認知症の方の在宅介護で心配される事の一つは徘徊ではないでしょうか?
介護をする家族の方も四六時中見守りをすることは難しいです。
そんな時に役立つのがGPSを利用した「徘徊感知器」です。
この記事では徘徊感知器について詳しく解説します。
徘徊感知器とはなにか?
徘徊感知器とは、正式には認知症老人徘徊感知機器といい、認知症である高齢者が屋外に出てしまうことを防ぐ目的で、センサーを利用して感知し家族等に知らせるものです。
認知症老人徘徊感知機器には、ドアや玄関を通過した時に知らせてくれるもの、ベッドから離れた時に知らせてくれるもの、利用者本人が携帯し知らせてくれるものがあります。
家の出入口に赤外線などのセンサーを設け、ドアの前を横切った時やドアを開閉した時に知らせるもの、ベッドの下や寝室の出口の床面に重量センサーなどを設けることによって人間の動きを感知して離れた介助者へメロディーや光で知らせるもの、小型の認知症老人徘徊感知器を身につけた対象者がセンサーの近くを通ると発信機の電波を受信部が感知する設計のものなどがあります。
認知症老人徘徊感知機器を利用するメリットは、徘徊の1番初めの予兆を知らせることができるため、徘徊をして行方が分からなくなるということを未然に防ぐことが可能であり、家族の心労や疲労を最小限に食い止めることができます。
歩行が安定しない方の場合では、転倒するリスクが高まるため、認知症老人徘徊感知機器を利用することで、転倒による骨折などのケガを未然に防ぐことができます。
徘徊感知器を選ぶ3つのヒント
認知症老人徘徊感知機器について説明しましたが、次にこれを選ぶ際の3つのヒントを紹介します。
その① 違和感なく身に付けられるか
携帯型小型発信機の場合は、利用者が外してしまわないようにいつも履いている靴や衣服に縫い付けたり、お守りに入れたりして、それとわからないように工夫する必要があります。
アラームだけでなく認知症老人徘徊感知機器そのものに気づいてしまう方もおり、電源を抜いてしまう、小型の発信器をどこかに捨ててしまうという事例もあります。
なるべく目立たないようなデザインのものを選ぶ必要があります。
その② バッテリーの持ちは大丈夫か
バッテリーや電池など、ちゃんと確認しておいて、いざというときにバッテリー切れ、電池切れで使用できないということがないように注意してください。
電源をコンセントタイプにするか、電池タイプにするかどうかの検討も必要です。
その③ 価格は適正か
認知症老人徘徊感知機器は介護保険のレンタル対象品であり、要介護2以上の方であれば、一部負担額で利用することができます。
しかし、認知症老人徘徊感知機器の中には介護保険適用外のものもあります。
介護保険法では「野外へ出ようとしたとき、又は屋内のある地点を通過したときに、家族や隣人などへ通報するもの」が対象とされています。
「ベッドや布団などを離れたときに通報するもの」についても、「屋内のある地点を通過したときに」の解釈に含まれると規定され、介護保険の給付対象となっています。
しかし、「外に出てしまった後の位置を探査するもの」は含まれていないため、徘徊探査機能単体では、介護保険の対象とはなりません。
この場合レンタルではなく購入となり高額となります。
市町村によっては自治体独自の高齢者サービスとして、機器の貸し出しや、利用料の助成を行なっているところもあるため、お住まいの自治体に確認してみると良いでしょう。
具体的商品・サービスのご紹介
徘徊感知器について説明しましたが、ここで具体的な商品・サービスをご紹介します。
その① iTSUMO DOOR(いつもドア)
iTSUMO DOOR(いつもドア)はドアを開けた時にブザーがなったり、メールでお知らせしたり、すなわち徘徊が始まろうとした時点で徘徊を知らせることにより認知症の方の徘徊という不安を本人、家族から軽減することができます。
iTSUMO DOOR(いつもドア)の本体について 縦14.5cm x 横9.6cm 重量260gとコンパクトで軽量なため、 簡単に自宅の玄関のドアに設置することが可能です。
要介護者がドアを開けるとiTSUMO DOOR(いつもドア)本体の マグネットセンサーが作動し、本体内蔵のブザーが鳴ることで家族やサポートしている介護の方に徘徊を知らせ、防止することができます。
外出している時にドアが開いたことを知りたい、ご家族様みんなで情報を共有したい場合などの要望に応じてオプションでメール通知サービスを利用することができます。
iTSUMO DOOR(いつもドア)は日本全国で介護保険適用された福祉用具であるため、介護保険が適用される方であれば、どなたでも利用することが可能です。
初期費用、解約手数料0円、 月額費用は1,200円+オプション(通信端末利用料)約700円です。
その② いまどこちゃん
いまどこちゃんは徘徊高齢者を早期発見するGPSレンタル、位置情報提供サービスです。
今どこにいるのか知りたい時に、パソコンやスマートフォン・タブレットから専用サイトにアクセスし、簡単に検索することができます。
GPS端末から自己位置通知を元にGPS端末の現在位置を地図上に表示、現在位置をメール通知します。
メール送信先は最大5つ登録が可能です。
専用ページから本人以外もGPS位置検索が可能であり、第三者もGPS端末の現在位置が確認できます。
専用ページより端末のブザーを鳴らすことが可能です。設定したエリアの出入りをメールで通知します。
設定した曜日、時刻、時間間隔で位置をメール通知します。
GPS端末において電源ON/OFF、電池残量30%、15%、0%、再起動時の各ステータス発生にメール通知します。
省電力モードにより待ち受け時間を延ばすことが可能です。
振動感知が靴を履いたなどの振動を感知し、メールで通知します。
GPSを内蔵できるいまどこちゃん専用ケアシューズも販売しています。
初期費用は5,000円、GPSレンタル、システム使用料は月額1,800円です。
オプションで電話による位置検索依頼は1回200円、電話による位置検索回答は1ヶ月200円です。
その③ 愛SOS
愛SOSはビーコン端末を装着した「魔法の靴」です。
ビーコン端末を靴の中に内蔵して持たせ、自宅の玄関などににレシーバーを設置することにより、そこに人が一定距離内(20m~40m以内)に近づくと反応し、そのことを施設管理者のスマートフォンやタブレットにメールで知らせます。
離設しようとする人を事前に検知します。これにより、今までのように、玄関口を厳重に固めたり、人の眼で四六時中見張るなどの気苦労から解放されます。
地図上から居場所を検索できます。
危険エリアを指定し、危険な場所への侵入を知らせます。
離設アラートがあり、遠くに離れることを防ぐことができます。
迷子情報公開機能があり、いざという時に助けを求められます。
用途・目的に応じて3タイプから選ぶことができ、それぞれ料金が異なります。
GPS端末使用料は月額2,250円です。
まとめ
この記事では徘徊感知器について詳しく解説しました。以下にこの記事の内容についてまとめます。
- 徘徊感知器(認知症老人徘徊感知機器)とは、認知症である高齢者が屋外に出てしまうことを防ぐ目的で、センサーを利用して感知し家族等に知らせるものです。ドアや玄関に設置するもの、ベッドや寝室出口の床に設置するもの、利用者本人が携帯するものなどがあります。
- 徘徊感知器を選ぶ際には、違和感なく身に付けられるか、バッテリーの持ちは大丈夫か、価格は適正かというポイントが重要です。
- 具体的商品・サービスとして、iTSUMO DOOR(いつもドア)、いまどこちゃん、愛SOSなどがあります。
徘徊は介護するご家族の心労もさることながら、 徘徊をする本人も自分がどこに来ているのかも分からない不安でいっぱいになります。
徘徊感知器はそんな不安を最初の段階で知らせるため、徘徊を防止することができます。
徘徊感知器には様々なタイプがあるため、本人と家族のニーズから商品を選択すると良いです。