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介護保険の認定で『非該当』になるとどうなる?地域支援事業が受けられる!

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皆様の周りには、介護サービスを使いたいと考えて要介護認定の申請を行ったものの、『非該当』という判定が出て困っている人はいませんか?

要介護認定とは、要支援1・2と要介護1~5の7段階がありますが、正式にはこの介護保険サービス対象外となる『非該当』も含めた8段階になっています。

実は、『非該当』と認定された方でも諦める必要はないんです。

今回は、要介護認定で『非該当』と判定された方でも利用できる福祉サービスについて詳しく解説していきましょう。

『非該当』となりできる事できない事

それでは、まずは『非該当』となったときにできない事、『非該当』と判定されても利用できる介護関連の福祉サービスについて確認していきましょう。

その① できる事

仮に『非該当』と認定された場合であっても、実際には生活の一部に支援が必要だったり、閉じこもりがちだったり、運動の機会の現象によって身体機能が衰えて要介護状態に陥るリスクがある方々は沢山います。

そのような方を対象にした介護福祉サービスが、“介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)”です。

この事業は、市町村が中心となり、地域の実情に応じて住民やボランティア団体等の多様なサービス主体が参画して様々な介護予防等に繋がるサービスを提供することによって地域の支え合い体制づくりを推進し、要介護認定の対象外となっている方も包括的に効率的な支援を可能とすることを目指しているものになります。

詳細は後述しますが、この事業に基づくサービスを活用にすることによって、介護保険サービスの訪問介護や通所介護に相当するサービス(あくまで介護予防目的ですが)を利用することができるんです。

それ以外にも、様々な介護予防事業が市町村を中心に開催されています。

ぜひ、この“総合事業”をキーワードにお住まいの市町村の様々な取り組みを調べてみてください。

なお、『非該当』であれば基本的に入所系の施設に入ることはできないのですが、身寄りがない方が市町村の措置によって入所できる養護老人ホームや、有料老人ホームの中でも“健康型有料老人ホーム”であれば入居の対象となる場合があります。

その② できない事

『非該当』とは、つまり要介護認定の対象外と判定された状態のことを指します。

そのため、介護保険サービスであるデイサービスやホームヘルパー、通所リハビリ(デイケア)、福祉用具レンタル等のサービスを利用することはできません。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の介護保険入所施設は勿論、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等の施設でも要介護認定を受けていることが入居条件とされているものが多いため、独り暮らしに不安を感じている方にとってはデメリットとなってしまいますね。

また、それに伴い各市町村ごとに実施されている要介護度がついた方を対象にしたオムツ券やタクシー券などの助成等も実質的に受けられないということになります。

地域支援事業について

それでは次に、地域支援事業の詳細について解説していきます。

地域支援事業とは、平成18年から始まっている制度です。

冒頭でご紹介した、『非該当』の方でも利用できる可能性がある介護福祉サービスである“総合事業”は、この地域支援事業の3本柱の1つとなっています。

あとの2つは、“包括的支援事業”と“任意事業”。

地域支援事業とは、この3つの事業によって構成されているのです。

続いては、この3つの事業についてそれぞれ詳しくご紹介していきましょう。

その① 新しい介護予防・日常生活支援総合事業

介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)とは、地域の実情に応じた効果的な介護予防の推進を目的として、活動的な高齢者を対象に生活機能の維持向上に向けた取り組みを行う一次予防事業と、要支援1・2を含む要介護状態となる恐れがあると認められる65歳以上の方を対象とした二次予防事業に分かれていたものです。

これが平成27年の制度改正により、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業という新たな区分に変更されました。

介護予防・生活支援サービス事業とは

このサービスは、要支援1・2の認定を受けた方と、『非該当』とされた方や要介護認定の申請を行っていない方でも“基本チェックリスト”と呼ばれるテストを行った結果基準に該当した人が利用できるサービスです。

既存のデイサービスや訪問介護の事業者が通常の介護保険サービスと併設して実施している以外に、ボランティア団体や民間企業などが多様な方向から住民主体によって自主的な通いの場づくりを行うことも目的となっています。

具体的には、以下の4つのサービスがあります。

  • 訪問型サービス(介護保険制度の訪問介護に相当)
  • 通所型サービス(介護保険制度の通所介護に相当)
  • 介護予防支援事業(ケアマネジメント)
  • その他の生活支援サービス(配食サービスや住民ボランティアによる見守り等)

一般介護予防事業とは

こちらのサービスは、65歳以上の方であれば誰でも参加できる事業です。

保健所や福祉センター、コミュニティセンター等を会場とした介護予防教室や集いの場、地域交流サロンなどが特徴で、地域の身近な場所で交流を図りながら介護予防活動を自主的に継続できるように支援するのが主な目的となっています。

その具体的事業は、以下の5つです。

  • 介護予防把握事業(基本チェックリストを用いて、高齢者が定期的に自分の健康状態を把握するようにしていき、地域住民主体の介護予防活動へつなげる)
  • 介護予防普及啓発事業(介護予防リーダー(市民ボランティア)、理学療法士などの指導のもとで、簡単なリズム体操、軽体操、筋力アップや転倒予防の運動教室、ストレッチ、イスに座ってできるエクササイズ、ストレッチ、ダンベル、セラバンドなどを用いて筋力アップを目的とした介護予防のための運動を行う)
  • 地域介護予防活動支援事業(地域における住民主体の介護予防活動の育成・支援を行う)
  • 一般介護予防事業評価事業(一般介護予防事業を始めとした総合事業の利用実績を介護保険システムに取り込み、事業参加した方の要介護認定移行状況等の統計をとり、事業の効果を評価できるような仕組みについて検討する)
  • 地域リハビリテーション活動支援事業(市町村及び地域包括支援センターと協力し、地域ケア会議、住民運営の会の場、通所、訪問、サービス担当者会議等へのリハビリテーション専門職の関与を促進する)

その② 包括的支援事業

包括的支援事業とは、地域ケアマネジメントを総合的に行うために、介護予防ケアマネジメントや総合的な相談支援、権利擁護事業、ケアマネジメント支援を包括的に行う事業のことです。

市町村からの委託を受けて、地域包括支援センターが一括して担います。

地域包括支援センターとは、基本的に各中学校区毎に設置されており、専門職員(社会福祉士・主任介護支援専門員・保健師等)が配置されています。

介護予防ケアマネジメントの提供を含めた保健・福祉・医療に関する相談支援を総合的に受け付け、対応する地域包括ケアの中心的存在です。

その③ 任意事業

任意事業とは、自町村を実施主体とし、地域の実情に応じた市町村同時の発想や創意工夫によった形態で様々な事業を実施しています。

例えば、介護給付等費用適正化事業として認定調査状況の確認やケアプラン点検によるケアマネジャーへの指導、介護サービス事業者等への適正化支援等が行われています。

また、家族介護支援事業として、要介護高齢者を対象とした介護教室の開催や、認知症高齢者見守り事業、介護者交流会の開催なども行います。

それ以外にも、成年後見制度利用支援事業や福祉用具・住宅改修利用支援事業などもあります。

保健福祉サービスについて

これら以外にも、『非該当』の方が利用できるサービスがあります。

それが、自治体ごとに特徴ある高齢者保健福祉サービスです。概ね60~65歳以上を対象とする生涯活動の支援に関する内容が多くなっています。

例えば筆者の居住地に近い仙台市では、市が運営する施設利用料の減免が受けられる制度や、高齢者のためのパソコン講座、銭湯の利用料金を100円にするサービス、高齢になってからでもできる社会活動を支援する活動等が実施されています。

ぜひ、お住まいの市町村で行っている活動を調べてみてください。

まとめ

きたる2025年問題に向けて、国は要介護者へのサービス提供量適正化を目指す一方で、特に要介護状態になることを予防したり、そこから回復を目指したりすることによって介護給付費をできるだけ抑制することに力を注いでいます。

そのための方策が、地域支援事業であり、総合事業です。

『非該当』の人でも使えるサービス…というよりは、心身の機能が衰えて要介護状態になる可能性がある、“介護の必要性を感じて要介護認定申請したけど『非該当』だった”人達に対する制度とも言えます。

『非該当』になってしまった人たちは、決して運が悪いのでも、介護を受けたいのに受けさせてもらえない可哀想な人たちでもありません。

適切な介護予防策を講ずることによって要介護状態になることを防ぐことができる可能性を持った人たち、と言えるのです。

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