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介護施設での入浴回数は法律でどのように規定?理想は何回?

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介護施設での入浴回数は法律でどのように規定?理想は何回?

健康な若い人たちは、毎日入浴することが普通ですので、介護施設でも毎日入浴させてもらえるのではと思いがちではないでしょうか。

しかし、介護施設においては、毎日入浴できるところは少なく、週に2回というところが多いです。

この記事では、なぜ週に2回なのか、理想的には何回なのかなど、介護施設の入浴についてお伝えします。

介護施設での入浴回数について

介護施設での入浴回数について
介護施設の入浴回数は施設の方針によるところが大きく、多くの施設が週2回としています。

その① 原則週に2回以上と規定

健康な若い人は自宅で毎日お風呂に入ることが普通の生活を送っています。

そのため、家族が老人ホームなど介護施設に入居すると、同じ様に毎日入浴できるのではと思いがちではないでしょうか。

しかし、法律上、老人ホームなど介護施設での入浴または清拭は、週に2回以上と定められています。

つまり、週2回入浴または清拭ができていれば、法律上問題がないということです。

その② 週二回の入浴ができない場合

週2回の入浴が決められているものの、本人の体調が優れないとき、認知症で入浴拒否があるときなど、様々な事情でそれができないことがあります。

入浴ができない時には、シャワー浴や部分浴という方法があります。

シャワー浴は、シャワーチェアに座って温かいシャワーをかけます。

湯を張った洗面器に足をつければ、お風呂感覚を楽しむことができます。

シャワー浴も無理であれば、手足だけの部分浴だけでも温まりリラックス効果があります。

おむつを付けている場合は一日に1~2回ぬるま湯で流します。

これらができないときには清拭を行いましょう。

温かいタオルで体を拭くだけでもさっぱりとし、清潔を保つことができます。

清拭剤も市販されています。

認知症の方は、自分なりのこだわりなどなにか理由があって入浴を拒否していることが多く、無理強いをすると拒否が余計に強くなったり、暴言、暴力につながる原因になりますので、慎重な対応が必要です。

「背中に薬を塗りますから」とか「足の爪をきりたいので」などと理由を付けて浴室に誘導し、「今日は特別な○○湯ですよ」などさりげなく誘ってみましょう。

介護施設での入浴は重労働

介護施設での入浴は重労働
介護施設で入浴する高齢者では、自立の人から重度の要介護者まで様々です。

その人の状態によって介助の仕方も異なり、体力的にも精神的にも労力がかかるケアが入浴介助です。

その① 介護職員の本音「理想はあるけれど

入浴介助は、一人一人の体調チェックから始まり、髪や体を洗い、安全に誘導したり支えたりと、体力的に大変な労力がかかるケアの一つです。

自立度の高い人でも、浴室での事故防止のために見守りは必要です。

また、浴室内は介助者にとっては蒸し暑く、一人で長時間介助を続けることはとても大変なことです。

誰もがお風呂に入れば気持ちがよく、多くの介護職員は「毎日でも入れてあげたい」という気持ちを持っていながら、一人でたくさんの人にゆったりとした入浴時間を提供することに限度を感じています。

入浴をする利用者の数に比例して、介護職員も多く必要なのです。

しかしながら、介護業界は慢性の人手不足という問題を抱えており、入浴介助にたくさんの職員を」配置する余裕がないというところが現状です。

職員の理想と現場の実態のバランスが、なかなかうまくとれないのです。

その② 精神的な負担も

高齢者にとって入浴は、清潔を保つこと以外にも、気分転換や精神的なリラックス効果があり、生活の中で必要不可欠です。

しかし、入浴による様々な事故もあることから、入浴介助は介護施設において非常に気を遣うケアの一つです。

入浴前の健康チェックで入浴が差し支えないか判断し、ヒートショック防止のため脱衣所や浴室の温度管理と、入浴前から細心の注意を払います。

入浴時には、心臓に負担がかからないようお湯の温度管理を徹底し、転倒防止のための介助や準備、自立の人でも常に見守りが必要です。

このように、入浴介助は体力と合わせて精神的な負担も大きく、一人の職員がたくさんの人を続けて介助することは難しいと言えるでしょう。

入浴回数で施設の質が分かる??

介護施設での入浴は重労働

入浴は体を清潔に保つためだけでなく、お風呂に浸かる心地よさから、疲れもとれリラックスすることができるため、精神的な安定が得られます。

若い人たちは毎日入浴することが普通であり、高齢者の中にも毎日入りたいというお風呂好きな方もいるのではないでしょうか。

中には、入浴は疲れるから、面倒だからといって一日おき、二日おきにする人もいるでしょう。

法律上、介護施設での最低入浴回数は週2回と決められていますが、言い換えれば、これはあくまで最低限の回数であり、快適に生活するためにこれが十分かどうかは別の話となるでしょう。

暑い夏場などは特に、3~4日に一度の入浴は少ないのではと感じる人も多いです。

特別養護老人ホームを含め、多くの老人ホームが週2回をうたっているのが実状ではありますが、中には上記のような考えから、週3回を基本としているところもあります。

また、週3回、4回目は別料金で対応という施設もあります。

週2回以上ができるかできないかは、入浴をどこまで重要視しているか、そこに人手をかけることができるかどうかという、施設の方針によるものです。

上記でも触れたように入浴介助は介護の中でも重労働の部分で、人手がかかります。

人手をかければ人件費がかかる、人件費がかかれば利用料を上げざるを得ません。

さらに、人手不足が慢性化していることでもわかるように、介護業界で良い人材の確保と維持は難しい状態です。

このような中、敢えて週3回以上の入浴に対応しているということは、施設としてこだわりと高い意識をもって取り組んでいるということでしょう。

まとめ

まとめ
入浴は清潔を保つだけでなく、気分転換や精神的にリラックス効果があり、人間らしい生活を送るために必要不可欠です。

介護施設でも入浴介助サービスが提供されていますが、多くの施設で週2回のサービスにとどまっています。

それは、法律上最低週2回と定められていること、入浴介助が重労働であること、そして人手不足が主な理由です。

週2回が十分か少ないかは一概には言えませんが、週3回以上行っている施設もあり、各施設の方針によりますので、入所前によく確認しましょう。

体調不良や本人が拒否した場合を書く。

入浴は回数が多ければ多いほどいいのは分かっているが、人材不足でなかなか難しいのが本音。

入浴回数が法的に守られているからOKでなく、施設組織でどのように取り組む意識があるかで、その施設の質が分かる。

人材不足への対応も、優良な施設なら十分できているケースもある。

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