③ 状態が改善した又は更新申請で重くなった

まれに、「状態が変わっていないのに要介護度が上がってしまったことが不服だ」という訴えが出る場合があります。

要介護度は、確かに高ければ高いほど利用できるサービス量が増えますが、実はデメリットもあるのです。

それは、デイサービスやデイケア、特別養護老人ホーム等の一部のサービスでは要介護度が高ければ高いほど1日あたりの単価が上がってしまうという点です。

実際の状態は変わっていないのに、要介護度が上がったことによって費用負担が増えることは納得いきませんよね。この場合も区分変更を行う理由となります。

上記2つは、担当の介護支援専門員も課題として考えて、利用者に提案してくれる場合が殆どですが、このケースの場合は、実際に介護サービス利用料を支払っている本人・家族目線で区分変更が必要であることに気付く場合が殆どです。

まとめ

区分変更手続きとは、現在の要介護度に対して実情と差異があると感じるようになった際に有効な手続きになります。

但しその一方で、区分変更を実施しても結果が変わらなかった、逆に軽くなってしまったという場合もあります。

この場合の対応については各市町村によって違いますが、ある意味ではギャンブル的側面がある手続きとも言えるでしょう。

より意向に沿った結果を目指すためには、認定調査には必ず担当の介護支援専門員からも同席してもらう、事前に主治医に大変さを説明して主治医意見書に反映させてもらうなどの根回しも重要になります。

うまく立ち回れば利用者にとってメリットとなる結果になる場合も多いので、ぜひ有効に活用していきたいですね。

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