介護タクシーと言えば、通院や買い物など、日常生活上必要な行為の送迎が一般的です。
障害者や高齢者の方も観光へ行きたいけれど手段や付き添ってくれる人がいないなどの悩みがあります。
そんな悩みを解決してくれる観光介護タクシーについて、詳しく解説します。
観光介護タクシーの概要
観光介護タクシーとは、高齢者や障害者・病弱者などの観光を支援する介護タクシーのことです。
ドライバーは、介護系・看護系の資格を有し、技術的には車椅子介助はもちろん階段介助や入浴介助・トイレ介助など特殊な介護技術も取得しています。
観光のガイド知識を豊富に有していることから、各観光の案内などにもたけています。また、旅の計画などの立案や手配も行っています。
その① どんな人がドライバーなの?
観光介護タクシーのドライバーは、以下の必要資格があります。
- 二種免許
- 介護系・看護系の資格(ヘルパー2級、介護勝因実務者研修、介護福祉士、准看護師、看護師など)
- 観光ケアドライバー講習(民間資格)
その② どんな人が利用できるの?
介護タクシーの利用対象者は、自宅、有料老人ホーム、ケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで生活をしていて、一人でバスや電車などの公共交通機関に乗ることができない要介護1~5の人です。
しかし、これは介護保険適用の場合であり、介護保険適用外の場合であれば、この限りではありません。
要介護認定を受けていない方でも、移動が困難な状態であれば利用することができます。用途にも制限はありません。
その③ どのような利用方法ができるの?
観光介護タクシー事業者では、車椅子で行ける露天風呂や宿泊を兼ねての観光旅行・寺院や仏像巡り・名所巡りなどの観光旅行に対応しています。
ある事業者の例では、日帰りコースでは、お墓参りや結婚式及び披露宴、遊園地、公園、お花見などのコースがあります。
宿泊コースでは、1日では回れない場合や遠方に行く場合にはホテルや旅館に宿泊します。
付き添いの方が同行できない場合でも、ドライバーが介護技術を取得しているため、寺院などの階段介助や、旅館での入浴介助、トイレ介助なども安心です。
その④ 費用はどれぐらいなの?
一般の介護タクシー料金は、国土交通省が設定した運賃幅の中から認可を受けたタクシーメータ運賃(認可運賃)に、介助料金、車椅子などのレンタル料金で決まります。
認可運賃は地域ごとに設定された運賃幅で介護タクシー事業者が設定ます。
一方、介助料やレンタル料は介護タクシー事業者が認可を受けずに自由に設定ができるため、ホームページで料金を確認したり、事前に見積りを取るなど、予約前に料金を確認することをお勧めします。
観光介護タクシーのメリット
観光介護タクシーならではのメリットがあります。
以下に観光介護タクシーのメリットについて、紹介します。
その① 旅は最高のリハビリ!
障害があっても、高齢になっても旅をしたいという思いは皆同じです。しかし、障害者、高齢者の方たちは、障害があるから、車椅子だからと旅を諦めてしまっている方もいます。
健常者の方がリフレッシュに旅へ行くのと同様に、障害者、高齢者の方も旅へ行くことでリフレッシュできます。
また、旅へ行くことで、自宅では味わうことのできない外の空気や景色、生き物など、さまざまな刺激を感じることができます。
これは何よりのリハビリになります。さらに旅の楽しみを感じることにより、また旅に行きたいという目標ができ、それに向けて日々のリハビリにも励むことができます。
その② 自由度が高い!
観光介護タクシーは、介護保険適用外であり、対象者や行き先の制限がないため、移動が困難な方であれば、どなたでもどこへでも利用することができ、かなり自由度が高いです。
行けるところへ行くのではなく、行きたいところへ行くことができます。
宿泊を伴う旅行や冠婚葬祭、海外旅行への同行サポートなど、行き先は様々です。
今まで無理だと諦めていた行き先でも、観光介護タクシーを利用すれば行くことができます。
その③ 余計なストレスが不用!
車椅子で外出しようと思うと、旅先までの公共交通機関、ルート、観光場所の車椅子使用状況を確認しておく必要があり、旅へ行くまでにかなりの労力が必要です。
観光介護タクシーであれば、旅の計画などの立案や手配も行ってくれるため、利用する人は行きたい場所を決めるだけです。
また、高齢の夫婦で旅行に行きたい場合、家族に付き添い介助を頼むのは申し訳ない、頼みにくいという方もいます。
このような場合でも、観光介護タクシーであれば、ドライバーやケアスタッフに介助をお願いできるため、余計なストレスがいらず、心おきなく旅行を楽しんでもらうことができます。
まとめ
この記事では観光介護タクシーについて、詳しく解説しました。以下にこの記事の内容について、まとめます。
- 観光介護タクシーとは、高齢者や障害者・病弱者などの観光を支援する介護タクシーです。ドライバーは、二種免許、介護系・看護系の資格を持ち、観光ケアドライバー講習を受けている、介護技術を取得している人です。
- 要介護認定を受けていない方でも、移動が困難な状態であれば利用することができ、用途にも制限はありません。車椅子で行ける露天風呂や宿泊を兼ねての観光旅行・寺院や仏像巡り・名所巡りなどの観光旅行に対応しています。
- タクシーメータ運賃(認可運賃)に、介助料金、車椅子などのレンタル料金を足した料金となります。介助料やレンタル料は介護タクシー事業者が自由に設定ができるため、事前に確認すると良いです。
- 観光介護タクシーは自由度が高く、余計なストレスが不要というメリットがあり、何より旅をすることが最高のリハビリになります。
今までは観光というと健常者を対象としたものがほとんどでしたが、これからの超高齢化社会においては、観光の対象に障害者・高齢者も含まれるべきです。
観光介護タクシーはそんな観光に行きたいと思っている障害者・高齢者の方の願いを叶えるサービスです。
旅に出ることで、今までの日常では得ることのできなかったものを得ることができ、生活の質を大きく向上させることができます。
近くに観光介護サービスを行っている事業者があれば、ぜひ一度活用してみましょう。