介護保険

必要な時に利用できない『介護施設不足問題』とは?介護難民にならない方法は?

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高齢化が進み、介護のニーズは高まっていますが、介護職員や介護施設が不足している現状があります。

介護が必要な人が介護が受けられない場合もあり、「介護難民」という言葉も存在します。

この記事では介護難民にならない方法について詳しく解説します。

あなたの地域は大丈夫?介護施設不足は他人事ではない!


介護施設不足は人口の多い都市部のみで起こっている問題だと思っていませんか?

地方の介護施設でも待機者は多く、介護施設は不足しています。

以下に詳しく説明します。

その① 特別養護老人ホームの待機者はまだまだ多い

特別養護老人ホームは介護保険適用の介護施設であり、比較的費用が安いため人気があります。

2019年4月1日時点で特別養護老人ホームの入所待機者は29万2487人です。

3年前の調査から0.9%減っており、高齢化で介護が必要な人の増加に合わせた施設整備が一定程度進んだとも言えますが、まだまだ待機者が多いのが現状です。

その② あなたの地域に頼りになる介護施設はある?

2025年には東京圏だけで介護難民が約13万人発生するとされています。

東京周辺では、高度成長期に職を求めて移住してきた人が高齢世代となり、高齢者人口が急増しつつあるのが現状です。

東京周辺に高齢者世代が一極集中しているため、介護の担い手となる若い世代が不足し、大量の介護難民の発生が危惧されています。

供給不足は東京だけではなく、いずれの自治体でも2020年に渡 って続く見込みです。

横浜市、大阪市では 2020 年時点で 5 万人分以上が不足する見込みです。

供給不足は人口密度の高い大都市であるほど問題となりますが、地方の自治体でも供給不足が起こらないとは言えません。

ご自分の自治体がどの程度の余裕があるのか、受け皿になる介護施設はどれぐらいあるのかは、情報と知っておいた方が良いでしょう。

介護施設が不足する最大の理由は人手不足!


高齢化社会が進み、介護職のニーズは高まっていますが、介護職員の給料は少なく、待遇が悪いと言われており、介護職員はなかなか増えず、不足しています。

その① 介護人材に対する評価が低い

介護福祉士は国家資格であり、国が認めた介護・福祉の専門的な資格です。

しかし、一般的には介護業務の専門性という社会認識がされず、「プロとしての業務」よりも「家族が行なう介護の代行」という考え方が今も強く残っています。

またここ数年、介護職員による虐待などの事件がたびたび報道され、介護業務の社会的評価が低くなっているのが現状です。

その② 介護職員を目指す高校生や大学生が少ない

介護職員の年齢が上昇しており、平均年齢は46.2歳となっています。

また、施設介護職員のうち20代職員の割合は約10%と非常に少ない状況です。

介護職員の高年齢化や若手職員が極めて少ない状況は、介護職員の賃金の低さ、そして賃金に釣り合わない仕事量の多さが大きく影響していると考えられます。

介護職員は離職率も高く、結婚や出産・育児などにより、介護の現場を離職する人も多いです。

このような介護業界の問題から、介護職員を目指す高校生や大学生が少なくなっており、また若手職員が少なくなるという悪循環になっています。

これでは中高年職員が介護サービスの中心として負担が大きく、段階的に経験を積んでベテラン職員を育成する、将来的にリーダーや管理職を担える人材を育てる、といった長期的な人事管理も困難になります。

その③ 介護施設に勤める職員の給与が安い

日本全産業の平均年収は440万円ですが、介護職全体の平均年収は335万円と、大きな開きがあります。

介護職員の年収が低い要因の一つに公定価格の存在があります。

介護施設などの事業者は、介護保険が適用される介護サービスを提供すると、その対価として介護報酬を支給されます。

そのため各介護サービスの単価は介護報酬に応じて決められる公定価格となっています。

介護事業者は、介護報酬から設備運営費などを差し引いたお金を介護職員に給料として支給します。

そのため、事業者に支払われる介護報酬が大幅に増えなければ、介護職員の給料を引き上げることは難しいのです。

しかし、今後介護職員の処遇改善が行われていく可能性はあります。

その方策として厚生労働省は「介護職員処遇改善加算」という制度を設けました。

これは介護職員のキャリアパスの仕組みを作ったり、職場環境の改善を行ったりした事業所に対して、介護職員の賃金を上げるための加算(報酬)を支給するというものです。

介護難民にならない3つの方法


施設整備が進み、介護施設の入所待機者数は減ってはきていますが、まだまだ待機者数は多く、施設に入りたいのに入れない、介護のサービスを受けたいのに受けられない介護難民の方は多くいます。

ここでは介護難民にならないための3つの方法を紹介します。

その① 選択肢の幅を広げる

入所施設を例に考えると、費用面で条件の良い特別養護老人ホームのみを選択肢にしていると、人気のため待機者も多く、なかなか入居できないのが現状です。

多少費用はかかりますが、選択肢を有料老人ホームにまで広げると、さまざまな有料老人ホームが増えているため、入居までの待機の時間も短くなる可能性があります。

また、既存の施設だけでなく、今後開設が予定されている新規の施設への入居を狙うのもオススメです。新規に開設された施設では、既存の入居者はおらず、オープンに合わせて入居者を一挙に募ります。

そのため、待機者数が多い施設に比べると、入居申請時の審査に通りやすい状況です。

その② 十分な資金を準備しておく

いろいろな介護サービスがあるなかで、当然それぞれのサービスを受けるにあたっての、「費用」は異なります。

資金に限りがあると、選べる介護サービスは限られますし、費用が安価なものは、求める人も多くなります。

例えば入所施設であれば、特別養護老人ホームが、長期的に入居できて安価な施設ですが、入居希望者が殺到し、なかなか入居できない高齢者が多いのが現状です。

また、特別養護老人ホームへの入居要件は「要介護3以上」であるため、要支援1〜2、要介護1〜2の方は特別養護老人ホームには入居することができません。

介護度が軽くても一人暮らしや高齢者夫婦、虐待の問題などさまざまな理由で在宅での介護生活が難しい高齢者がいます。

その場合、特別養護老人ホームには介護度が理由で入居することができないため、費用のかかる有料老人ホームなど別のサービス施設を利用する選択肢しかありません。

在宅生活が難しくなったときに、十分な介護費用の備えがあれば介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなども検討でき、選択の幅が広がり、介護難民になるリスクを回避できます。

その③ 元気なうちから介護や福祉に興味を持つ

介護が必要になってから色々と調べていては間に合いません。

元気なうちから介護や福祉に興味を持ち、色々な情報を得て介護が必要になったときにスムーズに利用できるようにしておくと良いでしょう。

また、介護難民にならないためには、「自分の生活はできるだけ自分で行う」を目標に、介護予防に取り組んでいく姿勢が大切です。

毎日の運動やできる家事を率先して行うことで、身体機能や日常の生活機能の低下を防止することができます。

脳梗塞など大きな病気の後に障害が残り介護が必要になってしまったとしても、「寝たきり」にならないようにリハビリを行うことが重要です。

介護を必要とせずに自立して行動できる「健康寿命」を伸ばすために日々の暮らしで健康に気をつけること。

そして、介護が必要となっても、一つでも良いから自分自身でできることを増やしていく努力を怠らないことこそ、介護サービスが必要な項目を減らすことができるポイントであり、介護難民にならないためにも一番重要なことといえます。

国が目指す『外国人』の介護士とは?


前述したように、介護施設では介護士不足が深刻であり、徐々に外国人労働者の受け入れが進んでいます。

介護という仕事は、利用者の尊厳を守り自立支援に資する介護を行うため、高い知識、技術、倫理などが求められ、介護職員には高い教育と専門性が必要です。

また、介護は対人援助サービスであり、日本語でのコミュニケーションが不可欠です。介護行為は身体的な介護技術だけでなく、言葉での働きかけが重要な要素となり、コミュニケーション技術も必要です。

従って外国人が介護現場で働くためには、十分な日本語でのコミュニケーション能力と介護の基本的な知識・技術・倫理が必要です。

外国人が日本語や介護の技術を学んで現場で働けるようになるためには時間がかかります。

介護の人手不足を解消するには国内での人材確保にも、より力を入れる必要があります。

まず、日本人の介護職員の処遇改善、労働環境の整備、介護職員のキャリアパスの構築などを国、行政、関係団体、経営者などが協力して行い、国内での介護労働力の確保を優先すべきあると考えられます。

5 まとめ


この記事では、介護難民にならない方法について、詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。

  • 高齢化で介護が必要な人の増加に合わせた施設整備が一定程度進みましたが、特別養護老人ホームの待機者はまだまだ多いのが現状です。
  • 介護人材に対する評価が低い、介護職員を目指す若者が少ない、給与が安いなどの理由から、介護人材不足が問題となっています。
  • 介護難民にならないための3つの方法は、①選択肢の幅を広げる、②十分な資金を準備しておく、③元気なうちから介護や福祉に興味を持つ、です。
  • 介護の現場では少しずつ外国人労働者の受け入れが進んでいますが、日本語や介護の技術を学んで現場で働けるようになるために時間がかかるなどの問題もあり、国内での労働力の確保を優先すべきと思われます。

高齢化に伴い、介護が必要な人の数は増える一方ですが、介護の人材不足により、介護がhつような人が必要な介護を受けられない「介護難民」の問題が深刻になっています。

介護難民にならないためには、サービスやお金の問題もありますが、まずは介護が必要な状態にならない、これ以上の介護が必要にならないようにするといった介護予防の考えがとても重要になります。

皆さんも体が元気なうちから介護の問題を深刻にとらえ、介護予防に努めましょう。

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