VR(バーチャルリアリティー)といえば、ゲームやエンターテイメントで知られていますね。
ところが今、介護施設でもこのVRも人気が高まっています。
VRが要介護者の心を知り、より良い介護の提供に役立つというのです。
今回は、VRが介護施設でどのように活用できるのか?その効果と合わせてお伝えします。
そもそもVRとはなにか
インターネットが普及し、ほとんどの人がほぼ毎日スマホやパソコンでネット環境に触れる時代となりました。
ITの世界は信じられないような速さで進歩し、その結果私たちの身近になりつつある
ものが、VR(ヴァーチャルリアリティー)です。
VRは、ゲームやエンターテイメントの一つとしてよく知られていますね。
VR(バーチャルリアリティー)の日本語訳は、「仮想現実」。現実ではない仮想や空想の世界が現実になるといったところでしょうか。
分かりやすく言うと、「仮想の世界の中に自分が入り込み、それを現実であるかのように体感できる」というテクノロジーです。
実はこのVRはゲームの世界だけでなく、介護の分野、また教育、医療、不動産など幅広い分野で活用されているのです。
介護・福祉業界で注目されるVR
現在多くの業界で、VRの有意義な活用法が見出されています。
特に、介護・福祉業界では、その活用性が大変高いと注目されています。
その① 介護・福祉とVRの相性は抜群
介護・福祉とVR、似ても似つかない世界の取り合わせですよね。
初めて聞く人は、どのような関連性があるの?と感じるかもしれません。
しかし、VRは介護・福祉との相性がとても良いのです。
介護の現場では、スタッフの予想外の出来事が次々に起こり得ます。
自分にとってはほんの些細なことが、体に障害のある人にとって大きな壁となっていることに気づかないことがあります。
認知症の人の思いをくみ取ることが難しいことがあります。
この予想していなかったこと、予想できなかったことを、仮想現実として体感できるものがVRです。
仮想現実の世界で今まで見えなかった世界を見て、事実を知ることが、今後の介護に大きな前進をもたらすと期待されています。
その② 介護施設でのVRの活用
介護施設の中には、すでにVRを取り入れているところも少なくありません。
VRは、介護をするスタッフだけでなく介護をされる要介護者の方々にも、有意義な活用法があり、すでに様々な会社により、たくさんのサービスが開発されています。
VR を上手く活用することで、今まで以上に要介護者に寄り添った介護を期待することができます。
また、介護が初めての新入スタッフへのデモンストレーションや現場研修としても、利用価値が高いです。
要介護者、入所者の方々には、仮想現実を使って楽しい体験を提供することが可能となります。
楽しみは、毎日の生活にメリハリをつけ、脳にもよい刺激を与えますので、VRを利用して、多いに楽しんでもらいたいものですね。
画期的なVRで、介護現場をワンランクアップ
介護・福祉分野のVRはどれも大変画期的で、将来の介護業界への明るい光となっています。
VRを利用すれば、介護に対する概念が変わりそうです。
その① 認知症体験
認知症は、単なるもの忘れではなく、日常生活の「当り前」が日に日に難しくなるという辛さがあります。
本人が感じる「なぜか?何が起きているのか?」という不安な気持ちを、自分のこととして、体験することができる、沢山のサービスが制作されています。
認知症の方がどう感じ、どう思っているか、なぜこのような行動をとるのかは、介護スタッフが常に大きな課題としていることでしょう。
認知症体験VRを活用すれば、些細な一言で不穏にさせてしまったり、気持ちを汲んであげることがなかなかできないなどの悩みも、解決の方向へ向かうのではないでしょうか。
https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho
A Walk Through Dementia
こちらはイギリスで開発されたアルツハイマー病の体験アプリです。
「今までできた当たりまえができない辛さ」を体感できる、介護スタッフや患者の家族としてはぜひ試したいものの一つです。
認知症やアルツハイマー病の患者の心を知ることができます。
その② 幻想体験
認知症の症状の一つに、幻視があります。
本当はそこにないものが見えたり、そこにあるものが違うものに見えたりする症状です。
周りの人からすれば「何を言っているの?そんなものはいないよ」で済ませてしまいがち。
そして、今まで、これを毎日見ている本人の気持ちは本人にしかわかりませんでした。
どんな気持ちで見ているのか?この幻視の世界をありのままに体験するVRで、認知症とは何か?その概念が変わります。
その③ 介護訓練
介護の現場をリアルに体験でき、スタッフの介護訓練となるサービスもたくさんあります。
介護の現場で起こるいろいろな出来事やシーンの中に入り込み、介護スタッフの目、そして要介護者の目を通して見て、体験することができます。
要介護者の目線から見ることで初めて、スタッフの言葉や表情がどう映っていたか?など、気が付くことがたくさんあります。
また、介護に慣れていない新人スタッフの現場研修材料としてもうってつけのVRです。
まとめ
介護・福祉分野のVRはどれも大変画期的で、将来の介護業界への明るい光となっています。
VRの活用でこれまでの介護が変わりそうですね。