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介護施設のおける事故報告書の書き方の全て!

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介護施設での転倒など、利用者に怪我を負わせてしまうことはあってはならないことですが、完全に防ぐことは難しいのが現状です。

もしこのような「介護事故」が起こってしまった場合はどのように対応したら良いのでしょうか?

この記事では、介護施設における事故報告書の書き方について詳しく解説します。

そもそも『介護事故』とは


介護事故とは言葉の通り、介護中に転倒などにより利用者に身体的外傷を負わせてしまうことなど、介護の現場で起きる事故のことを言います。

身体的外傷には軽度な切り傷、擦り傷から、打撲、捻挫、脱臼、やけど、骨折などの怪我、場合によっては死亡といったケースまで様々です。

また、外傷以外にも、誤嚥や異食、食中毒、感染といった病気につながる事故もあります。

外傷や病気以外にも、物の損害が出てしまう場合も介護事故にあたります。

介護業務中における大切な物の置き忘れや水没、破損、紛失なども介護事故となります。

利用者の事故だけではなく、介護する側の介護職員自身の事故も介護事故です。

事故報告書を書く意義について


事故の状況や受傷の程度、医療処置などを介護職員が書類として記録を残し、事故の事実の報告をし、同じ事故を起こさないように対策を考え、他の職員に周知をしておく必要があります。

そのために事故報告書を作成する必要があります。

事故報告書のメリットとデメリット


事故報告書は作成することでさまざまなメリットがあります。

一方で事故報告書を作成することでデメリットも存在します。

ここでは事故報告書のメリットとデメリットについて説明します。

その① メリット

介護事故が起こった場合に、事故報告書を作成し事故の記録を残すことで、同様の事故が起こらないよう適切な対策を取りやすくなり、事故の再発防止に繋がります。

事故の隠蔽を防ぎ、記録を詳細に残すことで、その後のトラブルを少なくするという目的もあります。

また、介護職員の意識が高まり、介護の質の向上に繋がるというメリットもあります。

その② デメリット

介護職員は日常的に必要なケアの他に、常に介護事故を起こさないようにプレッシャーを感じながら仕事をしています。

そして、介護事故が起こってしまった際には事故を起こしてしまったショックと、事故報告書を作成するという心理的ストレスが二重でのしかかることになります。

事故報告書は詳細に記載することで、対策を考え再発防止になります。

しかし、日々のケアもある中、勤務時間中に数時間も事故報告書に時間を割くことは困難です。

ほとんどの場合は残業をして事故報告書を作成することになります。

このように事故報告書を作成することは、デメリットにもなるため、介護事故を起こした職員を他の職員がしっかりフォローし、互いに助け合えるような環境を作ることが大切です。

事故報告書で記入する内容


事故報告書は介護施設で日本全国統一された書式はありません。

書式は違いますが、記入する内容はどの施設でも似たようなものです。

以下に事故報告書に必ず記入する内容について詳しく説明していきます。

その① 事故の発生状況

発生日時、発生場所、事故の種別、受傷程度、事故の内容について、簡潔に要点を記入します。

この発生状況を記載する際には、自分が見た状況や聞こえた物音などの客観的事実と、利用者が話された言葉をそのまま報告書に記載します。

介護士の推測や憶測を記載してしまわないように注意しましょう。

その② 事故によって発生した外傷等の説明

事故によって外傷が発生した場合は、外傷の場所や大きさ、発赤などについて記載をします。

外傷の大きさについても、◯cm×◯cmというように具体的な数値も記載して傷の程度が分かるようにします。

「異常なし」とは、受診した結果異常がない場合のことを言いますので、安易に「異常なし」とは記入しないようにしましょう。

その③ 事故後の対応

応急処置等の対処の状況を簡潔に記入します。

また、通院や入院した場合は、その医療機関名、受診結果なども記入しておきます。

家族への事故の報告状況についても記入します。

家族の納得状況や損害賠償等がある場合は、その内容についても記入しておきます。

その④ 事故の分析・予防策

発生した事故についての原因の究明と以降同じような事故が発生しないための具体的な対応・防止策を検討します。

対応策を考える際には、当事者や発見者である介護士以外の事故の当事者となった高齢者を担当する介護士が複数名集まり協議します。

介護士1人だけで対策を考えることは一方向の考え方になりますので、必ず複数名の介護士で意見を出し合います。

また、事故の対策を考えるために、他の職種を交えて多方面から話し合う会議(ケアカンファレンス)を行う施設もあります。

まとめ


この記事では、介護事故における事故報告書の書き方について、詳しく解説しました。

以下にこの記事の内容についてまとめます。

  • 介護事故とは、介護中に転倒などにより利用者に身体的外傷などを負わせてしまうことで、介護の現場で起きる事故のことです。
  • 事故の状況や受傷の程度、医療処置などを介護職員が書類として記録を残し、事故の事実の報告をし、同じ事故を起こさないように対策を考え、他の職員に周知をするために、事故報告書を作成します。
  • 事故報告書を作成することで、事故の再発防止に繋がる、事故の隠蔽を防ぎトラブルを少なくする、介護職員の意識向上、介護の質の向上などのメリットがあります。一方で、事故報告書を作成することで、ストレスや責任などがのしかかる、残業が増えるなどのデメリットもあり、現場でフォローし合うことが大切です。
  • 事故報告書を作成する際には、事故の発生状況、事故によって発生した外傷等、事故後の対応、事故の分析・予防策について記入します。

高齢者の方の命と安全を預かる仕事である介護現場では、介護事故はあってはならないことですが、完全に防ぐことは難しいです。

実際に介護事故が起こってしまった場合には、事故報告書を作成し、その事故について分析・検討し、同じような事故が再度起こらないように努めることが大切です。

事故報告書は作成には手間がかかりますが、今後の予防のためにも、詳細に記入すると良いでしょう。

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