障害手帳を持っていると、障害の種類によりますが、さまざまな場面で割引や減免等を受けられるが場合あります。
自動車税の減免もその一つです。
一方で介護保険で要介護の認定を受けている場合はどうなのでしょうか?
この記事では、介護保険認定を受けている場合に、自動車税が免除になるのかどうか、解説します。
そもそも自動車税とは何か?
自動車税とは、毎年4月1日時点で、自動車を所有(使用)している人が支払う税金です。
普通車にかかる税金を自動車税、軽自動車にかかる税金を軽自動車税と呼びます。
この二つは管轄が違い、自動車税は都道府県に、軽自動車税は市町村に納めます。
対象者には4月末から5月上旬に、納税通知書が郵送されます。
自動車税の金額は、「普通車」と「軽自動車」で異なり、普通車では排気量によって変わります。
自家用普通車の税額を以下の表にまとめます。
これに対して自家用軽自動車は排気量に関わらず、以下の金額です。
- 2015年3月31日までに購入した軽自動車 7,200円
- 2015年4月1日以降に購入した軽自動車 10,800円
自動車税が一部免除となるケース
自動車税の減免となる要件に「身体障害者等」という要件があります。この「身体障害者等」に含まれる範囲は以下の①〜⑤のいずれかに該当する方です。
- 身体障害者手帳の交付を受けている場合
- 戦傷病者手帳の交付を受けている場合
- 療育手帳の交付を受けている場合
- 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合
- 小児慢性特定疾患児手帳の交付を受けている場合
以下にこれらそれぞれの場合について詳しく説明します。
その① 身体障害者手帳の交付を受けている
身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)に基づく身体障害者手帳の交付を受けている方で、別表の左欄に掲げる障害の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)別表第5号に規定する障害の級別に該当する障害を有する方は、「身体障害者等」に含まれ、自動車税の減免の要件に入ります。
その② 戦傷病者手帳の交付を受けている
戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)に基づく戦傷病者手帳の交付を受けている方で、恩給法(大正12年法律第48号)別表第1号表ノ2に規定する重度障害の程度に該当する障害を有する方は、「身体障害者等」に含まれ、自動車税の減免の要件に入ります。
その③ 療育手帳の交付を受けている
児童相談所又は知的障害者更生相談所の判定により知的障害者とされた方で、都道府県又は市区町村から療育手帳等の交付を受けているものの内、重度の障害を有する方は、「身体障害者等」に含まれ、自動車税の減免の要件に入ります。
その④ 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)に基づく精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方の内、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令(昭和25年政令第155号)第6条第3項に規定する1級の障害を有する方は、「身体障害者等」に含まれ、自動車税の減免の要件に入ります。
(障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第36条第3号に規定する精神通院医療に係る自立支援医療費の支給を受けている方に限る)
その⑤ 小児慢性特定疾患児手帳の交付を受けている
児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づく小児慢性特定疾患児手帳その他これに類するものの交付を受けている方のうち、児童福祉法第21条の5の規定に基づき厚生労働大臣が定める慢性疾患及び当該疾患ごとに厚生労働大臣が定める疾患の状態の程度(平成17年厚生労働省告示第23号)第8表に規定する色素性乾皮症の認定を受けている方は、「身体障害者等」に含まれ、自動車税の減免の要件に入ります。
その⑥ 介護保険との関係は?
自動車税の減免は「身体障害者等」の要件(上記の要件)に該当しているかで判断され、これは介護保険とは全く別のものです。
介護保険で要介護認定を=「減免対象」というわけではないため、介護保険と自動車税には直接的な関係はありません。
自動車税一部免除(減免)の申請
自動車税一部免除の申請は、以下のさまざまな場合により、異なります。
その① 申請の方法
A. 4月1日午前0時現在において所有している自動車について、障害者手帳等も前年度以前から交付を受けていて、新たに減免申請する場合。
B. 4月1日午前0時現在において所有している自動車について、障害者手帳等が交付又は等級変更されたことにより新たに減免対象となったため、新たに減免申請する場合。
C. 年度の途中で新たに取得した自動車
年度の途中で自動車を取得して、初めて減免申請する場合。
※なお、4月1日以降に移転登録により取得した場合は、その年度の自動車税は前所有者に納める義務があり、取得された自動車に係る自動車税の減免は翌年度からとなります。
D. 買換え等により取得した自動車
自動車税又は軽自動車税の減免を受けていた自動車又は軽自動車(自動車等)の買換え等により新たに取得された自動車等に係る自動車税又は自動車取得税の減免は、既に減免を受けている自動車等(既減免車)の抹消登録等が完了している場合に限り受けられます。
その② 必要書類
身体障害者等に係る減免申請をする際には、「自動車取得税・自動車税減免申請書(身体障害者等用)」に、以下の書類を添付する必要があります。
申請に必要な添付書類は、下記の表1の自動車の所有者・運転者の区分によって異なります。
表1. 減免対象となる自動車の所有者・運転者の区分
表2. 減免申請書に添付する書類一覧
まとめ
この記事では、介護保険認定を受けている場合に、自動車税が免除になるのかどうか、解説しました。以下にこの記事の内容について、まとめます。
- 自動車税とは、毎年4月1日時点で、自動車を所有(使用)している人が支払う税金で、普通車にかかる税金を自動車税、軽自動車にかかる税金を軽自動車税と呼びます。自動車税の金額は、「普通車」と「軽自動車」で異なり、普通車では排気量によって変わります。
- 自動車税の減免となる要件に「身体障害者等」という要件があり、これに含まれる範囲は①身体障害者手帳の交付を受けている場合、②戦傷病者手帳の交付を受けている場合、③療育手帳の交付を受けている場合、④精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合、⑤小児慢性特定疾患児手帳の交付を受けている場合、のいずれかに該当する方です。
- 自動車税の減免は「身体障害者等」の要件に該当しているかで判断されるものであり、介護保険の要介護認定は減免対象にはなりません。
- 自動車税の身体障害者等に係る減免申請をする際には、「自動車取得税・自動車税減免申請書(身体障害者等用)」に、必要書類を添付する必要があります。
障害者手帳を持っている方、介護保険認定を受けている方、どちらも障害を抱えている方ですが、自動車税の減免に関しては、介護保険は直接的な関係はなく、減免を受けることはできません。
障害者手帳を持っていると受けられる割引は、他にも携帯電話料金やタクシー料金などがあり、該当するものがあるかもしれません。
何を受けられるのかを確認してみると良いでしょう。