この記事では介護ベッドのサイズはどのくらいがいいのか、また、介護を行う部屋はどのくらいの大きさがいいのかということについて解説しています。
在宅での介護を行う際には様々な福祉用具が必要になってきますが、その中でも最も利用頻度が高いのが介護ベッドかと思います。
ただ、介護用ベッドには様々な種類があり、高さ・幅・奥行きといったサイズがベッドごとに異なってきます。
そのため、初めて介護用ベッドを利用される際にはどのようなものをレンタル又は購入すればいいのか迷われる方が多いかと思います。
また、いざ部屋の中に介護ベッドを入れたとしても、要介護者や介護を行ってくれる家族が自由に動くことができるスペースが確保されていないと十分な介護を行うことができません。
ここでは介護ベッドのサイズはどのくらいがいいのか、また、介護を行う部屋はどのくらいの大きさがいいのかということについて解説して行きますので、介護ベッドの利用を検討されている方は是非この記事を参考にしてみてください。
介護ベッドの標準的なサイズについて
在宅での介護を行うにあたって寝室に介護ベッドの導入を検討されている方も多いかと思います。
介護ベッドは様々なメーカーから販売されていますが、そもそも標準的なサイズの介護ベッドとはどのようなサイズなのでしょうか?
ここでは介護ベッドの分野における世界的メーカーであるパラマウント社製のものを基準として紹介します。
その① 高さ
介護ベッドの高さは基本的には61.7㎝~105.2㎝となっていますが、基本的に高さ調節機能が搭載されていることがほとんどですので、要介護者の立ちあがりやすい高さや座りやすい高さ、また、介護を行う家族の身体的な負担が少なくなる高さに調節することが可能になっています。
このため、幅や奥行きとは違って購入やレンタルをした後でも調節が可能になっています。
その② 幅
介護ベッドの幅ですが、ベッドのサイズでいうと標準(レギュラー)サイズの場合は91㎝となります。
なお、これはベッドのサイズであり、外径のサイズでは99.9㎝となっており、実際に部屋に設置して使用する場合にはこちらのサイズを参考にしましょう。
その③ 奥行き
介護ベッドの奥行きですが、ベッドのサイズでいうと標準(レギュラー)サイズの場合は191㎝となります。
なお、これはベッドのサイズであり、外径のサイズでは201.3㎝となっており、実際に部屋に設置して使用する場合にはこちらのサイズを参考にしましょう。
ここまでのサイズから標準サイズの介護ベッドは、99.9㎝×201.3㎝となります。
介護を行なうために必要な部屋の大きさ
先程の項目では介護用ベッドの標準的なサイズについて解説してきましたが、ここでは介護を行うために必要になってくる部屋の大きさについて解説していきます。
「介護ベッドを購入・レンタルしたはいいけど、部屋に置くと他の自由なスペースがなくなる」というような状況になってしまっては元も子もありませんので、この点についても十分に注意しておく必要があります。
その① 一人で歩いて移動する場合
要介護者が自力で歩行することができる場合ですが、この場合であればベッドの周りにそれほど大きなスペースは必要ありません。
ベッドを壁際に寄せることができるのであれば、四畳半程度の部屋でも十分に介護ベッドを運用することができます。
その② 車椅子で移動する場合
要介護者が普段の移動に車椅子を使用しているという状態の場合ですが、要介護者がこの状態の場合は入口からベッドまでの間に車椅子が通ることのできるスペースを設けなければなりませんし、ベッドの周りには車椅子とベッドの乗り降りを行うためのスペースの確保も必要になってきます。
このため、四畳半の部屋でも無理というわけではありませんが、車椅子を使用する場合にはもう少し大きめの部屋を用意した方が介護がしやすくなります。
その③ ベッド上で寝たきりの場合
要介護度が重く寝たきりであるという場合には、移動用の車椅子がスタンダードタイプの車椅子とは違い、リクライニング機能が搭載されているものを利用することになります。
この車椅子はスタンダードタイプのものよりもサイズが大きくなりますので、それに伴ってベッド周りのスペース等も広めに取る必要が出てきます。
介護ベッドを置く場合の配置
ここまでの項目でベッドの標準サイズや介護に必要な部屋のサイズについて解説してきましたが、ここでは介護ベッドを利用する際の部屋の配置について解説していきます。
要介護度が低く、ある程度自立して生活を行っている場合には介護ベッドを壁側に配置することがオススメです。
この配置にすることによってベッド周りのスペースを大きく確保することができ、車椅子やポータブルトイレを利用しやすくなります。
一方、要介護度が高いために家族等の介護が必要である場合には、壁側にくっつけるのではなく、ベッドの両側にスペースを確保できるように部屋の中央に配置するがオススメです。
このような配置にすることによってベッドのどちら側からでも介護を行うことが可能になります。
このように介護ベッドの配置は、そのベッドを利用する要介護者の身体状況に合わせた配置にすることが重要になってきます。
また、身体に麻痺がある婆、左麻痺の方は右に、右麻痺の方は左に起き上がる方が楽であるため、その点も考慮した配置にしましょう。
部屋の大きさに合った介護ベッドをレンタルする方法
介護ベッドですが、介護保険サービスの1つである福祉用具貸与の対象種目に含まれているため、要介護認定において「要介護2~5」の認定を受けている場合であれば介護保険を利用してレンタルすることができるようになっています。
レンタルを行う際にはケアプランを作成した上でレンタルしてくれる事業瀬谷の選定を行うことになりますが、事業者を決定すると福祉用具専門相談員が自宅を訪ねてきます。
ここでレンタルすることになる介護ベッドの選定を行うのですが、この際にある程度要介護者や設置する部屋に適合するかの確認を行います。
ベッド納入後にも最終的な確認は行われますが、ベッドの選定を行う際にしっかりとイメージを持ってベッドを選ぶ必要がありますので、福祉用具専門相談員や担当のケアマネージャーのアドバイスをよく聞きながら進めていくようにしましょう。
まとめ
ここまで介護ベッドのサイズはどのくらいがいいのか、また、介護を行う部屋はどのくらいの大きさがいいのかということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
現在の日本では在宅での介護が主流になってきており、それに伴って様々な福祉用具を利用する機会が増えてきています。
在宅での介護を行うにあたって利用することになる介護ベッドですが、解説してきたように利用する際には設置する部屋の大きさを十分に考えた上でベッドの選択を行う必要がありますし、利用する要介護者の要介護度に合わせて部屋の中でのベッドの配置等も変化しますので注意してください。
また、介護ベッドには背上げ機能・高さ調節機能・膝上げ機能といった様々な機能が搭載されているものがあり、こちらも要介護者の身体状況に応じて必要な機能が搭載されているものを選択するようにしてください。