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介護施設で行なわれる利用者・家族からのパワハラに迫る!

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介護施設で行なわれる利用者・家族からのパワハラに迫る!

介護施設でのパワハラが大きな問題となっています。

その性質上、表面化しにくいものですが、放置すると介護職員の離職、人手不足に拍車をかけることになり、将来私たちが十分に介護を受けられなくなってしまいます。

介護施設のパワハラ問題解消のため、現状を知り、対策に努めましょう。

介護施設での利用者・家族からのパワハラの実態

介護施設での利用者・家族からのパワハラの実態
パワハラとは、職場内での優位性を背景にした嫌がらせ行為です。

パワハラというと上司によるものが一般的ですが、介護施設においては、利用者や家族からのしつような嫌がらせも客という立場を利用したパワハラに該当し、実際に多くの介護施設で事例があります。

パワハラに当たる行為は厚生労働省により6つに類型化されています。

身体的な攻撃:暴行、障害
精神的な攻撃:脅迫、暴言、侮辱、名誉棄損など
人間関係からの切り離し:隔離、仲間はずし、無視
過大な要求:業務上明らかなに不要なことや遂行不可能な強制、仕事の妨害
過少な要求:業務上の合理性なく、能力や経験にかけ離れた「程度の低い仕事」を命じることや仕事を与えないこと
個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること

日本介護クラフトユニオン(NCCU)の調査によると、回答のあった約2400人のうち、「全体の約70%が利用者やその家族からパワハラを受けたことがある」また、「約30%がセクハラを受けたことがある」とされています。

これを受けて厚生労働省では、「介護職場におけるハラスメント対策マニュアル」を策定しました。

個人レベルでの解決が難しいため、職員間での速やかな情報開示や、利用者に対する規則の周知徹底など、問題解決に向けての取り組みが提案されています。

介護施設で利用者・家族から受けるパワハラの種類

介護施設で利用者・家族から受けるパワハラの種類
介護施設における利用者や家族からのパワハラとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

事例を見ていきましょう。

その① 暴言

  • 容姿や勤務態度をきつい言葉でなじる
  • 攻撃的な態度で大声を出す
  • よくこんな汚い仕事をするなどと見下される

その② 暴力

  • 身体介護時に殴ったりかみついたりする
  • おむつ交換時に顔をけられる

その③ おどしと要求

  • 他者を引き合いにサービスを強要する
  • 介護保険ではできないこと、契約上受けていないサービスを強要し、断ると激怒される
  • 時間が過ぎているのに繰り返し仕事を指示される
  • 利用者優先の意識、客の意識が高く、家政婦扱いされる
  • お金を払っているのだから、これができないのはおかしいと強要される

パワハラだけじゃない!セクハラも!

パワハラだけじゃない!セクハラも!
ハラスメントはパワハラだけではありません。

セクハラに該当する事例も多くみられます。

身体介助時に胸やお尻を触る、性的冗談をしつこく繰り返すなどは立派なセクハラであり、ハラスメントを受けたスタッフの精神的負担は大きいです。

介護施設でパワハラやセクハラが増える背景

介護施設でパワハラやセクハラが増える背景
多くの介護職員は「心が通い合う介護を」という気持ちをもって対応しています。

にもかかわらず高齢者がハラスメントをしてしまうのはなぜでしょうか。

これは、一種のストレス解消の手段なのかもしれません。

高齢になり、または要介護状態となると、今までできたことができない苛立ちは誰でも少なからず感じます。

入浴も食事も自分でできないとはもどかしい、みんなに迷惑をかけているという気持は大きなストレスとなり、それを介護職員にぶつけてしまいがちです。

地位の高かった人は特にその傾向が強く、介護に対して自分のプライドが大きな壁となってしまうのです。

セクハラは男性に多くみられる行為です。

世代的に男尊女卑の考え方が残っていたり、単に性欲が強いため女性介護士に対してセクハラ行為を行ってしまうことがあります。

また、認知症患者の場合は、疾患症状として暴力や暴言が発生することがあります。

今から何をするのか、どういう状態にあるのかなどの声かけやコミュニケーションを十分とらず、流れ作業的なケアになってしまうと、高齢者は不安になります。

状況が呑み込めないまま、納得のいかないままどこかに連れていかれる、服を脱がされるといった状況では、恐怖感を覚え、暴力や暴言につながってしまうのです。

介護施設以外の訪問系サービスでは更に深刻

介護施設以外の訪問系サービスでは更に深刻
介護の現場は、老人ホームなど介護施設以外に、訪問介護サービスがあります。

訪問系の介護ービスにおいても、パワハラは多く、その状態は深刻です。

訪問介護という特性から、多くの場合介護職の女性が一人で利用者宅を訪れます。

自宅となると、ある意味密室であり、利用者と家族以外の人の目がありません。

そのため、パワハラやセクハラが起こりやすい環境にあり、その程度もエスカレートしやすいのです。

また、例えその実態を表面化したいと思っても、被害者、加害者以外に人がいないため証明が難しいという大きな問題点があります。

加えて、自宅に訪問という観点から家政婦と混同されやすく、介護以外の用事も要求するため断ると激怒するというパターンも多いです。

厚生労働省の取り組み

厚生労働省の取り組み
介護現場でのパワハラは個人レベルでの解決は難しく、被害に遭った職員は心身共に疲弊し退職に追い込まれることも珍しくありません。

介護業界では、すでに慢性的な人手不足、低い定職率という問題を抱えており、これ以上の離職率アップは介護の崩壊といっても過言ではなく、国を挙げての対策が必須です。

そこで厚生労働省では、「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」を作成。

介護現場における利用者、家族によるハラスメントの実態と、それに対し取り組むべき対策を示しました。

具体的には、利用者へのサービス利用時における規則周知徹底、トラブル発生時の速やかな情報開示と共有、ホットラインの開設などが盛り込まれています。

まとめ

まとめ
介護施設におけるパワハラは表面化しにくいものの、介護業界の深刻な問題の一つです。

介護職員が気持ちよく仕事ができる環境が、定職率を上げるための条件です。

ハラスメント対策マニュアルに沿って、施設全体で現状把握と解決に努めましょう。

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