介護保険

民間介護保険は必要?その理由を徹底解説!

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突然ですが、民間の介護保険について加入を検討したことはあるでしょうか?

国が運営している強制加入の公的介護保険制度があるんだから、わざわざ余計なお金を払って民間の保険に入る必要なんてない!

って考えている人も少なくないのではないでしょうか。

筆者は在宅の介護支援専門員として活動していますが、実は公的介護保険にはできることとできないことがあり、いざとなったときに後悔するような事態に直面した利用者様をたくさん見てきています。

そこで今回は、民間介護保険の必要性について、一緒に考えてみたいと思います。

公的介護保険でカバーできる部分

ではまず実際に、公的介護保険では介護が必要になったときにどのような保障があるのかを確認していきましょう。

主な保障内容は全部で3つ。

  • 介護サービスを安価で受けることが出来る
  • 高額介護サービス費制度
  • 高額介護合算療養費制度

となっています。

それぞれの内容について解説していきますね。

介護サービスを安価で受けることが出来る

これが介護保険制度のメインです。

介護が必要になったとき、訪問介護を利用したり日帰りでリハビリに出かけたり、介護に必要な福祉用具を借りたりすることができます。

これらのサービスを総称して「介護サービス」としており、このサービスを受けるために必要な代金は、一部を覗いてその種類や内容毎に介護保険法の中で国が定めています。

例えば、ホームヘルパーから自宅に来てもらって30分(法律上は20分以上30分未満)のサービスを受けると、1回あたり2,480円。

床から起き上がれない方のために電動ベッドをレンタルするとすると、本体+マットレス+転落防止柵を組み合わせると、標準的な用具でも月20,000円程かかります。

これがひと月分となると、かなりの金額ですよね。

公的介護保険制度の保障によって、このサービス費用の自己負担分を1~3割にすることができるのです。

但し要介護度によって減額利用できるサービス量の上限が決まっていますし、その自己負担割合は当該利用者の所得によって決定されます。

高額介護サービス費制度

基本的に1~3割で介護サービスを利用できますが、それでも自己負担額が高額になってしまうことも考えられます。

公的医療保険には「高額療養費制度」といって所得に応じて上限額を超えた部分が返ってくる仕組みがありますが、実は公的介護保険にも同様の制度があります。

それが「高額介護サービス費制度」です。

世帯や個人の収入によって負担上限額が定められていて、超えた分が後日払い戻されます。

上限額は予め定められていますが、一旦はその超過した分も含めて支払わなければならず、後日返金という点には注意が必要ですね。

その金額はそれぞれ下記のようになっています。

☆高額介護サービス費の自己負担上限額(月額)☆
区分

区分 70歳以上の方
現役並み所得者 44000円(世帯)
一般世帯(住民税課税対象者) 44000円(世帯)
低所得世帯(住民税非課税世帯) 24600円(世帯)
前年所得合計+年金の合計が80万円以下の方等 24600円(世帯)15000円(個人)
生活保護受給者 15000円(個人)

高額介護合算療養費制度

ひとつの世帯で公的医療保険や介護保険の給付を受けたとしても、それでも高額になってしまう場合もあるでしょう。

そうなったときに活用できるのが、「高額介護合算療養費制度」です。

これは8月~7月を年度として区切り、同じ世帯でかかった医療費や介護費を合算し、上限を超えたときに超過分が払い戻されるという仕組みです。

この上限についても、下記の表のように収入によって異なります。

☆高額介護合算療養費制度の負担上限額☆

所得区分 70歳未満 70歳以上
年収約1 160万以上の方 212万円
年収約700万~1 160万の方 141万円
年収約370万~770万円の方 67万円 67万円
年収約156万~370万円 60万円 56万円
住民税非課税世帯Ⅱ 34万円 31万円
住民税非課税世帯Ⅰ(年金収入80万円以下など) 34万円 19万円

このように、ある程度は公的介護保険を活用することによって介護費用を抑えることが可能になります。

しかし、逆に言えば、これ以外の介護にかかる費用は保障されませんので、本人や家族の収入や貯蓄で賄わなければなりません。

例えばオムツ代や老人ホーム等に入居した際の居住費・食費・入居一時金や権利金といった費用です。

実はこれら介護保険サービス費以外の費用が家計やキャッシュフローを圧迫する原因となる場合が多いのです。

民間介護保険は必要か?

このように、公的介護保険でカバーできる部分は限られているということが分かりました。

基本的には介護サービスを上限の中で割引価格で利用できるのが公的介護保険の中身とも言えますね。

こうなってくると、問題になってくるのが費用です。

その① いつまで介護が続くか分からない不安

介護にかかる費用で最も大きなポイントとなるのは、介護生活はいつまで続くのか分からないという点です。

生命保険文化センターというところが行った調査によると、介護に要する月々の平均費用は約7.8万円。

それに対して介護生活の期間平均は約4年7ヵ月という結果が出ています。

介護が終わるということは、すなわち要介護者が永眠するということ。命の期間なんて誰にもわかりません。

私が以前在籍していた特別養護老人ホームでは、10年以上入居生活を続けているという方も数人いらっしゃいました。

介護生活が長くなればその分、費用はたくさんかかるということになりますよね。さらに言えば、そこに医療費やその他生活消耗品の費用も重くのしかかってくるということになります。

その② 国の財源はますますピンチ!

日本は世界屈指の長寿国家。医療技術も日進月歩。

ますます長寿命化は進みます。

その一方で、かねてからの少子化による現役世代の減少も進んでいます。

まさに人口減少社会。

このような状況から、平成12年から平成30年にかけての18年間で、要支援・要介護認定者は3倍に膨れ上がっています。

それに比例して右肩上がりなのが、社会保障費。40歳以上の国民が支払う介護保険料。

制度開始時点では全国平均2,911円だったものが、2020年度には6,771円になると言われています。

これらの要素が絡み合い、現在は介護保険制度の持続可能性そのものが危ぶまれている状況に陥っているのです。

今後は介護支援専門員が作るケアプランの有料化や更なる介護保険料の値上げ、負担割合判定の基準見直し等も囁かれており、ますます老後生活に必要な資金が増していくことは容易に想像できるということになっています。

民間介護保険に加入した方がいい人

それでは最後に、民間の介護保険に加入すべき人について考えていきましょう。

逆に言えば、この条件に当てはまらない人は民間介護保険に加入する必要性は低いと言える内容になっています。

その① 年金に自信がない人

月額25万円程度の年金を受け取れる人であれば、どんな要介護状態になってもある程度対応可能という試算があります。

仮に自宅介護が困難となっても、グループホームや住宅型有料老人ホームなどに入居することが出来るでしょう。

このような施設では、毎月15~20万程度の費用が発生します。

住宅事情が厳しい都心であれば、それ以上でしょう。

自信は老後いくら年金を貰えるのか、定期的に郵送されてくる「ねんきん特別便」を、一度確認してみると良いでしょう。

この年金額だけで足りなければ、月額換算で25万円との差額を補ってくれる民間介護保険を探すことをおススメします。

その② 夫婦二人の年金が保障されていない

今までお伝えしてきた金額は、あくまで一人に必要なお金。

仮に夫婦で介護が必要な状態になったとすると、単純計算で倍かかるわけです。

夫婦共働きで厚生年金を満額貰える方であっても、2人の年金受給額の合計が月50万円なんて、相当なレアケースです。

その③ 1,000万円の貯金がない

老後2,000万円必要だと訴える試算の問題が記憶に新しいですが、毎月の収入で補えない分は当然ながら貯蓄を切り崩して補填することになります。

いざという時の為にまとまったお金は取っておきたいもの。

そもそも、介護はいつまで続くか誰にも分かりません。

そのような状況の中で貯蓄を切り崩して生活するというのは、かなり不安を感じますよね。

まとめ


このように、公的の介護保険だけでは老後の介護生活を乗り切ることは困難です。

1人あたり月額25万円の年金を貰っているような方であれば民間介護保険に加入する必要性は低い、とお伝えしましたが、私たちのような一般市民では殆ど貰うことはできません。

つまり、殆どのケースで民間介護保険への加入は有効だということになります。

冷静に将来を見つめ、今から備えを進めていくことが必要だと言えますね。

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